~馬鹿騎士二人の勘違い~
1
「それにしても・・・騎士長は変わられたよなぁ」
仕事終わり、酒場で飲んでいる赤い髪の騎士が言った。彼の名前はロート、リィとレイルの仲の良さをからかった人物である。
「そうだなぁ・・・一生懸命で強いのはもとからだけど、前はからかおうもんなら睨んできたのに」
ロートと話しているのはヴェールだ。深緑色の髪は見た者に強い印象を与える。
「やっぱり・・・」
「ああ」
「「副騎士長のおかげ、だな」」
「騎士長は自覚してないだろうけど、雰囲気が柔らかくなったし」
「恋の力、恐るべし・・・」
二人は顔を見合わせると、誓った。
「「俺たちが、二人のキューピットになろう‼」」
・・・なんというか、傍迷惑な誓いだった。
2
次の日。二人はリィを誘って、酒場にやってきた。
「告白とかどうする?」
開口一番。リィの目が点になる。
「はい?」
「場所はどこがいいとかある?もしあるなら、俺たちが探すよ!」
「あ、あの・・・」
「リィ?ここで何を?」
立っていたのはレイルだった。
「「チャンス!」」
ロートとヴェールはリィをレイルの方に押し出す。
「あの、二人とも・・・」
「頑張れ!って、どうかしたのか?」
「・・・どうかしたのかも何も・・・」
「もう、一緒に暮らしてますっ‼」
「「・・・は?」」
「だから、レイルと私はその・・・ふ、夫婦なの‼」
店にいる全員の視線が集中している。何の罰でこんなことをこんな場所でこんな大声で言わねばならないのか。
馬鹿騎士二人は口を開いたり閉じたりしてから、
「「は・・・は・・・」」
「「早く言えよ‼」」
・・・いや、自業自得だろ。
3
「それで?君たちは僕の妻に恥ずかしい思いをさせて、どうなるか分かっているのかな?」
レイルの笑顔が引きつっている。
「「も、申し訳ありません‼」」
「やってしまったことは変わらない」
ロ一トとヴェールは顔を上げた。希望を見出したような表情。しかしその顔は続くレイルの言葉で崩れる。
「だから、明日からの訓練で思いっきりしごいてやる。───それぐらいの覚悟はあるんだろうな?」
レイルの体から、黒いものが溢れている。それを見た二人は顔色をさらに悪くし、コクコクと頷いた。
騎士ロート、ヴェールの訓練は凄まじく厳しいものになった。図らずも、騎士の実力をつけるということには非常に役立ったのだった。




