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怪 談   作者: 冬月 真人
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【テケテケ】


都市伝説にあるテケテケ。

あまりにリアリティが無くて笑える。

微塵の怖さも無い怪談だ。

四つん這いでそんな速さで動けるはず無いじゃないの。

もしも本当なら陸自からスカウトされるよ。


いいかい?

本物はね、ゆっくりと這って来るんだ。

両腕を、まるで腕立て伏せをするように地面についてね。

足は……

そう言えば足はどうだろう。

有ったのか無かったのか。

でも、足を使ってる雰囲気は無かったなぁ。


ん?

何か言ってる事がおかしい?

見て来たみたいだって?

いや、見たもの。

俺が見たのは真昼間さ。

砂利道の上を這う爺さん。

麦わらの帽子を被っていて、至って普通の人間に見えたんだけどね。

爺さんって言ったけど、うつむいていたから婆さんかもしれないし、若いかもしれない。

だけど何故か爺さんだと感じたんだよね。


言われてみたら足ねぇ。

使ってる様子は無かったとしか言えない。

見た記憶が無いんだよなぁ。

ただ、本当にゆっくり這っていたよ。

人間?

そう思うなら砂利道の上で両手を張り出して這ってごらんよ。

少なくとも俺には無理だね。


都市伝説のB級ホラーで盛り上がる連中に透はそう語ってその場を去った。




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