表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪 談   作者: 冬月 真人
74/103

【足止め・前編】

その日はシフトで休みだった。

普段の透であれば休みでも老人並みの早起きなのだが何故か9時過ぎまで眠っていた。

とりあえず部屋を出て居間に降りると母親の和恵が居た。

「鮭でも焼くかい?」

起きて来た透に声を掛ける。

東京から実家に帰って三ヶ月。

出てくる魚のクオリティの高さに北海道を実感する。

脂の乗った鮭の朝食を堪能した透はとりあえず外出をする事にした。


免許を取ってすぐに上京した透は地元の地理をほとんど知らない。

にも関わらず透は無謀にも運転手に転職した。

だから休日は道を覚える為にドライブをするのが透の定番だった。

出掛けるにあたり必須アイテムの携帯を探す。

自慢の黒のP101。

……無い。

いつもは部屋の充電器にセットしてある携帯が何処にも無い。

机の上、ベッドの周り、本棚……

どういう訳か見つからない。

透は和恵に携帯を鳴らすよう頼むと部屋に待機した。

数秒後、和恵が大声で透を呼んだ。

「兄ちゃん、携帯ここで鳴ってるよ」

何故か台所にあった携帯を受け取った透はいよいよ玄関に向かった。


そして今度は鍵が無い。

透の車はローバーのミニ。

ミニはエンジンキー、ドアキー、燃料タンクのキー、アンテナ引き出しキーがそれぞれ別に有る。

つまり1台のミニを動かす為に4つの鍵が必要となる。

そしてそれは鍵束として保管している訳なのだが何処にも無い。


透は基本は大雑把だ。

大雑把故に子供の時分から様々な物をくしてきた。

教科書を紛失した時にはもう大騒ぎ。

結局それは見つからず、夏休み明けからはコピーした道徳の教科書を暫く使っていた。

そんな教訓から『モノ』は絶対に同じ場所に戻すようになった。

今や本棚の本や筆箱のペンすら同じ順番に並んでいる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ