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怪 談   作者: 冬月 真人
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【閉じ込めました・前編】



「なんだか顔色が良くないみたいだけれども、疲れてる?」

久しぶりに会った同僚は頬の肉が削げたように落ちていた。

「きっと憑かれてる」

「次の休みはいつ?ゆっくり休みなさいよ」

透は笑ってそう言うと「じゃ」と手を上げて自家用車に向かった。

が、1歩を踏み出しかけて振り向いた。

「ねぇ、もしかして憑かれてるって言った?」

透が胸のあたりで手の甲を向けて両手をユラユラさせて古典的な幽霊の仕草をすると同僚は大きく頷いた。

冗談のつもりだった透はそのままの格好でフリーズした。

「いやいや、ボケにボケで返すのはビジネスマナー違反だぞ」

透は更にボケてみたが同僚は「マジな話」とトーンが下がった。


同僚が1Kの自宅にソレを見たのは月初めの頃。

『見た』というのはあまり正確ではない。

『感じた』が正しい。

当然ながら初めは気のせいだと思っていたが、次第にそれは確信に変わっていった。

音を聞いた。

そして定番の金縛り。

苦しくて目を開けると夜の闇の中に一際暗い黒が胸の上にあった。

何かの姿ではなく黒い塊というか黒い霧。

もうダメだ。

月半ば、それが顕著になってから知り合いのツテで詳しい人を紹介してもらった。

詳しいというか、副業的にそのテの仕事をしている人のようだ。

同僚はその人から盛り塩を指示され、お札を四枚購入した。

同僚曰く、お札は自主的に購入したらしい。

1枚2500円。

そして同僚は帰ってすぐに塩を盛り、お札を貼った。


半紙の上に盛った塩は玄関とキッチン、それから部屋に置いた。

お札は鬼門と裏鬼門。

そして影をよく見る場所へ。


全てが終わると幾分か気分が楽になった。

これはやはり効果なのだろうか。

同僚は気分が良くなったついでに、その夜はプチ祝い的に外食をすることに決めた。

とは言ってもお札の出費がある。

いつもの牛丼屋で肉の大盛りが限界だ。

それでもプチ祝い。

同僚は意気揚々と外出した。




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