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怪 談   作者: 冬月 真人
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【閉じ込めました・中編】



満腹になって帰宅。

外出時間は20分に満たない。

その7割は移動時間。

牛丼屋での食事なんてそんなものだ。

同僚は鍵を開けて部屋に入る。

隅の盛り塩を踏まないように気を付けながら靴を脱いで上がるとまとわり付くような空気に出迎えられた。

重く澱んだ空気。

あの長期間閉め切った部屋とかにある感覚。

さっきまでは感じなかった空気だ。

明かりをつけると奥まで歩いて窓を開ける。

心地良い外の風が頬に触れた。

深く息を吸い込んで新鮮な空気を味わう。

その時、後ろに気配を感じた。

振り向くが誰もいない。

当然だ。

塩も盛ったし、お札も貼った。

幽霊など出るわけもない。

同僚は気を強く持ってその晩は眠った。


夢を見た。

夢の中で夢と気付く夢。

その舞台は見知った自室。

家具も雰囲気も何もかも違うが、そこが自宅だと夢の中では思っていた。

そして知らない知人と楽しく談笑している。

男女の区別も老若の見分けも付かないが、とにかく昔からの知人。

起きてから思えばおかしな話だが、夢の中では夢と判別しているにも関わらずそこに疑問を感じなかった。


そしてこの夢を見てから調子が悪い。

金縛りは無くなった。

相変わらずふと気配を覚えるが、それ以上の危害は無い。

でもやはり調子が悪い。

肩も腰も背中も気分も重だるい。

湿布も温泉もマッサージも効果が無く、風邪かと熱を測っても健康的な体温だった。



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