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カノアゲーム  作者: 朔
6/11

ブラッドラビットと災難

「リスポーン地点がここになってるってのはマジ?」

「はいさっき死に戻りしてきましたから」


痛覚設定が最低にされているとはいえ、何度も死に戻るのはつらい。


ケンチャンはそこらに生えている草をブチブチと切り取って口にしてみた。

「ケンチャン急に草を食べてどうしたんですか?」

「やっぱりな。ここら一体薬草だ」

希望の光が見えてきた。絞ればポーションも作れるかもしれない。


「ところでマリリンのステータス振りはどうなっているんだ?」

「わ、私ですか?お恥ずかしいのですが、運極振りです」

そう言ってステータス画面を見せてくる。筋力1素早さ1賢さ1器用さ1運96というとんでもないステ振りを見せられた。


「あっ、でもレベルアップ分のポイントは取ってあるので安心してください」

胸を張って言うマリリンに、絶望気味のケンチャン。


「とにかく筋力と素早さにポイントを振ってくれじゃないと話にならん」

言われた通り筋力と素早さにポイントを振るマリリン。


「これでどうでしょうか?」

見せてきたステータスに驚いた。筋力20素早さ20と劇的に変わっていたからである。


「どうやってここまでレベルを上げたんだ?もうレベル18じゃないか」

「それはですね。同士討ちしたゴブリンの勝ち残った方を倒すという方法でレベルアップしていました。同士討ちしたゴブリンはレベルが上がって経験値がより多く集まるんですよ」

「なるほど、そんなやり方があったのか」

素直に感心するケンチャン。


「とりあえず、俺のステ振りは保留して、裏ボスの一面に挑戦してみるか」

「はいお供しますよ。ケンチャン」


結果から言うとぼろ負けだった。ケンチャンとマリリンはパーティーを組んだのだが、ボスは色欲ラストでラストの声を聞いた瞬間、ケンチャンはラストの眷属とかしてしまった。ステータスに少し差のあるケンチャンとマリリンでは、ケンチャンが有利でことが進み、マリリンは倒されてしまった。残されたケンチャンは自害させられた。


そしてリスポーン地点が先ほどまでいた場所に変わっていることに気づくと、なんともやるせない気持ちになった。


せっかく仲間になったのに同士討ちしていては意味がない。男性プレイヤーはラスト対策に耳栓でもするのだろうが、あいにくここには耳栓がない。


色欲と言うだけあって、美人なボスだった。


「次はラストの声帯を潰す作戦で行く。素早さを上げるぞ」

と言うと、ケンチャンは素早さを10上げた。


それでは裏ボス戦二回戦目いってみよう。ケンチャンは森の中から双剣を一本、ラストの声帯を狙って投擲する。しかし気づかれて避けられてしまう。もう一本の双剣も投げてみたが、さらりと避けられてしまった。


もうラストの声を聞いて眷属になってしまったケンチャンは双剣を取りに行っていた。


(今のうちにラストを倒してくれ!)

とケンチャンは心の中でマリリンに思った。

双剣を取り終わり、ラストの所へ行くと、槍で応戦しているマリリンの姿があった。


しかし、間に合わずまたケンチャン対マリリンの構図が出来てしまう。ここでもケンチャンが勝利しマリリンはリスポーンしてしまう。ケンチャンも自害し、リスポーンする。


「さっきの作戦、惜しかったなぁ」

「そうだな。次は俺が耳を塞いだ状態で挑もうと思う」


続く裏ボス三回戦目。ケンチャンが耳を塞いで待っていると、途中まで有利にことを進めていたマリリンに魅了がついた。ということは、今度は女性だけが魅了される状態になったということだ。


ケンチャンは茂みから飛び出すとマリリンの武器を弾き飛ばし、ラストへ襲いかかった。念のため声帯から潰す。喉元を切りつけると声が出ない状態になったラストはもがいているようだった。だがラストにも攻撃手段があるらしく胸元から剣を生成して戦い始めた。マリリンが戻ってきたら数的有利がなくなってしまう。なんとかその前に倒さなければと思っていたのだが、マリリンが戻ってきてしまう。そしてマリリンの攻撃がケンチャンに当たろうかというところで、ケンチャンの脇を通り抜け、マリリンの槍がラストを刺した。


マリリンを見ると魅了はまだ解けていない。それなのにラストに攻撃出来たというのは、


「流石運極振りだな」

と納得せざるを得なかった。


ラストは苦しそうにしている。そこでケンチャンが六連撃を放つと、ラストは息絶えた。


「よっしゃあ俺達の勝利だ!」

マリリンに近付くと、

「運極振りにしておいて良かったー!」

と叫んでいた。

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