第十六話【プレイヤー】
またも投稿が遅れてしまってすみません。最近の夜は凄く寒いと思うのですが気のせいでしょうか?あまりにも寒くて指が悴んで痛い時がたまにあります。皆さんの周りはどんな感じでしょうか?皆さんは風邪をひかない様に気を付けて、確りと体を暖めて下さい。
誤字脱字があったら指摘よろしくお願いします。
灼熱のアルフレニヤ山の山頂にて、5人の男が集まっていた。1人は黒髪に黒い瞳のプレイヤー、オリジナル称号【殺戮武人】を持つ男クロウ=L=スルト。もう1人は銀髪に死人の様な青白い肌と赤い瞳のプレイヤー、オリジナル称号【魔王】を持つ男ガイア=テンプル。
もう1人は白髪に此方も血色の良くない肌と青い瞳、銀縁の眼鏡が特徴的なプレイヤー、オリジナル称号【医者】を持つ男T=V。もう1人は茶髪にこんがりと小麦色に焼けた肌と茶色の瞳、大きく盛り上がった筋肉を持つプレイヤー、オリジナル称号【戦車】を持つ男マッスル=ストロング。そして最後の1人は赤髪に紅いの瞳のプレイヤー、オリジナル称号【炎精霊】を持つ男ジョン=R=ケビン。
彼等5人の内の2人、【戦車】と【炎精霊】は溶岩煮えたぎる火口に風呂の様に浸かっている。そしてそのすぐ横の岩場で【魔王】と【医者】がプロレスをしていて、それを酒のつまみに先の2人は酒盛りをしている。それを1人離れた場所から見守る【殺戮武人】。その状況を一言で言うならばシュール、それ以外に言い様がない。
「フハハハハハハハハハハッ!貴様の筋力では我の足下にも及ばんわ!!フハハハハッ!」
「はははははっ!甘い!chocolateの様に甘い!そしtーーーグファッ!?痛い!」
俺は今とてつもない混沌を目撃している。アルフレニヤ山の頂上で聞こえてきた声を頼りに近付いて行った先で最初に見えたのは、笑いながら【医者】ことT=Vに【魔王】ことガイアがジャーマンスープレックスを決めている所だった。
「がははははッ!そうだそこだぁ!もっとやれぇ!!がははははっ!」
「クハハハハハッ!マッスル、もう酒はないのか?」
次に見えたのは溶岩に浸かって、酒と書かれた一升瓶を片手にプロレスをしている2人を応援する【戦車】ことマッスルと【炎精霊】ことジョンだ。はっきり言おう、シュール過ぎる!そして混沌だ!
何がシュールかって銀髪のイケメンと白髪のイケメンが笑いながらタオル一丁でプロレスをしている事がだ。しかも片方はジャーマンスープレックスを食らって後頭部を堅い岩石に打ち付けられているのに、笑っているのだ。どちらも青白い肌をしているので、シュールを通り越して不気味とも言える。
そして混沌なのは溶岩に風呂か何かの様に平然と浸かっているマッチョな2人だ。茶髪の美丈夫なおっさんが一升瓶片手にタオル一丁でプロレスをする2人の応援をしているのだが、明らかにおかしいのはそのムキムキ過ぎる筋肉だ。大胸筋がたまにピクッピクッと動いているのを見ると何故か鳥肌が立ってしまう。
そしてもう1人のマッチョで燃える様な赤い髪と瞳ーーーと言うか実際に体が炎で出来ている男が酒をもっと出せと叫んでいる。混沌だろ?溶岩の中に炎で出来た体を持つマッチョとムッキムキのおっさんが浸かって酒盛りしているのだからな………。
「ーーーつか、何でお前等生きてんの?老衰でくたばったんじゃなかったっけ?」
レフィに聞いた話ではガイア以外の3人は、何れも老衰で2~300年くらい前にくたばったらしいのだ。マッスルとT=Vに至っては、ゴットア連合国内に墓があってそこに埋葬されていると歴史書にも確りと記録されていた。
ガイアに関しては不死族なので、死ぬかどうか分からないので生きているのではないかと思っていたのだが、まさか人族のマッスルやT=Vまで生きているとは思わなかった。ジョンは一応は精霊族なので長生きしそうだから生きていてもおかしくはないんだろうと思う。
まぁ詳しくはあいつ等に聞けばいい。いつまでもプロレスと酒盛りに熱中し過ぎで俺に気付いてない馬鹿共に俺が居る事を気付いてもらわないとな。取り敢えずジャーマンスープレックスを決めて高笑いしているガイアの腹にドロップキックをお見舞いする。
「フハハハハハハhーーーゲフォッ!?」
「クハハハハハッ!見ろマッスル!ガイアがぶっ飛ばされたぞ!」
「がはははっ!おぉ!クロウではないかぁ!!がははははっ!」
「great!そのまま俺の敵をとってくれたまえ!ジャーマンスープレックスを食らった者の怨みを晴らしてくれ………!」
「………お前等一旦黙れよ。」
俺の存在には気付いてくれたが、余計に混沌な状況になってしまった。ドロップキックを食らったガイアはそのまま吹っ飛んで行き近くの岩に激突して変な声を上げて踞っていて、ジョンはそれを見て大爆笑、マッスルは笑いながら酒を一気に煽り、T=Vに至っては地面に倒れた状態で俺に向けて「敵をとってくれ」と言ってくる始末。
最早一旦黙れとしか言い様がない状況だ。
「一応訊くが、お前等何で生きてるんだ?12文字以内に纏めて言いやがれ。」
「「「「気付いたら生き返ってた。」」」」
きづいたらいきかえってた、ピッタリ12文字だな。ーーーってそんな事はどうでもいいんだよ!取り敢えずこいつ等はあ一旦死んだ後生き返ったって事で良いのか?どうやったかは知らねぇけど老衰で死んだのに生き返るって可能なのか?
まぁガイアに関しては可能だと思う、だってオリジナル称号は【魔王】なのだから………。魔王って勇者に倒されても何百年かしたら復活するだろ?あれと同じだよ。しかもガイアの種族は不死族、名前で分かる通り不死の種族だ、光や聖属性のスキルで止めを刺さないと何度でも蘇る。
敵対したら面倒極まりない種族だ。しかも不死族の中でも特に強い吸血鬼皇帝だ。光と聖属性以外の全属性に耐性を持ち、近中遠距離全てに対応出来るステータス補正、特殊な種族補正等々その能力はウザいくらい高い。
【エデン】でプレイヤーがなれる種族の中で最もバランスが良く、人族の様に器用貧乏にならない種族だ。但しレベルが低い時の不死族や吸血鬼はとんでもなく弱いのでわざわざ自分からこの種族になりたがるプレイヤーは中々居なかった。居たとしても99.999%が超怒級のドM野郎だ。
俺も一時期やってみた事があるが、思わず「なにこの無理ゲー」と呟いてしまったくらいだ。あれは本当に狂人の域に達しないと強くはなれない鬼畜種族だ。まぁガイアは狂人とまではいかないが頭のネジが10本程外れているので、なんとか現在の吸血鬼皇帝まで進化出来たのだ。
要はあんだけの鬼畜仕様なんだから、種族補正の恩地で老衰はないんじゃないか、って思う訳だ。まぁ必ずしも老衰でくたばったとは限らないけど………。どうせガイアの事だ、熾天使辺りと戦ってぶっ殺されたって可能性が一番高いだろうな。
「まぁ何となく事情は分かったから、取り敢えずなんで生きてるかは良いや。で?なんでお前等こんな場所に居るんだ?」
「む?我等は今魔王復活イベント中だ、なんでもこの暑苦しいアルフレニヤ山で魔王復活イベントのキーマンが見付かると言う話を聞いて来たのだ。まぁ今の所そのキーマンは見付かっとらんがな!フハハハハハハッ!」
「笑ってる場合かっ!?魔王復活イベントのキーマンが居るなら死ぬ気で探せよ!重要な奴何じゃないのかよ!!」
馬鹿なのかこいつ等は?魔王復活イベントなんて物が発生しているならばさっさとキーマンでも何でも探しだして、事前にイベントを止めるなり何かしらの対策を立てるなりしろよ!なーにを悠長に酒盛りしながらプロレスしてんだ?アホか?アホなのか?【エデン】の孔明とまで呼ばれていた【医者】が居て、何故こんなアホみたいな事をしていられるんだ?
魔王って言ったら、level:90,000の化け物中の化け物だろ?悠長に酒盛りしてる場合かよ!こいつ等マジでアホだろ?なんなんだ?アホ過ぎる………もう呆れて物も言えないな。
「な、なんだその目は?我だってちゃんとイベントを止め様と試みたんだぞ?イベントの進行に関係あるNPCを全員消したりだとか、魔界の主要都市を吹き飛ばしたり、努力はしたんだ。」
「やり方が雑過ぎだろ!?イベントに関係あるNPCを全員消したけど、それでもイベントが止まらないから魔界の主要都市まで吹き飛ばしたってか?やり過ぎだアホ!」
マジで常識ってもんがねぇなこいつ等は、魔王復活イベントを止める為にイベントを進行を担当しているNPCを消してイベント自体を中止させようとしたのだ。やり方が雑なんだよ、いくらイベントに関係あるからってイベント関係のNPC全員を消すのは雑過ぎる。
大体イベント進行なんて特定の誰かがやる必要はないのだ、例えばA氏が魔王を信仰していて魔王を復活させる為にB氏を生け贄に捧げて魔王復活させる何て言うストーリーのイベントがあったとしよう。
まずこのイベントで重要なキーマンは、魔王を復活させようとしているA氏と生け贄になるB氏だ。このイベントを中止させるならばA氏を消す、もしくは生け贄になるB氏を保護する何て言う方法が一番簡単な方法だろう。しかし生け贄を捧げるA氏も生け贄にされるB氏も、絶対にその人である必要はない。
生け贄を捧げるのがC氏でもD氏でも大して変わらないし、生け贄にされるのがE氏でもF氏でも問題はないのだ。はっきり言ってイベントの進行役は誰でも良い。A氏を消してもB氏を保護しても結局は代役が他にいくらでも居るのだ、イベントを中止させる事なんて出来る訳がない。
つまり進行役を消してもイベントは中止されない。そこでガイアは魔王が復活する場所、魔界の主要都市を全て吹き飛ばしたのだ。しかしこれも結局は魔界をまるごと吹き飛ばさない限り、いくらでも代わりの場所があるので意味がない。
ならばどうするのか?それは簡単だ。イベントはどんな手段をーーーそれこそ世界中の国や都市、村、人を全て排除しない限りは、絶対に止める事は出来ない。しかしイベントの中には物語の進行に合わせてイベントを中止させるキーアイテムやキーマンが登場する事がある。
つまり外部から無理矢理止めるのではなく、内部から正攻法で止めれば簡単に止める事が出来るのだ。だからこそガイア達4人は、魔王復活イベントを止める為のキーマンを探しに来ているのだろう。
「………まぁそれは良いが、そのキーマンってのは何処に居るんだ?早目に見付けておいた方が良いだろ?」
「それがな、何とも言い難いのだが………のぉT=V?」
「yes!実はkeymanってのはユニークなmonsterなのさ!」
………?あぁ、ユニークモンスターが今回のイベントのキーマンなのか………T=Vは独特な喋り方をするから分かり難いんだよ。にわか英語を織り混ぜた喋り方は、滅茶苦茶分かり難いーーーしかもたまに間違えるから質が悪い。
まぁそれは後でじっくり語ろう、今はイベントのキーマンについてだ。ガイアとT=Vの話ではどうやらユニークモンスターがキーマンらしい。ユニークモンスターと言えば、少し前に俺が戦った黒ひげと同じ様な強力なモンスターだ。
それがキーマンと言う事は戦闘が起きるのは確実だろう。例えばアルフレニヤ山に魔王復活の鍵があって、それを回収しに来たモンスターを倒せば魔王復活イベントを止める事が出来る的なストーリーだとすれば、確実にそのモンスターとの戦闘は避けられないーーーって言うか避けたらイベントを止める事が出来なくなる。
それは困るので、仕方ないが戦う必要がある。ただでさえ魔王が復活するのに、ユニークモンスターまで同時に現れたら鬱陶しい事この上ない。今の段階でユニークモンスターを倒しておけば、魔王の復活も止められるしユニークモンスターも倒したらアルフレニヤ山付近の安全が確保出来る、まさに一石二鳥だ。
「で?そのキーマンはどのユニークモンスターだ?巨神か?竜王か?あ、でも魔王復活イベントだし、ソロモン72柱の中の誰かか?」
ユニークモンスターって意外と数が多いから何処で何が出るか分からないんだよな。今回は魔王復活イベントだし、俺的にはソロモン72柱の誰かだと思うんだがそこんとこどうなんだ?
「多分だが、キーマンは竜王かディアブロだと思うのだが………T=Vはどう思うのだ?」
「今回のイベントのkeymanなら確率的にディアブロがNo.1だね、No.2は巨神かな?」
「竜王だとしたら【竜王殺し】のおっさんが出張って来るだろ?」
ガイアとT=Vの予想からすれば、ディアブロが一番可能性が高い。まぁ竜王って可能性も捨て切れないが、竜王だったら【竜王殺し】ことレギィ=クリムゾが匂いを嗅ぎ付けて来る筈だ。あのおっさんが竜王が現れる場所に来ない訳がない。
まぁあのおっさんが死んでて居ないんだったら、ここに来ないのもおかしくはないけどな。
「そう言えば、他のオリジナル称号持ちはどうしたんだ?生き返ったのはお前等4人だけか?」
「む?そう言えば言っておらんかったな………。実はクロウ、貴様以外のオリジナル称号持ちは、全員が生き返っている。何故生き返ったかは分からんが、取り敢えず今は全員イベント中だ。」
「イベントのkeymanは複数人居るみたいでね、今のところ【勇者】【紳士】【神狼】【女神】【狙撃者】の5人がカイラン湖に出て来るmonsterを、【鍛冶王】【神槍】【雷光】【竜王殺し】【道化師】の5人がアッカド氷原に出てくるmonsterを、後は俺達4人がアルフレニヤ山に出てくるmonsterを討伐しに来たのさ。」
へぇ他の奴等は全員生き返ってたのか………中々興味深い話だな。俺も現実で死んだ後拠点で目が覚めたしな。皆と似た様な力が俺にも働いて此方側の世界に転生したのかもしれないな。
まぁ考えても分からないので考えるのは止めよう。取り敢えず他のオリジナル称号持ちがどうして居るかは分かったので、安心だ。あいつ等はーーー特に【道化師】と【雷光】と【紳士】の3人は面倒な性格をしているからな。
まぁ俺も人の事は言えないが、やはりあいつ等3人は特に酷い。【道化師】は人の不幸は蜜の味とでも言うかの様に他人の不幸を笑う奴だし、【雷光】は面白ければ他人の迷惑など考えない奴だし、【紳士】は言わずともがなロリコンだし………野に放たれたら民間人(NPC)達が危ない。
その点、【紳士】と一緒に行動している【勇者】や【道化師】【雷光】と一緒に居る【鍛冶王】の存在はありがたい。【勇者】と【鍛冶王】はオリジナル称号持ちの中ではかなりの常識人だ、あの2人が付いている限りは周りに迷惑を掛ける様な事はないだろう。
カイラン湖とアッカド氷原、アルフレニヤ山が関係する魔王復活イベントは、過去に1度あったと思う。何年前かは忘れたが、かなりの数のプレイヤーが動いたと記憶している。
まぁ当然と言えば当然だ。本来何百人単位で討伐に当たるべきユニークモンスターが、カイラン湖、アッカド氷原、アルフレニヤ山の3ヶ所に1体ずつ計3体が出現するのだ。その上それを倒さなければ魔王まで復活するのだからさぁ大変だ。そんな事態になったら悪夢としか言い様がない。それを回避する為に多くのプレイヤーが動員された。
その魔王復活イベントで動いたプレイヤーは、数十万人は居たんじゃないだろうか?まぁ数が多過ぎて誤射が続出して大混乱に陥ったがな。
「カイラン湖は多分リヴァイアサンが出て来るだろうから、アッカド氷原は竜王かな?」
「やっぱりアルフレニヤ山にはディアブロが出て来るだろうな。」
「多分ディアブロはvolcanoの中から出て来るだろうから、マッスルとジョンが酒盛りしながら見張ってるのさ。」
「………あぁ、あいつ等酒盛りしてサボってる訳じゃないのか。」
酒盛りしている時点でサボってるんだろうが、一応見張りはやってるみたいだ。その証拠に探知系のスキルを使ってるし、然り気なく周囲の気配を探っている様だしな。………その割には俺が近付いた時には全く気付いてなかったけどな。
「………つうか、さっきから雷が鳴ってるな?そろそろ出て来るんじゃないか?マッスルは基本素手で戦うからタオル1枚でも良いけど、お前等はタオル1枚じゃヤバイだろ?」
ディアブロは闇、雷、天属性を司るユニークモンスターだ。出現すれば周辺の天候を変え雷雨を起こすと言う非常識過ぎる特徴を持っている。つまり天候が変わりつつある現在、ディアブロが出現するのは近いと言う事だ。
それなのにこいつ等は今だにタオル一丁でつっ立っている。流石にユニークモンスター相手にタオル一丁では勝てないので、さっさと着替える様に促す。それを聞いていそいそとガイア、T=V、ジョンが防具と武器を装備していく。
マッスルは普段から一切なにも装備せずに戦闘を行う為、タオル一丁から装備の変更は一切ない。前から思ってたのだが、普段からパンツ一丁で過ごしているあいつは何故捕まらないのだろうか?現実なら公然猥褻罪で即逮捕なのに………。
「………お!マッスル、そっちの溶岩からた出てるのディアブロ角じゃねぇか?」
全員が装備を確りと着けたのを確認していると、視界の端に溶岩の中から突き出ている黒い角の様な物が見えたので溶岩に浸かっているマッスルに確認してもらう。
「ムゥン?確かに角らしき物が出ておるでわないかぁ!!溶岩の中に潜むとは、我が筋肉に恐れをなして隠れておるのかぁ?!がはははははっ!」
「マッスル!その角を掴んで大根の如く引っこ抜いてやれ!クハハハハハハッ!」
何が面白いのか、角を見付けて大爆笑している筋肉馬鹿共は放って置いて、ディアブロが出てきた時の対処法を考える。ディアブロはミノタウロスの様な見た目をしている巨人で、全身に棘が生えた鎧の様な甲殻が付いている。
その棘付き甲殻が避雷針の役目をしており、雷を甲殻の内側に貯める事が出来る仕組みになっている。この貯めた雷を頭部にある長く捻れた黒い角に送り、雷属性のスキルを強化したり身体能力を上げる事が出来るのだ。
厄介なのは角に雷を集めた状態での《サンダーアロー》だ。あれは本来雷で出来た矢を放つ魔法スキルなのだが、ディアブロが角に雷を集めた状態で放つ《サンダーアロー》は矢と言うよりもレーザーだ。直線上に存在する物は片っ端から貫く貫通性と、カスッただけでも大ダメージを受ける攻撃力を合わせ持つ。俺でも直撃は避けたいと思うだけの威力がある一撃だ。
あれが来たらガイアに盾になってもらおう。あいつ光か聖属性じゃないと死なないだろうから、直撃しても蘇るだろう………多分。
「ーーーつうか、死なねぇんだからガイア1人でやれよ。」
「なっ!?それは無理だ!我1人でユニークモンスターに挑むなど、絶対に無理だ!それならばT=Vが1人でやればよかろう!」
「酷いじゃないかガイア!君はdevilか!?君はimmortalだから良いけど、僕は1度死んだらendなんだよ!」
「待てぇい!!我が筋肉があればどんなモンスターにも負けんわぁ!!であるからして、ワシに任せろぉ!!」
「この中で一番レベルが高いのはクロウだろ?ならクロウがやればいいだろう?それで万事解決だ!クハハハハッ!」
うぉっ!?なんか俺に帰ってきたぞ!これが世に言うブーメランってやつかーーーってアホか!
「まぁ皆で協力して倒そう、それでいいか?」
「「「「意義なし!!」」」」
全員の同意がとれたので、早速マッスルに溶岩から出ているディアブロの角を掴んでもらい引っこ抜いてもらう。
「ムゥウウウンッ!!うぉりゃぁあああ!」
「ヴゥモォォオオオオ!!ヴゥモォーーーブボォォオオ!?」
何故かマッスルがダブルバイセップスと言うポーズをとって筋肉を強調させてから角を掴み、一気に溶岩の中からディアブロの巨体を引き上げる。しかし勢い余って近くの岩にディアブロを叩き付けてしまった。
「ムゥウウウンーーーフンッ!我が筋肉を持ってすれば、こんな牛など相手ではないわぁ!!がはははははっ!」
またも筋肉を強調する為にオリバーポーズと言うポーズをしてから、笑いながら決め台詞を放つ。此方を見ながら筋肉をピくつかせて白い歯を見せて笑うマッチョ………うん、気持ち悪い。
そのキモさに皆が引いている中で唯一引いていない奴が居た、ジョンだ。肉体が炎で形成されているが一応ジョンもマッチョなのだ、マッスルの筋肉に少なからず憧れを抱いているのだろう。まぁマッスルはボディービルダーも真っ青なくらいの筋肉を持っている。筋肉を鍛えてる人からしたら羨ましいくらいの肉体美を誇っている。
まぁ俺達には理解出来ないが、ジョンにはその良さが理解出来るのだろう。
「マッスル、決め台詞を言うのは良いがまだ倒した訳ではなかろう?」
「ムゥン?確かにまだ倒してはおらんかったなぁ!!ならば我が筋肉で倒してみせようぞぉ!!」
ガイアのツッコミにより、オリバーポーズを止めてディアブロに向き直って拳を構えてファイティングポーズをとった。ーーーと同時にディアブロが起き上がりマッスルを迎え撃とうと構えた。それを確認した瞬間、全員が気持ちを入れ換えて武器を構える。今この時、ディアブロVSプレイヤー5人の戦いの火蓋が切って落とされた。




