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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第5章
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◇隠しダンジョン?◇

 (ジェラシーというのはやっかいな感情だ。

 それゆえに嫌な態度をとられるというのも。)


 あれ?すごいデジャブするんですけども。

 どこかで自分が体験済みなような。



 ・・・嫌な態度、嫌な態度、ジェラシー。


 あ!


 俺の中で何かが繋がった。


 あ、そっか。レオは、


 「お兄さんをとられると思ったのか?」


 思わず呟いた言葉にニルスが反応した。どうでもいいけどいつまで抱きついてるのかね?

 「え?俺を?」

 「ああ。そちらとは別件なんで」



 「嫉妬かぁ」

 さらに呟く俺を抱きついたまま、至近距離で眺めてくるニルス。

 そろそろ放してくれないだろうか?

 「治療も終わりましたし、そろそろ行きませんか?」

 俺はさりげなくニルスの腕をほどいて、提案した。


 帰るのか進むのか、ここはニルスが決めないと。


 「デビットより、ぜってー強くなる!」

 ニルスが拳を握りしめて宣言して、俺達はダンジョンの奥へ進むこととなった。

 彼は振り返りつつ、ちょっと顔を赤らめて、恥ずかしそうに言った。

 「手、治してくれてありがとな」


 やっぱり相当痛かったんだ。ニルスはもう少し感情のコントロールが出来た方がいいと思う。これじゃぁ自傷行為みたいだし。

 この精神のアンバランスさは思春期特有のものなのだろうか。

 レオもそうだけど、いろいろ苛烈すぎるだろ。


 「…このまま行きますと。先行してるデビットという連中と鉢合わせすることになると思いますが」

 俺は暗に関わらない方がいいと提案したが、少年達は逆で士気があがっている。


 「追いついて文句いってやろうぜ」

 「アイテムも取り返しましょう」

 女の子達も乗り気なようだ。人数が増えた事によって気が大きくなっているのだろう。

 俺としては気が進まない。


 「それならいい方法があるよ」

 トーマスという少年が地図を出してきて広げて言った。

 「地図にはこの乗っていない道を、さっきポイズンバットに追いかけられた時に見つけたんだけど」

 ある部分を示して言う。

 「ここに道っぽいものがあったんだ。地図では壁になっているけど、ここに通りぬけられる道があると思う。感じから行って、ここに繋がっていると思うんだ」


 たしかに少年の指さす部分には不自然な感じで道が出現していて、その先と思われるところで本道と合流している。


 「先回りして、待ち伏せしてやろうぜ」

 毒をくらったリングル本人がいうので、それで決まりになる。

 俺に発言権はないので黙っているが、地図に乗っていない道とかって危なくないか?つまり安全が確認されていないって事だろ?罠とかあったらどうするんだ?


 どうもこいつらは物事を安易に考えすぎているきらいがある。

 そんなに楽観主義で大丈夫なのだろうか?


 「さ、行こう!。アリサ・・・頼むぞ」

 俺頼みかよ・・・まったく、調子いい奴だな。




 10階下層

 ここでトーマスたちはアイテムを取られ、帰り道にポイズンバットにやられたのだ。


 先頭を盾役のハッサンとリングル、真ん中を槍と剣のトーマスとニルス、後衛を魔法のマリィとリリィで進む。

 当初の予定でいくとこの陣営だったんだな。なるほど、基本を踏まえた構成だ。 俺はしんがりを受け持つことにしよう。


 「ここだよ」

 見ると壁に亀裂が走っていて、身体がさほど大きくないポイズンバットが出入りできるほどの穴も開いている。


 「どいて」

 リリィが土魔法で岩で壁を壊そうとぶつける。

 「岩落とし、横移動!」

 もうもろくなっていたようで、簡単に壁となっていた岩が崩れ落ちる。


 「ここからポイズンバットが涌いて出てきたんだ」

 「へぇ、ここを攻略した人もこんな場所があるって気が付かなかったとは驚きだな」

 「俺達が最初にここを通るんだぜ!」

 「どうしよう!まだ見つかっていない宝箱とかあったら!」

 盛り上がっているが、それって危険じゃないか?


 待てよ・・・なんでポイズンバットはあんな狭い場所から沸いて出てきたんだ?

 ひょっとしてもっと強い魔獣から逃げてきたって事は・・・ないだろうな?


 「一番のり~!」

 「わ、ずるい」

 少年達はわれ先へと、新しく出現した横道につっこんでいく。

 「待って!」

 俺が止めようとしたその時に、


 「「うわあああああああああ」」

 少年達の悲鳴がこだました。

 「先輩?大丈夫ですか?先輩!」

 女の子達も続いて飛び出す。

 俺が止める間もなかった。


 「「きゃああああああああああ」」

 女の子達の悲鳴も聞こえる。が、どんどん声は遠くなっていくようだ。

 遠くなっていくというより、下へ向かっている?

 最後尾の俺が現場に走りつくと、そこには深い竪穴が続いていた。

 ニルスたちはここを滑り落ちたようだ。


 「ええい!ままよ!」

 俺も覚悟を決めて竪穴に飛び込む。

 もちろん風の魔法で速度を調節しながらだが。


 ニルスたちの悲鳴はまだ続いているからよほど下まで続いているのだろう。


 底の方に剣山みたいなのがある罠じゃないよな?

 俺は、底から噴き上げてくるような風をイメージした。

 先に墜ちていく連中の速度が落ちたのがわかる。速度が落ちればリリィの土魔法で足場ぐらい作る時間ができるだろう。

 「助かった!下から風が吹き上げてくるわ!」

 いや、それ俺がやってるんですけど?まったく危機感のない奴らだ。



 ジャバン!バッシャン!ドボッ!ドボッ!パシャン!ジャブン!水音が6回聞こえたので俺も水面すれすれで止まる。

 下はちょっとした泉になっているようだ。

 俺は水面から突き出ている岩場に降り立つ。

 「…大丈夫ですか?」


 水面に浮き上がってきた面々を見渡す。

 まったく!これに懲りたらもっと慎重に行動しろ。

 「なんでアリサだけ・・・」

 俺は頭上を指さした。

 そこにはのぼり棒のようなものとゼ●ダの●説に出てくるような蔦がからまった足場がある。

 「飛び込む前によく見ましょうね」

 実際は俺も落ちている最中に見つけたのだが。


 のぼり棒を滑りおりてきたにしては、底への到着が早すぎるのだが、誰も不審に思わなかったようだ。大丈夫か?この連中。

 何にしろ、底に剣山とか、強い魔物がいて一飲みじゃなくてよかった。


 周囲を見回すと、泉からあがった所に横穴があって道が続いている。

 ダンジョンとしては、こっちの方が本道じゃないよな?

 それとも隠しダンジョンとか言われているものなのだろうか。

 足場にしていた岩からジャンプすると岸に降り立つ。


 重装備のハッサンとリングルが溺れそうだ。何かないかと見回すと丈夫そうな蔓が地面を這っているのを見つけた。

 軽鎧を脱いで下履きとアンダ―シャツだけになると、蔓をもって泉に飛び込む。

 ハッサンとリングルに蔦をもたせ身体に結わえるように伝えると岸に泳いで戻る。


 2人を蔦をつかって引き揚げていると、トーマスが泉からあがってきた。

 ニルスはと見ると女の子2人を助けて泳いでいる。


 トーマスと俺とでハッサンとリングルを引き上げたはいいいが力尽きた。


 さすが盾職。おぼれそうになっても盾を離さないんだな。

 おかげですごい重かったんだけど。



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