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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第5章
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◇レベルあげて物理でフルボッコの回◇


 グレテル(ニルス)には友達がいないらしい。


「今日はニルスのパーティーメンバーとして是非」

 と父親のキャスパーに頼まれ、集合場所のダンジョン前へニルスと着くと、そこで待っていたのは後衛の女の子二人だけだった。

 ぱっと見にはハーレムパーティだが違う。

 ニルスの元々のパーティメンバーはドタキャンして別のパーティとすでにダンジョンに潜っていた。

 女の子達は気の毒そうに「引き留めたんだけど・・・ねぇ」

と言っている。


 ニルスは虚ろな目をして「仕方ないさ。あはは」と笑っていた。

 ・・・SAN値大丈夫だろうか?


 ダークジールにあるニルスの学校では、生徒にダンジョン探索を積極的にさせるらしい。たしかにレべリングするには最適なんだろうが、子供達だけじゃ、危ないだろう。


 そこでお貴族様は自分の子どもを守るために同じ年頃の奴隷をつけたりするのだ。奴隷は人としてカウントされないから違反にならないんだそうな。

 さすがに大人の奴隷をつけるような大人げない事をする者はいないようだが


 「どうする?」という風に女の子達に見られてニルスは引きつった笑いを浮かべながらも答えた。

 「攻略済みのダンジョンだし、強くてもゴブリンクラスじゃないか。今週末には レベル審査があるんだし、今日やらなくていつやるの?」

 「でも、この人数じゃ・・・」

 

 不安なのだろう、実質、前衛職はニルスひとりだ。

 「階層深く潜るのはやめて、浅いところで何度も戦闘を行おう」

 ニルスの説得に女の子達はしぶしぶと頷く。


 「ところで、その子は?」

 「おれの、俺の家の奴隷だ」

 今、俺の奴隷って言おうとしたな?おまえんじゃないんだけど。

 「アリサです。よろしくお願いします」

 俺は丁重に挨拶をした。なんたってこっちはしがない奴隷、相手はお貴族様だ。

 「なにが得意なの?」

 女の子達は期待して見ている。

 「治療役としてと、旦那さまには言いつかりましたが…」

 女の子達は落胆している。ぶっちゃけポージョンだのエーテルだのをたくさん持っていれば、このような低レベルのダンジョンでは回復役はたいして出番がない。


 「ですがこの面子ですと、前へ出る人間が必要ですよね?」

 「私は炎の魔法しか使えないし」

 「私は土の魔法しか使えないわ」

 要は剣など振り回せないということらしい。

 装備も杖と魔法使いのローブのみだしな。杖で殴るのがせいぜいだろう。


 「予備の剣、もってませんか?」

 ゴブリンクラスなら回避も問題ない。一人あたり3匹のノルマをもらったあの討伐が懐かしいな。


 「剣なんか持って、いけるのか?」

 「俺の契約の能力は剣術と少々の治療能力だったでしょう?」

 ニルスに渡されたのは、女子が持つにはやや重めの剣だ。だが、俺には物理強化の指輪がある。

 これは個人認証されているので、俺の唯一の私物として奴隷商でも取り上げられなかった物だ。まぁほとんどの装備はダルトンのアドバイスに従い、インベントリやアイテムボックスに隠しもっているんだけれども。


 ヒュヒュヒュヒュン!

 軽く剣を振り回してやったら、ニルスの奴、目を瞠っていた。

 なんだよ。これぐらいレオなんか鼻歌まじりで5倍速くらいでしてたぞ?


 「いきましょう。ニルス様」

 俺はニルスを促した。







 「俺が出る!」

 剣で、ゴブリン二匹を押しとどめる。その間に女の子が魔法を練り上げる。

 「ファイヤーボール」

 「岩落とし!」

 「よし!ニルス留めだ!」

 そして最後にニルスが留めを刺すと。


 ま、最初の一撃で目算あやまって俺がスパっと殺っちゃう事もあるけれども、そんな感じでサクサク進めていく。

 正直、アジャール草原に出てくるゴブリンよりよっぽど弱い。

 「すごいわ。ゴブリン二体を一巡の攻撃で倒せたなんて、夢みたい!」

 君達、一体普段どんな魔獣相手してんの・・・。


 「よし。ホーンラビットが出た!」

 「お肉美味しいものね~」

 ・・・そっか、いつもはこのクラス相手にしてんのね。。。


 「レべルをあげて物理で殴ろう」

 俺はそう提案した。

 正直このままじゃオーバーキルである。

 ならば、魔力の節約のためにも物理で攻撃すればいいだけだ。

 どうせ俺の最初の一撃で相手はほぼ瀕死状態になるんだし。

 魔法でなければ効かないという魔物もここは少ないそうだ。


 俺とニルスが前衛で撃沈させた魔物を二人の少女が杖でフルボッコ。

 ほとんど意味のない追撃だけど、こうでもしなきゃ女の子たちのレベルがあがらない。


 「楽勝ですね。次の階層いきましょう」

 なんだこのダンジョン。ヌルすぎる。アジャールの平原の魔物より断然弱い。

 「なかなか杖も使えますね」

 棒術とか杖道なんていう武道もあるのだ。よほど装甲が固い相手でなければぶっ叩くだけでもダメージを与えられる。

 女の子二人の顔がいい表情になってきた。


 「「か・い・か・ん」」

 物理ハイになっているようだ。気持ちはわかる。


 「くそっ!くそっ!くそっ!」

 ニルスも、仲間に裏切られた憂さを攻撃ではらしている。

 俺は少し魔物が気の毒になってきたよ。


 なんだか軽いバーサク状態のようだ。


 このパーティ、リミッターはずれてないか?

 せめて俺だけは冷静でいるようにしよう、うん。

  

 

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