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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第5章
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◇せつなさと不動の心◇

 「ラーナを守ってくれたんだってな」

 ニルスが俺を呼びとめて言った。

 「礼を言う。」

 目を逸らしつつ言う。素直じゃない、素直じゃない。が、


 ・・・・グレテルがデレた。


 「お嬢様の護衛として当然です」

 面白いのでじっと見つめてやる。みるみる顔が赤くなっていく。

 人に礼を言うとか、今まで経験なかったんだろうね。

 ま、この位で許してやるか。


 「…俺にも教えてくれないか」

 小さすぎて聞こえない。

 「え?」

 「…俺にも・・・」

 「なんだって?」

 ばーさん飯はまだかのぅ。

 「……」


 じゃなくて、ちゃんと聞こえている。俺はニルスをからかってやったのだ。ニヤニヤ。

 初日に「趣味じゃない」とか言われたのをまだ根にもっているのだ。

 ツルペタで悪かったな!

 ニルスの奴、俺の胸見て言ってたものな!


 この辺にしといてやるか。


 「ニルス様が習うので?」

  彼は頷いた。

 「俺も、ラーナを守れるようになりたい」

 まぁまぁ、麗しい兄妹愛だこと。


 「…まずはレンブラントに聞いてみましょうよ。護衛隊長は彼ですし」

 「…」

 ニルスが黙った。なんだ?

 「お前も、ああいう奴が好きなのか?大人で・・・」

 「言ってる意味がよくわかりませんが、恋人はもっとイイ男ですよ?」

 俺もデレて見た。

 いいじゃんか、たまには対抗してみたって。自分で恋人がいるんだとアピールしないと、ウィルとそのままフェードアウトしそうなんだもの。


 てか2年も行方不明とかって、間違いなく・・・そうなりそうだな。


 軽く落ち込む。


 「ふん。口でなら何とも言えるな」

 あら?信じてない?ちょっとその辺にいないような人だよウィルは。

 豹になるし…。

 

 今日はやけに「会いたい」気持ちが止まらない。

 せつない。





 というわけで子爵家の鍛錬場なぅ。


 いやぁ、ウィルとレオってすっごい強かったんだなぁ。

 レンブラントとニルスの剣の流れがものすごく遅く見える。

 そしてそんなレオと張り合ったベータも相当な使い手って事で、たしかにギルド ランクはFとEランクばっかりだったけど、「剛腕の盾」の連中って、いい腕してたんだな。

 ほんの一か月かそこら前のことなのに懐かしい。


 考えてみれば「アジャールの町」って魔獣事情でいえば最前線ってことで、相当強い魔獣を常時相手にしてるってことで、自然と腕があがるって事か。


 「えいっえいっ」

 微笑ましい事に、俺の立ち回りに感化されたのかリュリュまでが木剣を振っている。

 かわええ。癒される。


 レンブラントとニルスの鍛錬が終わると俺の出番だ。


 「いいですか、ニルス様。俺の教える体術の心得は『柔よく剛を制す』ですよ」

 「え?お・・・おれ?」

 いかん、漢モードになると無意識に自分の事を俺と言ってしまう。

 もういいか。一回出ちゃったら、あと何回出しても同じでしょう。


 「俺の指導は厳しいぞ。ついてこれるか?」


 小娘ですが言ってみました。ジゴ●ー気取ってます。


 若干引き気味でしたがニルス様も「お、おう」と言っていたから問題ないでしょう。



 「いいですか。手はこちらで足はこう、足をこう外側に拡げすぎるとバランスを崩してしまいます。」


 柔道の技は教えるのにも身体が密着する。

 教えているうちに、ニルスの挙動があやしくなる。


 「…集中できていないようなので、今日はここまで」

 俺は腹がたって、指導を途中でやめた。

 武術の習得中に煩悩に振り回されるとは、なっていない。

 「未熟者。まず不動の心を鍛えてこい」


 「そ、そんなこと言ったって、そんなにお前がいい臭いなのが悪いんだよ!」

 前屈みになって涙目で叫ぶニルス。

 まったく、こっちの世界の連中はちょっとしたことですぐ発情しやがる。

 なっとらん!


 ふと気が付いて見ると、可愛そうな者を見る目でレンブラントがニルスを見ていた。フォローは頼んだ!




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