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JKだけど異世界で真の漢に俺はなる  作者: 相川ミサヲ
第2章
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◇ゴブリン討伐1◇

筆が進まない時など睡魔が襲ってきます。

け・・けっしてさぼってるわけじゃないんだからっ。



 「しっ」

 リーダーのラズが小さく注意をした。

 申し合わせたように、みんな口を閉じて背を縮める。

 ベイリーの耳がちょこんと草原から出ている。かわええ。


 おっといかん。

 俺も身体をすくめねば。

 物音をたてないように進む。

 そろそろ、エンカウント地帯に侵入したようだ。


 チチッ チチッ チッ


 チッチ達の鳴き声が鳥の囀りにまぎれながら聞こえる。

 鳴き声の聞こえる方角には敵はいない。


 チチチチチチ!

 いきなりの警戒音に、俺の心臓ははねた。


 ベイリーが俺の手を掴んで止めた。

 背後からレオも俺の肩を掴んで、自分の方へ引き寄せた。

 ぐ・・ぐるじい、喉しめてる。


 ――何してくれちゃってんの?レオ!


 ベイリーは一瞬びっくりして、レオの行動をいぶかしむように見たが

 背中から弓を取り出すと、矢をつがえ狙いを定めた。


 バビュンッ!


 弦が鳴り、空気を割いて、一直線に矢は飛んだ。


 ドスッ!


 声もたてずに倒れたそれは、猪豚が二本足で歩いているような魔物だった。


 「オークじゃないか」

 「ゴブリンだけじゃなく、オークもか。これは…」

 一足先に倒れた得物の元に飛んだラズとベータは思案顔をしている。


 「…何かあるな」

 「嫌な予感がする」

 ジャスティンがもう一匹槍で突いたのを運んできて、並べておく。


 はいはい出番ですね。

 俺が振り返って軽く睨むと、レオはようやく離したので、駆け寄ってインベントリに二匹を仕舞った。


 そこへ青い顔をして先行していたモスラムが戻ってきた。

 「やばいよ。ラズ」

 足元に寄り添うチッチ達もなんだか不安そうだ。

 「ゴブリンの縄張りに、オークの群れが侵入している。これは一戦あるかも?」

 「どうする?一旦引いて様子見する?」

 「ラズ…」

 ベスとマチルダがラズに問いかける。


 みんなの視線がラズに集まった。その時…

 「いいや、ここは『漁夫の利』作戦といこう」

 振り返ると呑気に見える笑顔でエドが笑っていた。


 「この中で身軽でヒット&アウェイが得意なのは?」

 「ユウリとベータ、それにベイリーだな」

 ラズが腕組みしつつ答えた。

 「じゃ、それに君、ウィル隊長の弟君、鎧は邪魔だな。不安だったら僕の革の防具を貸そう。」

 革の防具をはずしかけるのをレオが押しとどめる。

 「いらん。そもそもサイズがあわない」

 エドの方が身長があるし、たぶん合わないだろう。

 「そうかい?じゃ気を付けてくれよ。」

 そう言いつつ空中に指を立てる。

 「ふむ、風向きは・・・こっちか」


 「いいかい?ゴブリンの縄張りにオークが侵入している。縄張り侵犯している方は確信犯だろうが、ゴブリンの方はまだ気がついていない。まずはゴブリンに侵入者がいることを教えてあげよう。それから…」

 みんなは輪になって、エドの作戦を夢中になって聞いた。






 草原の縄張りを、いつものように三匹のゴブリンが徘徊していた。

 ふわぁぁと牙をむき出してあくびをする姿は猿やゴリラに近い。

 野生動物である彼らと違うのは体内に「魔石」を持ち、人間側とは違う理で生きていることだ。


 ボリボリと脇をかいてついでにその指を自分の鼻先にもってきて「くっさ!」とばかりに顔をしかめたその姿は知能がよいとはとても思えない。

 仲間の一匹がブチっとその辺の草を引き抜くとモゴモゴする。

 それを見て、違う仲間の一人がその草を奪おうとして騒ぐ。


 ぎゃぁぎゃぁはじめた二人の仲間を鼻をほじりながら見ていた一匹が怪我をした小さな魔物に気が付いた。

 ゴブリンに気がつかれたと気づいたその魔物は必死にヨタヨタと逃げる。

 嗜虐的な色をその目に浮かべ、その後に続くゴブリン。

 喧嘩をしていた二匹も新たな獲物を前に喜色を浮かべて続く。


 夢中になって追っていたゴブリンの前を、身をひるがえすように小さな魔物は逃げ去った。

 お互いにお互いのせいだとばかりに争うゴブリン達。


 が、そこで何かを探すように下を見ながら背中をむけて下がってきた何かとぶつかった。


 ゴブリンとオーク。お互いがお互いの姿を認め飛び退る。


  キキィー!

  プギャーーー!



 その雄叫びに呼ばれて、双方の群れが集結をはじめた。



 「うまく行ったみたいだな」

 エドとラズはやや小高い丘に陣取り、双方の群れを眼下に見下ろしていた。

 「よしよし、よくやった。チッチ、怖かっただろう?」

 モスラムがチッチを抱きしめて労わっている。


 頭よすぎじゃね?この魔物(小動物)


 半ばあきれつつ俺とレイチェルもスタンバイする。



 ゴブリンとオークはにらみ合っていた。お互いの群れの強さを推し量って威嚇し合っている。なにかきっかけがあれば戦いがはじまる。


 ゴツッ


 こぶし大の石がゴブリン側へ投げつけられた。


 ヒュンッ


 碁石程度の石がオーク側へ投げつけられた。


 それがきっかけだった。


 まぁ風魔法で俺とレイチェルがやったんだけども。


 そうとも知らずに、オークとゴブリンはお互いに飛びかかっていった。




 闘いが暫く続いている内に、なにか違和感を覚えた者もいたかもしれない。

 しかし気が付いた時には倒され、その姿を消していた。

 最後まで戦って残ったオークとゴブリンはある事に気が付いて周囲を見渡した。

 周りには傷ついて倒れた仲間も、死体すらも何もない。


 ――なにか得体がしれない事態が起こっている。本能が彼らに危険を告げたようだ。


 彼らが戦いをやめ、周囲を見回していると、


 ヒュヒュヒュン


 どこからともなく飛来した矢が彼らを襲った。


 戦場の草原を風が通りぬけた。



 そこにはゴブリンもオークも一体も残っていなかった。


読んでくださりありがとうございます。

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