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女魔王、勇者に正体をバラす

 私は料理魔法でカレーライスを作ってあげておいた。そしてそれをベッドで寝ている、彼のもとに置いて…。いつ目覚めるのだろうか? 勇者、賢人の寝ている顔がおばさんとしての本能を刺激してしまう。それはまるで、子供の寝顔を見ているようだから。人間時代、独身を貫き、結婚もしてこなかったこともある…。勇者である、彼の寝ている姿をみていると私は、つい、うっとりとした気持ちになってしまう。


「フフッ。いつまで寝ているんだろうな?」


 そう思い、眺めていると、どうやら、勇者、賢人が目を覚まし、ベッドから起き上がったようだ。

「な、何だ。俺はどうした? どうしてこんなところに…!」

「落ち着け、気絶していただけだ」


「お、お前!? 女魔王! 俺をどうするつもりだ!」

「どうするも何もない。なあ、国王から魔王わたしを倒すように言われているな」


「良く分かっているじゃないか。確かに国王から、魔王を倒すまで帰ってくるなって言われている。だから俺は、どうしてもお前を倒さないといけない。それが、俺の使命みたいなものだからな。それに、俺は、目的を達成し、もとの世界に戻らないといけない」


「そうか…ならば」

「?」

「ここに泊まっていけ。私を倒すまでな」

「何だと!?」


 驚いているな。まっ、それもそうか?。


「何故、そんな判断をする? お前、滅茶苦茶強いんじゃないのか!? 今すぐに俺を殺せば良いだろう」


「そんな訳にはいかん」


「…舐めてるのか? この俺を…」

「そうではない」

「何だ、言ってみろ!?」

「お前は…私からみたら可愛い子供だ」

「魔王のくせに、可愛い子供ってどういうことだ!」


「言ってやろう…。秘密にするわけではないが、私の正体は、あの時、お前と一緒に国王に召喚され、追放されたカレー屋のおばさんだ」


「えっ? えええええーっ!」


 驚くか。それはそうだな。何故なら、彼が、私が魔王になったこと、知らなかっただろうからな。


「う、嘘だろ…? お、怒りたい気分だが、どうやってそんな姿に…なった?」


「あぁ…詳しい話はしたら、ちょっと長くはなるが、クルーエルという魔族のリーダーが発明した秘密の実を食べて、殺されて脱皮したらこんな姿になった。別に勇者になった賢人君に恨みがあった訳ではない。そこは誤解しないで欲しい。それに私は、この世界の住民には絶対に危害を加えないようにしたいからな」


「そ、そうか。あの時のおばさんか。でも、偉いあの時と口調が全然違うように思える」

「そ、そうだな。魔王になったら、こんな感じの口調になってしまったな」


 手を握り、口の前に持ってきて言った。


「何か、そんなこと知ったら、戦う気持ちがなくなってしまった…俺はどうしたら良い?」

「うん。まぁ、私があのおばさんだと知ったら賢人君も戦う気持ちなくすよな。いっそうのこと、不戦勝で私が降参したら良いだけかもな」


「何か、格好悪りいなぁ。そんなんで、俺、あの国には帰りたくねえよ」

「まぁ、既に初代魔王は亡くなっているし、それに私のことは内密にしたら良いだろう。それより、カレーライス食え、賢人君、好きだろ?」


「あっ。まぁカレーは好きだが…。なぁ、おばさん、俺が、このカレーライス食ったら、後で話があるけど良いか?」

「あぁ…構わん。話くらいならいつでも聞いてやる」


読者の皆様、読んでいただいてまことにありがとうございましたm(__)m。

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