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女魔王、魔王城にやってきた勇者を圧倒する

 私が魔王に就任してから一週間が経過した。二代目魔王になってからというものの、かなり忙しく、就任の行事やら、何やらでしていると、一週間もあっと言う間だった。

「はぁ~。かなり疲れた。就任するっていうのはやっぱり大変なことだな。それは、何処の会社でも、異世界でも一緒か…」


 コンコンコン。扉を叩く音が聞こえる。

「どうした? 入れ。」

「失礼します! 魔王様!! 勇者が魔王城に向かっているとの情報が入っております」


 もしかしたら、あの子のことかしら?

「どうします? 勇者を魔王城に向かわせないため、大勢で行くことは出来ますが!」

「複数人で来ているの? それとも一人だけ?」

「勇者だけとの情報です!」


 あの勇者のステータスが分からない。こんな一週間くらいで一人で魔王城に来れるっていうことは相当、強いのかも?

 それに王族が選んだくらいだから、そんな半端な数値ではないはず…。もしかしたら、クルーエル以上かも知れない。


「待って、そんなに大勢で行っても殺られるだけだ。魔王城までこさせろ! 私が相手する!」


「えっ!? 魔王様が、自らお相手!?」

「そうだ、私の判断に何か言いたいことがあるのか?」


「いえ…驚いてしまって。まさか魔王様がそんな判断されるとは…信じられません」

「私を信じろ」

「わ、分かりました」

「魔王城に侵入してきたら、すぐに報告しろ、私が勇者を対処する」

「りょ、了解です!」


 今、魔王城に向かっている勇者が誰なのか? 情報が分からない今、推測しても仕方がない。

 出来るのは勇者があの子なら、殺すというのは人間の心が宿っている私には無理な話だ。私を追放した王族に多少、恨みがあったとしても、あの子には何の恨みもない。

 もし、魔王城に向かっているのがあの子なら殺さないように対応しよう。そうするしかない。


 そう考えていた時、扉を叩く音がした。

「どうした?」

「失礼します。魔王様、勇者が魔王城に到着し、侵入して来ました!」


「よし、今から向かう!」


 こうして、急いで勇者のいるところまで向かうと、魔王城の中に居たのは装備を装着していた、やはり賢人あのこだった。


 やはり…か?


「お前が魔王か?」

「いかにも」


勇者のステータス

Level 75

攻撃550

防御500

精神知性90


 私の予想通り、クルーエルより上だったか。でも、私に比べたら、全然まだまだっていうところね。


「お前を倒して、俺は王族に帰らせて貰う」

「やめておけ。お前では、私に勝てない」


「そんなこと、やらなければ、分からないだろ!」

「分かる、勝負は付いている」


「魔王のくせに生意気なんだよ! 死ね! 女魔王!」


 勇者は大型の剣を大振りで振りかざす。

 勇者の剣を私は右手の人差し指、中指で受け止める。笑みを浮かべて。


「ク、クソ。離せ、離しやがれ!」

「勇者よ、お前ごとき、まだまだ子供…降参したら、どうだ」

「馬鹿にするなよ! 俺は、どんな敵でも勝ってきたんだ! どんな敵でもな!」


「だが、私には勝てないと言っている。降参しろ?」


「うるせえ、俺は勇者だ! 降参するなんて絶対にしねぇ!」


「そうか、ならば仕方がない」


「何だ?」

 勇者の持っている剣を右手ではらうと、彼がのけぞる。そして、

          ーパンー


 勇者に軽くビンタをくらわした。

 私の軽いビンタにより、勇者がぶっ飛び、地面に擦られ気絶し、高く飛んだ剣は、地面に刺さった。


「勝負ありだ。なんてことなかったな」

 わああああああーっ。

 魔族達が騒ぎ出す。

「す、すげえ、魔王様!! あの滅茶苦茶強いと噂されていた勇者をいとも簡単に倒すなんて!!」


 気絶している彼を両手で抱えて、部屋に連れて行こうとしていると…。


「ま、魔王様。勇者の処分は?」


「うん? 私がそんなこと言ったか?」


「では、どうなさるつもりですか?」


「コイツを、魔王部屋に連れて行く」


「えええええーっ!」


 クルーエル、魔族達が驚いているようだが、あまり私には気にならない。彼を魔王城に預かり、ちょっと鍛えてみるか。

 それにしても、気絶している顔が可愛らしいな。



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