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女魔王、クルーエルと対決する

「信じられん。実験は成功しただと?」

 クルーエルはかなり、驚いておりますが、それはいったい何故なんでしょう?


「クルーエルさん、何故、驚いているのですか?」


「ま、まさか、人間が本当に魔族になるとは…信じられん思いだ」


「?」


「実験はしてきたつもりだ。何千人もの人間を連れ去り、失敗したら殺してきた。この秘密の実は食べたら、魔王に変身するのかと思ったらどうやら違ったようだ。殺したら、脱皮をして、魔王になる薬だったのか…」


「では、私は?」


「どうやら…成功したようだ。何千分の一の確率で」


 クルーエルの奴、何の罪のない何千人もの人間を殺してきておいて、反省しないのか。

 やっぱり魔王軍のリーダーだからか。なんか、コイツ、私は気にくわない。


 まぁ一応、ステータス見てみるか?

 私には自身のステータスが見える。

 名前アリクシルエット。

 職業女魔王

 Level 999

 攻撃9999

 防御9999

 精神知性99 

 能力 ステータス 料理魔法 カレーライス 農園魔法 掃除魔法 水魔法 火魔法 防御魔法 天候魔法 脱皮 高速移動。

 名前まで付いている、つまり、私は死んだことで、脱皮し、田中比佐代たなかひさよではなくなり、新たに女魔王、アリクシルエットとなったのか?


 でも、人間としての田中比佐代という、今まで、カレーを作ってきた知識は体に染み付いている。だから、人間ではなくなったものの、生前の知識、経験は染み付いている。それに声も若返ったのか、少し低いクールな声立ちになっている。それに肌もムチムチの肌になっていてびっくり。さらにおとなしめの性格から少し強気の性格に変わっているみたい。さらに体付きも人間のそのものではなく、魔族らしい体付きになっている。

 ここまでが、それまでの経緯だ。


 そして、クルーエルが突然、私の前に来て跪く。

「では、あなたを魔王に任命します」

 その言葉を聞いて驚いてしまう。

「ま、待て! い、いきなり、私を魔王として任命するのか!?」


「そうです、あなたは魔王としての、力が身に付いているはず。私が長い間、研究をして、研究をして開発してきた実。その実が期待を裏切る訳ありません」


 急にそんなこと言われても困ってしまうな。

 ステータスでは確かに女魔王となってたけど。

 すると、クルーエルのステータスも出てきた。

 名前クルーエル 

 level40

 攻撃215

 防御200

 精神知性99

 精神知性は同じくらいか? 後は私より全然劣っている、っていうことは私は本当に女魔王として任命されても良いのかな?


「で、でも、さすがに私が魔王に相応しいかどうか、分からない…」 


 ステータスを何処まで信用していいものかどうか気になるし。それに私、ちょっと自信ないしな。


「では、試してみますか、この私と対決をしてあなたが勝ったら是非とも魔王として任命して欲しい」


「い、良いのか? クルーエル?」


「問答無用!」


 彼が素早い動きで私に剣を振りかざしてきました。しかし、私には動きが良く見えます。

すらりと躱す私。


「さすがですね。ではこういうのはどうですか!?」


 クルーエルが剣から必殺技を放ってきました。防ぎたい私は手をかざすと防ぐことが出来ました。


「やりますね。そろそろ、本気で来たらどうですか!? 魔王様」


 ほ、本気で来て良いのか? とりあえず軽く蹴ってみよう。

         ーバシッー

私の軽い蹴りが、クルーエルの持っていた剣を飛ばした。すると彼は跪き、右手を抑える。


「やはり、やりますね。あんな軽い蹴りで私の右手にダメージを与えるとは。あなたはやっぱり、魔王様だ。是非とも、魔王様に任命して下さい」


 彼が立ち上がり、先ほど、剣を持っていた右手で握手を求めてきた。すると、右手には傷だらけになっている。

 この傷、まさか…。私の軽い蹴りで、彼の右手がここまで傷ついてしまったのか!?


「大丈夫か? クルーエル」

「ええ、大丈夫です」


「そうか、良かった。ならば、お前に一つ警告しておいてやる」


「?」


「お前、今度、一人でも人を殺したら、容赦なく処分するからな。覚悟しておけ!」


「わ、分かりました。魔王様、よろしくお願い致します」


 こうして、魔王に任命されてしまったな。やっぱり、ステータス通りだったか? じゃあ…これからどうするか?

 何か、ちょっと自信付いてきたな。さっきの自信なしの私とは大違いだ。

 そうだ、クルーエル、頭良いし、魔族のリーダーだからコキ使ってやるか?


「ねえ、クルーエル。あなた、私の秘書になってくれるか?」


「ま、魔王様の秘書ですか? こんな私でよろしければ」


 うんうん。それで良し。これで私は少し安心だな。そういえばあの勇者に選ばれた賢人君、今頃どうしているのか?

 まぁ私が心配するのも無理はない。だってあの勇者は自分からみたら子供みたいな物だからな。


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