コネコの語り
ちょっとずつ、明らかになって行く、後ろ暗い理由……。
私はコネコ・ドーロボ。コーカイ国に所属する男爵令嬢だった。
あの日、魔女に選ばれるまでは。
世界に13人しかいない魔女達。それは世界の選択によって代替わりする事がある。その「代替わり」のスピードはその時によって違う。どうやら私は数年越しになる様だ。
その間に人間として死んだりする事も有ると思うんだけど、魔女になるのに人間としての生死は何ら障害になる事でもないようだ。
夢を通じての挨拶巡りと言うか、引き継ぎと言うか、そんな感じでいると、且つてコーカイ国を救った伝説の魔女と色々話をする機会があったのだが。
国、滅ぶんじゃない?
私は端的にそう思った。だってもう、王様は魔女を信じていない。王妃様の言いなりで、王妃様の溺愛している第二王子様を後継にしようとしている。たかが男爵家にまで流れてるくらい、あからさまな態度で。
別に魔女を信じている訳じゃないけど、まともな貴族は第一王子様に同情してる。……ま、同情だけで何もしてないけどね。
だってまともな貴族だって魔女なんて信じてないもの。彼等は只、真っ当な理由もないのに、第二王子様を王位に就ける為に貶められてる第一王子様が可哀想って思ってるだけ。進言した人は遠ざけられちゃってるからね、仕方ない。
何でも噂によると、最初、王妃様は第一王子様を乳母に任せず、育てようとしたらしいんだけど、夜泣きやら母乳やらですっかり疲れ切り、赤子相手に八つ当たる様になったらしい。
結局、直ぐに通常の育児に変わったけど、この頃にはすっかり王妃様は第一王子様を可愛く思えなくなってた。それを母親として失格だと責められると恐れて、第二子を求めたらしい。
無事に宿し、生まれた子は男児。前の失敗からか、今度は初めから乳母に任せた結果、王妃様は第二王子様を可愛いと思える様になった。そしてすっかり兄弟格差ママンとなった訳だ。
第一王子様はそんな環境のせいか、癇癪が治まらず、それを理由に益々格差は酷くなる。王様はそんな王妃様の100%味方と言う訳。
子供の癇癪なんて良くある話だし、個人差があるのも同じくらい良くある話だ。だけれでもこんな事情も良くある話だろうか。と言うか良くある話で良いのだろうか。首を捻る。生憎と人間としてまだまだお子様な私には分からない。
……何でも王様は正当性もないのに、第二王子様を後継にする為に、先に第二王子様の婚約を決めようと、身分だけは高いイエスマン男の娘を第二王子様に近付けたらしい。
で、流石に問題だと何人かが集団で先に第一王子様の婚約を決めるべきだと反対したら、既に第二王子様と親しい娘を第一王子様にスライドしようとしたらしい。結果、娘は嫌がって嫌がって、その態度を見た第一王子様を癇癪を起こして……、で、それを第一王子様が悪いとした王様は其れを理由に、まともな高位貴族を遠ざけて、第一王子様を失脚させようと企んでいる←イマココ。
この失脚作戦の肝はハニートラップ。実行犯、私。いやあ、私の家、テーオクレ家の子分みたいなものだからさ〜。親の都合に良い子ちゃん様が知ってるかは知らないんだけどね〜。
ってか今はまだ貴族令嬢な私、素直にこの企みに加担したらどうなるんだろうね。木っ端な男爵家だし、口封じされちゃう気がするんだけど。
ん〜、魔女の力は一応、使えはするなー。大分制限あるけどぉ。ふむふむ、成る程ねぇ〜。よし、それじゃあ一肌脱ぎますか!
ーーと言う訳なんですけどぉ、どうします?
第一王子様の夢にお邪魔した私。魔女の夢って忘却しないらしいんだよね、基本的に。全部ぶっちゃけて、どうしたいかを確認。返事は現実で聞きましょう!
ってな訳でぇ、皆さん、後悔したって遅いんですぅ。
お読み頂きありがとうございます。大感謝です!
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