決戦迫る
で、ナターリアはその少年を連れてきたんだ。
俺にそっくり……
でも、俺よりもっと品があって公平そう。
「は、はじめまして。逢沢海斗」
「逢沢海斗! 綴りがちがうだけだ」
海斗はやはり少し不安なのかきょろきょろしている。
そりゃそうだよね。
ナターリアが声をかけた。
「緊張しなくて大丈夫よ。アッサム様にも会いましょう」
アッサムはよろこんで迎えた。
そして事のいきさつをなるべく簡略に伝えた。
「え? では魔王との対決の日がすぐそこまで迫ってるって事ですか」
「急で申し訳ないが、君を腕試しして修行したい」
「わかりました」
何て冷静でしっかりした受け答え。
度量がすごい。
「これから彼と手合いをするから君とナターリアも見なさい」
そして道場でアッサム様と海斗の手合いが始まった。
これがすごい。
「え!」
海斗の動きはすごかった。
初めてとは信じがたい。
アッサム様と渡り合ってるのだ。
俺なんか比較にならない。
ナターリアやフォルスターより。
何で?
真の勇者だから?
「ちょっと驚いちゃったかな?」
「いえ」
ナターリアも修行する。
すごい稲妻の魔法を出した。
「すごい!」
しかしその後のアッサム様の問い。
「魔王ザンブラーに負ければこの国が乗っ取られてしまう。頼めるか?」
「やります!」
何と言う弱みのない受け答え。
でも何であんな強いんだ。
現世で普通の生活してたんでしょ?
「このままなら一週間で魔王と戦える」
「え!」
そしてついに決戦は目前に迫った。




