特訓開始
2月16日改稿しました。
俺はナターリア憑依状態で「聖なる道場」と言う場所に入った。
四十メートル四方。
高い天井。
壁が真っ白。
何も置いてないし壁紙もインテリアもテーブルもとにかくなにもない。
「ここは精神統一のため何も置かないんだ」
無機質なんだけど神聖な雰囲気で心が真っ白になる。
「何か質問は?」
「あ、いやアッサム様異様にお若いと」
アッサム様は頭に手を当て、少しこまった顔をした。
「あ、実はねこれ魔王に呪いをかけられたのさ」
「え!」
しかししゃべり方に悲壮感がないのだ。
独特の少し軽い調子。
重い話なのに。
「僕は魔王に戦いでなく和解交渉をしに行った。しかし決裂し異常に若くしかも年取らない体にされてしまったんだ。で、それから僕は誰にも年齢を信じてもらえないか異常に若く見える病気だと言われるようになり行き場所を失いここへこもるしかなくなったんだ」
「……」
何か辛さを隠しているように見えた。
「詳しくは後で話すよ。じゃあ修行開始。正拳突きの姿勢を取って」
話題の転換が早い。
でも、俺は言われるままやった。
何か町の道場で初心者に教えるみたいな雰囲気。
じゃあ、試しにパンチ!
「はっ!」
俺はパンチを繰り出したが勿論空手やった事はないので大したパンチじゃない。
「もう一回」
「はっ」
これが十回続いた。
「今度は連続で」
「はっはっ」
全力パンチを連続五発。
「なるべく速く」
「はっはっはっ」
注文が短いが妙にシビア。
緊張もあり疲れるけどひとしきりやった。
約二分。
濃い二分だった。
「では次、ナターリア憑依状態でやろう」
指示通りナターリアは憑依した。
「また正拳突き」
「はっ!」
今度はナターリアの操作でやった。
「さっきと感覚が違うだろう?」
「はい。負荷がかかってます」
「では、波長を合わせよう」
「はい」
俺は精神を集中しナターリアと合わせようとした。
「はっ」
「前より近づいてるぞ。次はナターリアの限界速度で」
「はっはっ! いて」
これは負荷がかかった。
「タイムラグを無くしていくんだ。一足す一が二以上にならなければ駄目なんだ」
「次は僕も少し攻撃する」
いきなりアッサム様は寸止めパンチを出した。
「次はナターリアの操作で」
再度アッサム様はパンチを出してきたが今度はナターリアの操作でかわせた。
「ナターリアも霊体と言え強くならなければいけないんだ」
「霊体で?」
「うむ。君もいずれ生き返る。今君の肉体を国を挙げて捜索してるから」
「そうか。そうなったら俺は一人になる。その時のために強くならないと」
しかしまるで町の空手道場くらいの事しかやってないよ。




