↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/33

第25話 始まりの合図

「本気で人を増やすと言っても、どこから始めればいいんでしょうか」


翌朝、拠点に集まった四人の間で、フィンが率直に疑問を口にした。


「ギルドに、公募でも出すか」


リントの提案に、シャーロットは、少し考えてから首を振った。


「腕が立つ人なら、それで見つかるかもしれません。でも、私たちに必要なのは、技術だけじゃないと思います」


「戦えるのに戦わない判断ができる。無理な状況で撤退できる。誰かのために、自分の専門外を任せられる」


ガレオンが、静かに続けた。


「そういうのは、公募の紙一枚じゃ分からないな」


「はい」


シャーロットは、頷いた。


「だから、急いで四人を揃える必要はないと思っています。まずは一人ずつでもいい。私たちのやり方を、本当に理解してくれる人から」


「言うのは簡単だけど、そんな人、都合よく見つかるっすかね」


フィンが、苦笑交じりに言う。


誰も、すぐには答えを出せなかった。


*


その日の午後、拠点にギルドの使いが訪れた。


「先ほど、受付にこんな相談がありまして」


職員が差し出したのは、依頼票ではなく、一枚のメモだった。


「以前、皆さんに助けていただいた方から、話があるそうです。依頼ではなく――ご自身の今後について、相談したいと」


シャーロットは、そのメモに目を通した。差出人の名前に、覚えがあった。あの増水したヴェルダ大森林で連れ帰った、二人の若者のうちの一人だった。


「今後について、というのは」


「詳しくは、お会いした時に、とのことでした」


シャーロットは、リントたちと顔を見合わせた。


「行ってみましょう」


*


夕暮れの街を歩きながら、フィンが、少し弾んだ声で言った。


「もしかして、今朝話してたこと、もう始まってるんすかね」


「まだ、分かりません」


シャーロットは、そう答えながら、夕焼けに染まる道の先へと目を向けた。


追われた場所からも、助けられた場所からも、人が集まろうとしている。四人だけで始まった仕事は、もう、四人だけのものではなくなろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。