表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

目覚まし時計は壊される

桜の大樹があるサンクチュアリ

そこに埋まっていたシェルターから現れた謎の少女。


果たしてそれはリアの味方か敵か―――

「……あ、う……」


白銀の少女は焦点の合わない瞳で

ぼんやりと周囲を見回した。


その可憐(かれん)な姿にリアは一瞬だけ見()れてしまう。

しかし、背後の機械音が現実を引き戻した。


ガシャリ、と冷たい金属音が響く。


エラーをねじ伏せた三体のパスファインダーが

サンクチュアリの境界を「力」で踏み越えたのだ。


「ターゲット、無力化フェーズへ移行」

「パルスライフル、チャージ開始」


「ちょ、ちょっと待って! タイムタイム!!」


リアが悲鳴を上げる。


チャージされるプラズマの光が少女の白い肌を青白く照らす。

絶体絶命。


だが白銀の少女は恐怖を感じるよりも先に

ただ「不快そうに」眉を寄せた。


「……うるさい……です……」


少女の唇が小さく動いた。


その瞬間。


彼女の背後の空間が()()()


『——近接防衛プロトコル:起動。脅威を排除します』


虚空(こくう)から出現したのは

(てのひら)サイズの菱形(ひしがた)をした六つの鏡面体——

『ビット』


それらは物理法則を無視した速度でパスファインダーの周囲に展開すると

一切の容赦なく純白のレーザーを放った。


「ガ、ア……ッ!?」


鋼鉄の巨体が紙細工のように容易く焼き切られていく。


一閃。


ただの一撃で、二体のパスファインダーは

一瞬にして物言わぬ鉄クズへと変わり

アイリスの花畑の上に崩れ落ちた。


「は……? え、マ? 嘘でしょ……?」


リアの口が塞がらない。


残った最後の一体は、右腕のヒートブレードを振り上げて少女へ襲いかかろうとしたが

ビットが放った衝撃波によって

頭部ユニットと腕を無残に吹き飛ばされ沈黙した。


そして静寂が戻る。


残されたのは

焦げた鉄の臭いと、呆然と座り込むリア。


そして——


「……私は……なんでしょう……」

「思い出せない……」

「大事な……大事なことを……忘れているきがします」


少女は力なく地面に降り立つと

足元に咲く青紫色の花を一輪、細い指で摘み取った。


記憶の海は真っ白で、何も思い出せない。

ただ、この花の形と色が

どうしようもなく「大切」なものに思えた。

こんにちは!


もし気に入ってくださいましたら

ブックマークや感想などお待ちしております(・ω・)ノ毎日昼に更新予定

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ