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異世界での遭遇は危険がいっぱい

登山好きの主人公が滑落した事で異世界転移!

ファンタジーの世界の魔法や魔物、神に悪魔になんでもござれない異世界でも登山目指して頑張る主人公の珍道中。

自分得を詰め込んだほのぼの冒険ストーリーです。

まさかのオーダーメイド。


レヴィさんが、『この人は大丈夫、落としビトです』と、いう一筆を書いてくれるとの事。

感謝しかない!


小人族って言うけど…物作りが得意と言うことはドワーフってやつなのかな?よくよく見ると、レヴィさん達は鳥族ヒト科って言ってたが、これって鳥人って事かな?

さっき翼集会って言ってたけど、他にも同じような種族がいるのだろうか?気になったので尋ねてみた。


「えぇ、翼集会とは言葉通り翼を持つ種族の会議です。我々は鳥族ヒト科ですが、身体は人で頭部のみ鳥で翼持ちのヒト族鳥科や、人の見た目で翼持ちのヒト族翼科など様々です。翼を持ち、空を飛べて山の警備をする上では同じ仲間です。落としビトの事は我々翼集会で情報共有しますから山登りなるものを邪魔する事はありませんよ」


紳士である。


何やら色々種族があるようだが、とりあえず翼がある種族はみんな友達的な事で良いのだろうか。しかし、一目でわかるような目印があれば良いのかもしれない…そこで山の力を具現化した記号を布に書いてもらい、バンダナとして頭に巻いたり腕章みたいにするにはどうだろうか?

レヴィさんに提案したら、天才かよ!的な眼差しを受け、この印を子供達にも持たせてはどうか?急いで作ろうと話は急展開し…

紹介状と自分用の山印の布はいつになるのか…


とりあえず、村の散策でもして待つ事にする。


家々は基本木の上。

やはり外敵が上りにくようにねずみ返しがされている。まぁ侵入してくる外敵が飛べたら意味がないのでは?とも思ったが、山印がある村の中では合成生物は力半減となるのでそれなりに効果があるだろう。

村の中を川が流れており、小さな花が咲いて風に揺れている風景はとても長閑で心地よい。


鳥人の子供達が川辺でチャンバラ的な事をして遊んでいて微笑ましい。だが、チラチラとコチラを伺う姿にモヤモヤする。

ヒト(?)攫いに怯える子供達の視線が居心地悪いし、その原因が人間って事に言いようの無い憤りを感じた。

ザックの中に何か子供達と打ち解ける物が無いだろうか?とゴソゴソ探すと、飴が出てきた。

100均で買える安い飴だが、子供の心を掴むには申し分無い代物である。子供の数を目で追い、握った飴の数と見比べる。


うん。人数分ある。


視線を子供達に戻し、いざコミュニケーションを取ろうと思った時違和感を感じた。


あれ?1人少なくない?


一気に毛穴が開く感覚。

山に挑む上で培われた危機察知能力。危険を察知した時に自分は毛穴が開き一気に視界がクリアになる。単なる感覚なのだが、この時の自分は所謂zoneってやつに入っている気がする。1秒がとても長く感じて、周りが遅く感じるのだ。

そのおかげで落石などを避ける事が出来た。


なんだ?危険が迫ってるってどこに?!


水面がゆっくり揺れた。

目を凝らすと、水の中動くモノがあり…

認識した瞬間、自分の脚は駆け出していた。


飛び込む際に子供の持っていた枝を奪い、全体重を乗せて一気に枝を水に突き刺した。


デカイ悲鳴と共に、水から大きな影が岸に飛び出してきた。


カエル でかっ!!!


枝はカエルに突き刺さっていて、悶絶しながら何かを吐き出す。シャボン玉の様な膜に覆われたそれは、鳥人の子供。


レ、レヴィさーーん!誘拐事件ですよーー!!


目の前で誘拐事件発生です。


デカイ悲鳴を聞きつけて大人の鳥人達が集まってくる。子供の親は慌てて膜を破って我が子を救出。男の鳥人達は蔓の様なモノでカエルを縛り、川に逃げ込めない様に村の広場に引きずって移動させる。


「まさかこんな白昼堂々と誘拐事件が起こるなんて、物騒ですね」


レヴィさんは黒い鳥なのに顔面蒼白という表現がピッタリなほど狼狽している。聞くところによると、こんな明るい時間の拉致は初めてだそうだ。


とりあえずカエルの処遇は任せよう。


自分が口を出す事では無い。

白昼堂々の拉致未遂は何故起こったのか…自分成りに考えてみる。山印があるからとはいえどこかしら抜け道はあるのだろうが、あの巨体。どうやって見つからずに村に侵入できたのか。

上流目指して歩いてみると、意外な盲点を発見する。


「そりゃ川堰き止めるなんて無理だよね…」


そう。

山印で村を囲っていても、川自体は村のもっと先から流れているのだ。川は村を横断し、更にその先まで続いている。村よりずっと先から川に潜って侵入すれば、あとは攫って同様に川の流れに乗って村を出れば良い。その為に今回は合成生物のカエルだったのだろう。


「大蝦蟇ってやつか」


日本の妖怪までいるとは恐れ入った。


川にネットの様なモノを張り巡らせる事も出来るだろうが、そうすると魚が通れない。網目を大きくすると、小型の合成生物が入ってくることも考えられる。


これはかなり難問だ。


広場に戻ると、そこにはもうカエルはいなかった。

どうなったのか、わざわざ聞く気にもならないので今回の侵入経路と川の現状を伝える。

ザワザワと不安が広がる。


「その、ねっと…と言うのはどの様な物ですか?」


地面に小枝で図にして説明する。

目の大きさの点はやはり改良が必要の様で、ただ話によると鮭の様な川に戻ってくる魚はこの川には来ない様だ。


「ただの蔓や紐だと食い破って来るぞ」

「では印を書いては?」

「水に入れた途端消えてしまうぞ」


議論は白熱。

何か良案が有れば良いんだが…これといった明暗が浮かばない。紐に文字を書こうにも、この世界に油性ペンの様な物あるとは思えない。


「はぁ〜…参ったな」


そう呟き額を搔くと、自分の手首に巻かれた物が目に入る。友達が作ってくれたミサンガだ。彼女の名前が思い出せないが、とても器用だが抜群にセンスが無いのが残念な人だった。

ミサンガには【-○△□-○△□-】と書かれていた。

この記号は小宇宙を表しているらしい…


『コズミックパワーで元気100倍だ!』


と言って無理矢理手首に巻かれ、頬が引き攣ったのを覚えている。とある有名な禅寺にいた、江戸時代のお坊さんが描いた墨画らしい。その墨画を見て、コズミックパワーとやらを感じたそうだ。彼女が将来変な宗教団体にハマりそうで怖い。無事に帰ったら尚更増長しそうで、どうしたもんか…思いながら登山していたんだったな〜


…しかしこれ…使えないだろうか?


山印を再度確認する。

直角二等辺三角形の直角の部分に丸が乗り、そしてその三角形と丸を上から串刺した様に一本太い線が入っており、底辺と直線の接触点を中心に逆二等辺三角形が描かれている。簡単に言うとトイレの女性マークに逆二等辺三角形が重なり、ど真ん中に太目の縦線が入ってる。

ミサンガで、山印の図を応用出来ないだろうか?

残念ながら、自分にはミサンガを作る事が出来ないが、鳥人の女性陣に機織りとか刺繍とか器用に出来る人がいるなら可能では?


「あ、あの…こんな方法どうでしょうか?」


無茶苦茶な発案に、鳥人達は乗って来るだろうか?

結構無茶な事を言おうとしている。

鳥人達が少し期待した視線でこちらをみるが、期待外れでガッカリされそうで怖い。

腕を捲りミサンガを見せる。


「これは自分がいた世界でのお守りの様なモノです。違う色の糸を組み、模様や文字を描き手首や足首に巻いて身につけるんです」

「これは…何が書かれているのですか?」

「文字…いえ、柄かしら?」


意外に食いついたのは、女性の鳥人達。

敷物や、襟足を束ねる紐などを自分達で繕っているそうだ。そうなると話が早い。しかし提案した案に難色示すのは男性陣だった。


「この紐の様な柄で山印を作るとしても、網全部にとは…一体紐がどれほど必要になるのか…」

「それ以上に女手を長い時間取られるのが問題だ」

「紐の1箇所だけに施すのではいけませんか?」


この村では仕事も家事も男女平等で、機織りは冬の雪深い時期に一年に必要な分を折る上げそうだ。見た感じ今は秋だろうか?

上流下流共に紐で網を編んで設置するのに、どれほどの紐が必要かなんて全く分からない。案だけ出して無責任に丸投げするから余計に頑張りましょうとも、やってみましょうとも言えない。


話がまとまらず、なんとなく居た堪れず再び散策という逃避行に向かう。

やっぱり言うんじゃなかった…

参ったなぁ…

他に案がないか考えるが、浮かぶはずもなく…

大きなため息と共に上を見上げて動きが止まった。


木の上から誰かがこっちを見いる。

少し青白く髪の長い女性だ。

え?嘘、人間は神力があるから山に入れないって言ってたのに…いや、自分も人間だけども!


ゆっくり女が木から降りてきたが…

いやいやいやいや…待て待て待て待て!

動き変なんですけど!

なんかガサガサいってますけど!

上着を着てないよ!お胸さんが丸見えだよ!

それより何より言いたいのは…


この人下半身蜘蛛なんですけどーーーーー!!


悲鳴を上げたか覚えていない。

ただ全速力で広場まで走った。



お読み頂きありがとうございます。

のんびりペースで更新していきますので、よろしくお願いします。

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