異世界のトラブルはどうや陰謀の様だ
登山好きの主人公が滑落した事で異世界転移!
ファンタジーの世界の魔法や魔物、神に悪魔になんでもござれない異世界でも登山目指して頑張る主人公の珍道中。
自分得を詰め込んだほのぼの冒険ストーリーです。
街に買い物に行けない。
早く酒を買って帰りたいんだけどな…
相談するとオーコンさんの屋敷に酒屋が来てくれることになった。デパートの外商みたいだ。
とはいえ、明日になるとの事なので、今日は屋敷内でのんびりタイム。広い庭園を散策中、何やら言い争う様な声が聞こえる。巻き込まれるのは御免被りたいので木の柱からそっと様子見る。
…肉の塊がいる。
あれ?デジャヴ?
違うわ!!おジジが閉じ込められていた間欠泉の所で偉そうにしてた肉ダルマだ!え?何で此処に?
「良いから早く身柄を引き渡せ!!」
相変わらずお供が偉そうだ。
どうやらこの街に宝石肉ダルマも在住しているのだろう。オーコンさんとカマキリ男のやり取りが耳に入った様だ。まぁ河童連れてるってので、あの時の奴に違いないとやって来たのかもしれないが…
顔も見る前から身柄拘束しようとしてるあたり、なんとも自分勝手だ。ん?まさか親族?
「恐れ入りますがジカッテ伯爵でも、敷地内での勝手な振る舞いはご遠慮願いたい」
「オーコン!貴様、儂に楯突く気か!」
オーコンさん登場に、若干尻込みしている肉ダルマ。
案の定、親族かよ!!
「よ、良いか!貴様、犯罪者を匿っている事は重罪だぞ!」
「匿っている?私は彼等を我が屋敷に招待したに過ぎません」
「となると、お前も同罪の犯罪者という事だな!」
…コイツ…
《馬鹿な貴族は会話が通じないな》
おう…ザック言っちゃたよ。
オーコンさん、長いため息。気持ち分かります。
「ジカッテ伯爵、犯罪者というなら貴殿の方です」
「何っ!?」
「文官長の敷地内には貴重な資料も保管されている為、無断での訪問や立ち入りは禁止されているはずです。場合によっては王室への反逆とみられても文句は言えません」
ぽかんとする肉ダルマ。
え?この世界では文官長ってそんなに偉いの!?
呆れた顔でオーコンさんは軽く手を挙げると、何処からともなくザ・騎士って感じの人がやって来て肉ダルマの腕を捻って連行して行く。
ギャンギャン喚き散らしながら肉ダルマ達は何処かに連れて行かれてしまった。門の外ではないので、まさに投獄って事だろうか?
「オーコンさん…凄い偉い人だったんですね」
「おやターナさん、お見苦しいモノを見せてしまいました。申し訳ありません。私が偉いのではありません。文官長っという役職があっての事です」
文官になるには物凄い試験と、物凄い素行調査されて才能人格共に問題無しでなくては、職に就く事が出来ないんだそうだ。相当貴重な資料に携わるから、という事らしい。
大変だな〜
その分、世間からの信頼は折り紙付きなんだそうだ。
「あの人、間欠泉の底で不当にダイヤを独り占めしてたんですよね」
「…詳しくお話し聞かせて頂いても?」
しばらく椅子から離れられなくなりそうだ…
翌朝 朝日が目に痛い。
昨日のジカッテ伯爵の宝石独占の件で、途中でおジジが劇的に語るもんだから脱線脱線、また脱線で時間がかかったのなんの!
正直眠いが10の刻…所謂10時に大手の酒屋さんが沢山種類を持って来てくれるので、顔を洗って身支度をする。会社勤めの習慣か、6時でパチッと目が覚めてしまうのが悲しい…
朝食の声掛けに廊下を出ると良い匂いがする。
自分達の為に作って頂くのは申し訳ないと思ったが、なんとオーコンさんはコア石以外にもちゃんと食事するんだそうだ!
「あんな物しか食べないなんて精神異常でしかない」
と、かなり厳しいお言葉を吐いていて笑ってしまった。良かった、普通の人もいるんだ、と安心したのだが、オーコンさんは珍しいタイプだそうだ。
「私のフェニックスは合成で作ったわけではないので、神力が必要無いのです」
ええええぇーー!?
オーコンさんだけでは無く、文官の人には仲魔が合成ではない人もいるそうだ。何故かわからないが、文官には良い出会いが多いらしい。
「ターナさんも河童に火蜥蜴の子供と、特に契約していませんよね?」
【誰が子供じゃ!儂は立派なサ…モガモガ!】
喧しいので掴んでポケット奥に突っ込む。
通常素材として手元に置いておくだけでも神力が必要なんだそうだ。力任せで屈服させているのだから、神力を使い縛る必要があるらしい。
カッパンは素材ではない。
おジジは預りモノだ。
「恐らく双方が得心している事で、神力ではない何かで繋がっているのかもしれませんね」
【儂は全く納得しておらんぞ!】
《神からの勅命に口答え出来ると思ってんのか?》
【ぬぐぐぐーーーー!】
おジジがまたもポケットから飛び出て、小さな尻尾でピシピシと叩いてくるが、ダメージ0である。
「まぁ、文官は過剰にコア石を摂取しない様に文官条例にありますので、とても助かるのですが」
「なんで過剰摂取はダメなんですか?」
「わかりません。古い資料にそう記載があり、条例改正があっても、これだけは改正不可となってます。言われてみると不思議ですね…」
??なんで??
一同首を捻る。
「過剰摂取したら身体に悪いんですか?」
「まぁ…見た目は宜しくないです」
見た目?
オーコンさんは苦笑いをして空中に指先で円を描く。
「コア石を沢山摂取する程神力が増すのですが…ジカッテ伯爵の様に見た目が飽和状態になるので、お勧めは出来ません」
神力と引き換えにあんな肉ダルマになるにか!?
ふえええぇえ!!
海外のダイエット企画番組に出てきそうな凄い弛んだ肉圧なボディー。よくあんな身体で歩けるな…って思ったら、これまた神力があるから本人は軽いらしい。
もう何なの神力って!?
意味わからん!!
「あのまま摂取し続けたら、風船みたいに弾け飛んだりして」
【存外あり得るぞ】
「えええ!?」
冗談で言った自分の言葉におジジが興味なさそうに肯定する。
「え?弾け飛ぶの?」
【知らぬよ。ただ儂らの様に眷属に在る者はコアの力を体内に蓄積して進化する。火の神の眷属で在る儂はサラマンダーになり、この中から優秀なモノを神が選び、火山の守護を任され火山のエネルギーを蓄積し更に進化する。だが人間は神の眷属になっておらんからな。コアの力を変換せず溜め続けた場合どうなるか知らぬよ】
かなり危険なのでは?
オーコンさんも難しい顔をしている。
あーこれ厄介な事に巻き込まれる予感。
はぁ〜参ったなぁ〜勘弁してくれ…
「そう言えば…昔山の奥の鬼女が急に進化して大討伐が組まれた事があったっス。その頃はまだ少し人とも交流があって、おいらの薬を買い付けに来た商人が言ってたんっスけど…」
カッパンがなんとも言えない表情で言葉を区切る。
「それが…その…おいらも話半分で聞いてたんっスけど…討伐隊の大将をその鬼女が食っちまったそうっス。そしたらとんでもない大きさで強さも倍以上に跳ね上がって、被害がとんでもない事になっちまったって…」
「ふむ、確か40年程前の報告書簡にあった気がします。それが…何か気になる点が?」
オーコンさんが優しく話の先を促す。
文官長は仕事が出来るね〜
「その大将、凄い太っていたそうっス。デブだから逃げきれなかったんだろうって商人は苦笑いしてたんっスけど…その大将さんがただのデブなのか、コア石の過剰摂取での物か…おジジさんの話を聞いて嫌な予感がして思い出したっス」
カッパン…それってとんでもないぞ。
怖くて自分から先を消えに出せない。
《成る程。要は過剰摂取の肥満体は、大きなコア石と同じで、それを食せば魔物は一気に進化すると言うことか。上手く考えたもんだな》
【これが偶然じゃない場合厄介じゃな】
ザックとおジジは別段驚く様子もなく、興味なさげに話す。
「それって…」
《コア石の論文が50年前、その論文に隠されたメッセージに、その後に一気に広まった魔物の合成合体方法。鬼女の討伐に魔物の進化。これ全部を偶然で片付けるのは難しいんじゃぇか?》
「つまり…ザックは…こう言いたいのか?」
えーっと…言葉に出すには不快感が凄い。
「意図的に広められた合体合成。それによるコア石の過剰摂取は、魔物を効率よく進化させる為に何者かによって計画されている…と言うことでしょうか」
【平たく言えば、人類餌化計画ってとこか?】
おジジのの言葉にオーコンさんは苦虫を噛み潰したような顔をする。
【確かに自然に進化を待つより手っ取り早い。たった数十年待つだけで良いのだからな】
「通常は何年かかるもんなんだ?」
カッパンを見る。
「おいら進化してないから分からないっス」
「カッパンって何年生きてんの?」
「ん〜70年っスかね」
《2千年いて退化した奴もいるがな》
ゲラゲラとザックと笑う。
おジジの尻尾アタックなんて痛くないので怖くない。
【神格が低い眷属は進化にそこまで年数はかからないが、それでも100年は通常必要じゃ。いいか!儂は退化しておらんからな!!聞いてるのか!儂は神格が高い故に】
そこから先は無視だ。
んんーーーー要するに神格が低くて進化が早くても100年要するが、コア太りした人間を取り込めば早く進化できると。
神の眷属がそんなことする訳ないので、要は神と相反する存在が、意図的に人類餌化計画を進めているって事だろか?
うーーーわ!
めっちゃ面倒事の予感!
勘弁してよ!!
《まぁ、国の中枢機関に問題ありなのは確実だな》
わーーーヤダヤダヤダ!!
お読み頂きありがとうございます。
のんびりペースで更新していきますので、よろしくお願いします。




