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異世界でトラブルに巻き込まれる予感

登山好きの主人公が滑落した事で異世界転移!

ファンタジーの世界の魔法や魔物、神に悪魔になんでもござれない異世界でも登山目指して頑張る主人公の珍道中。

自分得を詰め込んだほのぼの冒険ストーリーです。

オーコンさんのお宅訪問。

尻込みする程の豪邸でした。ご飯もコア石だけ出てきたらどうしようと思ったけど、普通のご飯だった。


「ご馳走様でした。とても美味しかったです」

「おいらにまで飯を出してくれるなんて思わなかったっス」

「お口に合ってなによりです。自己紹介が遅れましたね、私はハックシー・ゼニン・オーコンと申します。この街の文官長をしており、伝承や古事記などから、現在の様々な事件などまで文字に起こしたり研究し解明する事、または手続きや書類作成といった…まぁ書斎に篭っている事が多いので【モグラ】と呼ばれているのですが…」


困った様な笑みを浮かべ、給仕の入れた紅茶を飲む。

あ、紅茶は飲むのか…

この世界は名前がその人の人柄の意味を持っている事があるようで、オーコンさんは所謂[博識・善人・温厚]って事だろう。

ええ人やんけ!!

因みにカマキリ男はゴルマン・ヒード・ジカッテといそうだ。うん…傲慢・非道・自分勝手って事か。ピッタリだなおい!!


「えっと、自分はハーマイ・ターナと言います。こっちは相棒のザックと河童のカッパン、あと…おジジ」

【ちゃんとサラマンダーと言わぬか!!】


さっきまで胸ポケットに隠れていた酷い奴がサラマンダーとは笑わせる。都合の良い時だけいい顔すんじゃ無い!まったく!

胸ポケットから偉そうに出てきたおジジにデコピンアタックする。

うんうんと頷きながら抱えているザックにオーコンさんは視線を送る。諦めたように肩紐をシュルシュルと解き、テーブルによじ登るザック。


《先程は相棒が世話になったな》

「いえいえ、当然の事をしただけです」

《幾つか此方も質問がある》

「私もです。では一問ずつ交互に解答すると言うのは如何でしょう?」

《了解した》


給仕さんは自分とカッパンに紅茶とお茶請けのクッキーを持ってきてくれる。主人が有能だと社員も有能だな!昔の上司にオーコンさんの爪の垢を煎じて飲ましてやりたい!

…と言う感情が浮上するが、上司の顔も自分の勤めていた職種も思い出せないのだが。


「ではまず其方からどうぞ」

《フェニックスを通して啓示が来たと言ったが?》

「えぇ。昨晩の事です…私のフェニックスが急に灰になり燃え尽きたのです。最初は私も驚きました。しかしその灰から小さな金の卵が出てきたかと思うと、部屋全体を燃してしまうのではないかと思う程の高密度の焔が卵を割って出てきました。本当に驚きました…」


興奮気味に、身振り手振りで一気にそこまでの情景を話すオーコンさん。多分コレ彼の癖なんだろう。


「その焔が直接頭に語りかけてきました。あの様な高貴で高潔と言う言葉がピッタリな声を聞いた事がありません!陛下の声ですら霞むほどの、心の中に響く声でした…」


うっとりしちゃった…

おかしいな…ボケ神様の声に正直そう言った感じ全く無かったんだけど。なんていうか…駄菓子屋のお爺さん的な親しみさではあったが。

異世界の神パねぇな!


「啓示の内容は、一旦置いておきましょう。では、次は私からの質問です」

《あぁ、良いぞ》


傍観を決め込んでいた自分の方に、オーコンさんが顔を向ける。


「ターナさんは…ここではない異界から来たとう事で間違い無いでしょうか?」

「!…あ、はい!」


これも啓示にてオーコンさんに伝わっていた様だ。


「私は啓示を受けた後、トゥーダイ様の論文を読み返しました。神の声を聞いた事で、この論文に隠されたメッセージを読み解く事ができ、興奮が抑えられないのです!あぁ!何という事か!50年、我々は間違った解釈をしていたのですから!ターナさんの出現に、感謝しかありません!」

「間違った解釈?」


疑問を口にしてしまった。

その瞬間、ビシッ!と音が立つポップが当て嵌まりそうな勢いで自分を指差してオーコンさんが再び饒舌に語る。長くなりそうだ…


「50年前にトゥーダイ様が発表された論文は、『そもそも何故我々はコア石が必要なのか』と言う物で、その内容はコア石による神力の補給、神力の利点や必要性などが取り上げられています。この論文により、神力を多く保つ事が貴族でのステータスとなり、その神力を使い魔物を使役、合成するという発見に繋がったのです。論文の最後に記載されていた一文が、現在の合成魔者を作る事への導きだと考えられていたにですが…」


オーコンさんが例の論文とやらページを開いて見せてくれるが、さっぱり読めないんだが…

言葉通じる以外、何も自分に能力がない!!

流れに乗って知ったかぶりではないが、論文の文字を見るがさっぱりである。英語でもアラビア語でもない、なんか変な文字。

あ、でもここだけ日本語で書いてあるじゃないか。

ページの下、まるで縁取りの様に書かれた文字を読む。


「『コア石はエネルギーの塊で、血中に融合するのだ。これを体内に取り込む事のメリットだけでなくデメリットについても理解して欲しい。』」って…どう言う事?」

「ターナさん!やはり読めるのですね!」


えらい食いつかれた。


「はい。この文字だけですけど。これ日本語なんで」

「…といことは…トゥーダイ様はターナさんと同郷といことですか?」

「恐らく。名前もジャパー・ニズ・トゥーダイって事は、日本の一流大学出身って事だと思います。自分みたいに落ちて来たのかな…」

「いえ、トゥーダイ様は幼い頃から神童として有名で3歳の頃に王都に召抱えられています」


転生者か〜

生まれた時から勝ち組決定って感じだな。こんな論文出したり有名な人生で、何をどう感じて生きて来たのかな…

少ししんみりしてしまった。


「そのニホンゴ文のページ、ここには『コア石の持つエネルギーは融合が可能と思われる。それにより、生物、植物などの成長促進が見受けられる。過剰な摂取は危険だが少しのコア石による治療も実験の結果可能とわかった。』とあります。これにより治療の実験が盛んになり、その実験の結果魔物合成という神の如く生命を生み出す事が可能になったのです」

「なるほど…」


デメリットについて何も記載がない論文は、ひょっとしたら何かしら上から圧力があったのだろうか?

だからこそ日本語で小さく、誰かその後読める人にわかってもらえる様に書いたのかもしれない。検閲もあっただろう。数冊コッソリ書き加えて僅かな望みに賭けのかもしれない。

案の定、オーコンさんはこの小さな文字が入っている、いないの違いを知り、方々に手を尽くして入手したそうだ。さすが文官である。


《なるほど、この日本語が読める様になり、隠されたメッセージが理解できたって事か》

「はい!ここからが大変です。このデメリットというものを見つけていかなくては」

「日本語はこのページだけなんですか?」

「いえ、他にも各章毎にどこかしらに記載されていますが、1冊全てに書かれているわけではないのです。これらを集めたり、解読するのに時間がかかりそうですね」

「ちなみに日本語をマスターしたんでしょうか?それともこの言葉だけなんですか?」

「わかりません。ただこの私が所有している蔵書については読める様です」


なんとも言えない、何か物凄い事を思い出しそうで出来ないモヤモヤが残る。


《それより文官長、我々は街で買い揃えたい物が有るんだが、出歩いても平気だろうか?》

「今日は難しいと思います。恐らくジカッテの息がかかった荒くれ者達が皆さんを探している筈です」

「うえぇぇ…」


あいつカッパンの事メチャクチャ見てたしな。

合成素材にするって言ってた気がする。


「河童って合成したら何になんだろ?」

「だ、旦那ーー!?」

「いや、しないってば!ただあのカマキリ男が随分とカッパンを物欲しそうにしていたからな〜」


あそこまで露骨に欲しがられては、少々気になになるのも仕方ないと思う。


「ジカッテは水の魔者を使役していましたから、恐らく強化素材として見ていたのかと」

「ひぃぃー!」


カッパンは素材になりたくないから、安住の地を求めて同行中だったな。当然の拒否反応だろう。

しかし面倒事ってのは、なんで向こうからやってくるんだろうなぁ…


本当勘弁して欲しい…




お読み頂きありがとうございます。

のんびりペースで更新していきますので、よろしくお願いします。

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