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異世界でテンプレ的な悪人と善人に会う

登山好きの主人公が滑落した事で異世界転移!

ファンタジーの世界の魔法や魔物、神に悪魔になんでもござれない異世界でも登山目指して頑張る主人公の珍道中。

自分得を詰め込んだほのぼの冒険ストーリーです。

顔中の水分が一気に蒸発したんじゃないかと思うほど、熱風による頬がひりつく。スルトさんの発する高熱と光量が落ち着いてきて、ようやくこちらも深呼吸できた。

空気がまだ熱い。


『矮小ナ存在ガ、中々愉快ナ事ヲ言ウ』

「えっと…なんかすみません」

『構ワヌ。良キ心掛ケ也』


スルトさんは赤黒い指で空中に小さな円を描く。

その円は紅い紐の様に残像が残…本当に紐状に紅い輪っかが空中に漂っている。クルクル回りながらゆっくり自分の目の前まで来ると、吸い込まれる様にミサンガに自ら編み込まれていく。


『ソコナ愚属ガ、嵩高デ頑迷ナ様ガ改善ノ余地ナシト判断セシ時、ソレヲ焼ベバ、我参ジヨウ』

【ひいぃいーー!!】


お目付役から、水戸の印籠並みの凄いアイテムを頂いてしまった。


「ありがとうございます。頑張って改心出来る様におジジの見聞を広めたいと思います」

『良キ』

【こら!なんだそのおジジとは!儂の事ではなかろうな?!】

『黙セヨ』


スルトさんの一言で爺マンダー硬直。

シャボン玉に剣を向け、一気に突き刺さす。


「えええええーーー!!」


シャボン玉が炎上して、どんどん炎が剣に吸収されていく。どんどん火の玉が小さくなり、ポンという音と共に何かが地面の落ちた。

恐る恐る近づいてみると、小さな掌に乗るくらいのメタル系の紅い蜥蜴?イモリ?ヤモリがいた。


《こりゃ丁度良い大きさだな》

『種火程ナラコノ姿デ良イ』

【なんじゃこの身体はーーーーー!!】


ちょっと、いやかなり可愛くなった。

一緒に旅すると言ったは良いが、どうやってイグアナ連れて歩こうか、山登る際は自分が担ぐの無理だしな…と少し悩んでいたんだよね。

正直この大きさは助かる。スルトさんグッジョブ!

摘んで自分の肩に乗せてみる。


「おお、結構可愛くなって。運びやすいし良い感じ」

【こんな小さい姿で何が出来る!】

《火種じゃねーのか?》

【なめるな!】


口を開けて炎を吐き出したつもりなんだろうが、出てきた火球は線香花火の最期の火玉程の大きさ。

しかもヒョロヒョロと飛んで自分の目の前まで来たので、ついフッと吹き消してしまった。


【なぁーーー!!】

「あ、ごめん。つい…」


泣いてる。

声出してないが、肩がめっちゃ濡れてるし。

まぁ、そっとしておこう。


「ありがとうございました。頑張ります」


スルトさんは頷いた後、焚き火の中に吸い込まれる様に消えた。

一気に周りが暗くなり、肌寒い。


「カッパン、起きろカッパン!」

「…はぁっ??!だ、旦那!今凄い夢みたッス!」

「安心しろ、夢じゃないから。ってか自分だけ戦線離脱とは良い根性じゃないか、え!?こっちはマジで死ぬかと思ったんだぞ!!」

「痛い!痛いっス!やめてーーー!」


ヘッドロックで締め上げる。

ともかく一気に外気が冷えた為、寒くて仕方がない。もう外は帷が降りている。


「ともかく、同行する事になったコレはおジジで決定で」

《まぁおジジ一択だろ》

【なんだその巫山戯たな呼び名は!!儂にはもっと高貴な名があってだな!!】

「おジジさん、そのうち慣れるッス」


苦笑いしながらカッパンは湯を沸かす準備中。

おジジを肩から近くの石の上に移動させ、ザックから干し肉を出してスープの支度を始める自分達におジジは小さな身体で叫ぶ。


【儂の話を聞けーーー!】


  ・

  ・

  ・


レヴィさんの村を出て5日、色んな事があった。

旅の同行者も増え、なんとか街の城門まできたが…


現在またもやトラブル発生である。


「だから、カッパンは仲魔じゃないけど同行者だって言ってるじゃないですか!」

「使役しない魔物を入れるわけにはいかん!」

「自分は神力ってもんがないから使役出来ないの!」

「「「ええええっ!?」」」


2人の門番と尋問官の人が同時に声を上げた。

コントかよ!

慌てた尋問官が水を張った変な桶を持ってきた。簡単な説明を受け、所謂ウソ発見器と神力の測定器を兼ね備えているらしい。言われるままに手を桶の水に漬ける。

何の変化もナシ。

前例がないそうで、暫くまたも足止めを食らう。


「お腹空いた…」

「そうっスね…」


暫くしてやけに豪華な服を着た痩せ型でカマキリに似た雰囲気の男がお供を連れてやって来た。

失礼な奴で、挨拶もなくジロジロと上から下まで舐める様に観察される。

殴って良いかな?

自分でもかなりイラッとするのに、ザックは面倒事は任せた、と言って黙って普通のバックパックのフリをしている。

クッソーーー!


汚い物を触る様にザックを指で摘み、こちらに一言断る事もせず無遠慮に中身を床にぶち撒けられる。


「そこの汚い男」

「…え?自分の事ですか?」

「お前以外おらぬだろう。外見だけでは無く頭も悪い様だな」


良いですかね?殴って良いですかね!??


「神力無くしてどうやってここまで来たのです?」

「えっと…歩いて…」

「戯言を吐かす。この近辺に唯一ある町にはお前の様な男は居らぬ。さぁ、何処から来た?」

「…それ街に入るのに関係無いですよね?」

「大有りだ。もしお前が魔物で、此方に感知できない魔法や方法を持っているなら大問題だ。知らぬうちに侵入を許して、魔物共に街を壊滅に追いやられては困る」


言っている事は合ってるが…

勝手に魔物攫う様な人達にそんな勝手な自論言われても納得出来ない。


「じゃぁ街に入れなくても良いので、お酒や何か食べ物売ってくれませんか?別にそれらが手に入れば街に入らなくても良いんで」


感じ悪くてこちらも横柄な態度になってしまうにのは仕方がないと思う。カマキリ男は少し顎先を触りながらカッパンを見る。


「ではそこの魔物をこちらに渡せば許可しましょう」

「はああぁ!?」

「ただの同行者なら、別にお前に損はないだろう」


あっっったま来た!!

ぶん殴ってやろうかと拳に力を込めた時、他所から声がかかる。


「ジカッテ殿、これは何の騒ぎか?」

「…これはこれは、オーコン殿。この様な場所に貴方が来られるとは。文官長は随分お暇な様ですな」

「…そういう魔研省はジカッテ殿が直々出なくてはならない程の凶悪な魔獣でも出たのですかな?私の目には普通の青年に見えますが?」


カマキリ男とは対照的に、チキンの美味しいK◯Cのおじさんみたいな人が自分の横に立ちこちらを窺う。いかん、脳内にクリスマスのパーティバーレルソングが流れ始めた。

身体は脳内の指令に正確に反応。


ぐうううううぅぅ…


「神力も無い為コア石も食さぬ様だな。正に魔物同様血肉を喰らうのであろう…ひっ捉えろ。直々に私が拷問に掛ける…あぁソコの魔物は私の研究室に。有用に私の使役の手駒と合成してあげますよ」

「ふざけんな!!!」


カマキリ男の声にお付きの者達は変な鎖でカッパンを捕まえる。怒りで毛穴が広がる感覚。殴りかかる寸前で、カー◯ネルおじさんが自分の前に出る。


「おかしな事を仰る。高尚なジカッテ殿が知らないはずは無いのですが…神力がない方はこの者以外にもいらっしゃるではないか」

「……何?」


カー◯ルおじさんは呆れ小馬鹿にする様な表情で肩をすくめる。


「『そもそも何故我々はコア石が必要なのか』というとても有名な論文をジカッテ殿はお読みになっていないのですか?」

「文官と我々魔研は方向性が違う。日永一日文字を書き読み伏せているそちらに日陰な存在と一緒にしないで頂きたいたい。こちらは日夜新しい魔力の研究や魔物の解体、合成、実験で目が回る様な忙しさ何ですから」


鼻で笑いやがったぞ!このカマキリ!!

しかしカー◯ルおじさんは気にした様子もなく論文の内容を早口に巻くしたて、一拍置いてニヤリと笑う。


「この論文はかの大司教ジャパー・ニズ・トゥーダイ様の論文ですぞ?いくら50年前の物だとしても、稀代の魔術師でもあるお方の論文を、魔研省の者が目を通した事もないとは…些か問題では?」

「!!!」

「え…その名前って…」

「おやおや、この青年でも知っている程の著名な方の論文を、魔研省の代表とも言える貴方が読んでいないなどと…ある筈がないでしょうな?」

「…いや…確かに、大司教様の論文は…その」

「どうやらジカッテ殿はお忙しい余り、誤想してしまった様ですな。一度読み直してみる事を提案致しますぞ?では、この者達の身柄は私が一旦預かる事で宜しいかな?」


歯軋りの音がここまで聞こえて来る!

カマキリ手下の達が戸惑いながら鎖を外し、カッパンはヨロヨロと此方に崩れる様に倒れ込む。


「カッパン!!」

「だ…大丈夫っス、あの鎖が変な魔術が付与されてるみたいで、力が吸われて…」

「お引き取り願おう、ジカッテ殿」

「この…モグラ風情が!!」


この一言に、カマキリ男はドスドスと怒り露わに踵を返し去っていった。


「ありがとうございます」

「いえいえ、私は啓示に従ったまで。間に合って良かった」

「啓示?」

「はい。その鞄、九十九神様でいらっしゃいますね?私の使役魔を通して、神より啓示を頂いたのです」

「神って…ボケ神様!?」

「ボ…?いえ、私の使役はフェニックス。火の神様よりのお言葉を頂いたとの事です」

「…あーーーー!」


ありがとうスルトさん!

きっと戻った時に神様に話してくれたんだ!!

まだ会った事のない火の神に心の中で拝む。


「では、ここでの立ち話も何ですので、我が屋敷で食事でもしながら少し話しましょう」


有り難くお邪魔させてもらう。

しかしカー◯ルおじさんの使役が(フェニックス)だなんて…K◯C繋がりに違いない。

うんうん、と1人納得しながら後に続いた。



お読み頂きありがとうございます。

のんびりペースで更新していきますので、よろしくお願いします。

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