悲しきアメリア
魔族って、、、本当に嫌な奴・・・
アメリアさんの事を聴いて、この時は本当にそう思った
――― 悲しきアメリア ―――――
アメリアは瀕死の状態であった・・・
アメリア目線
頭が痛い、ずっと割れるように痛い・・・
1日に1度か2度だけ記憶もはっきりする短い時間がある。
私はイクザヤのダンジョンについて実はかなり前より知っていた。
本来は魔族の拠点として隠されていたダンジョンだから。
何故発見されたかというと、バカな奴がダンジョン内で大きめの土魔法を使ってしまい
隠している部分が崩れ落ち露わになったのだ。
基本魔族はバカが多い!
5割ほどが馬鹿で、その1割はとてつもなく馬鹿だ!
だが、1割は途轍もない賢さも持っていて怖い。
私は元々人族だ。
だが最も嫌いなのが人族でもある。
私はタデム王国の男爵家で次女として生まれた。
小さな時から魔力が人より多かったと聴いていた。
4歳になったある時、近所の子と喧嘩になった時に火魔法が自然に出たらしく
大けがを負わせたと聞く。私自身も、びっくりし泣いた。
でも今考えると、そいつは何時も私を虐めてきた。
だから、起こるべくして起こった事で、彼奴に問題があっただけだ。
そう考える事にしたが、もの凄く傷ついた自分をごまかしていた。
やった事は悪いので、毎日謝りに行ったが、石を投げられるだけだった。
その事件から遊んでくれる友達は全くいなくなった。
それどころか癖っ毛のある赤髪だった事より魔女と呼ばれ、
何もしていない人にまで石を投げられる事も何度もあった。
やがて外に出るのは嫌になり家に引き籠った。
今考えると、引き籠っていた時が最も人生で幸せだった時かもしれない。
私は本を読むのが好きだった。
家がまだ栄えていた時に買ったと思っわれる大量の本があり暗唱できるほどに読み漁った。
その私なりに、平和だった生活。これもすぐに破綻した。
6歳の時のある朝、激痛で目覚めると右腕に蛇王の紋章があった。
わたし自身は、その意味を知らないので泣きながら両親に見せた。
両親は悲鳴を上げ、近づくなと強く打たれたのが、毎日の更なる苦痛の始まりだった。
やがて打つ手は、脚に変わり、毎日蹴り転がされた。
雨の日に外に蹴りだされた自分の顔が人間とは思えないくらい歪んでいたのを覚えている。
その後の記憶は曖昧な部分が多い。
多分辛さで自分で記憶を消したのかもしれない。
次に気が付いたときは奴隷商の商品となっていた。
しかし、傷だらけの醜い私を買うもの等いない。
来た客は汚物も見るかのように嫌な顔をし速足で通り過ぎられた。
唾を吐かれるのにも慣れていった。
そんな時に私を購入してくれる人があらわれた。
バンディーゴ伯爵様だ。
彼は傷だらけで、ほぼ動く事すらできない私を購入してくださった。
伯爵家での記憶は殆どないが、直ぐに奴隷を開放された。
解放呪文を使ったのは魔族であった。
何故魔族なのか、実は伯爵様に嫌われたのかと・・・強い孤独が襲ってきた。
それから魔族による私への教育が始まった。
もの凄くキツイことは多かったが、何より人族に復讐ができると聴き、それだけで耐える事が出来た。
魔族の組織でも酷い事をされていた筈が、慣れていたのかもしれない。
殆どの魔人は、私を顔のつぶれた醜い豚と呼びからかってきた。
ただ仕事はずっとあった。
人に頼られると言うことがない私は仕事があるだけで幸せだった。
でも人を殺す命令には従えず、その度に酷い拷問を受けた。
そんなある日、私は魔の実というものを与えられた。
飲む事を強要されたのだ。
三日三晩高熱で全身を切り裂かれるような状態が続いた後、
私の肌は褐色になり、毛は紫に、魔族の姿に変わっていた。
そこからの展開は早かった、魔族は私に術をかけ、綺麗な人族に変わっていた。
生まれて初めて自分自身を綺麗と思った。
そしてギルドへの潜入と、最も重要な指令が下された。
神の使徒または勇者など、人族で英雄になりえる奴をギルドで探し出す事。
できれば騙し殺す指令だった。
この頃の私は不思議と人を殺す事への抵抗感は無くなっていた。そう思っていた。
そんな時に彼女が現れた!
彼女は魅了するかの如く長くきれいな黒髪で、今まで見たこともないような、
透き通った白い肌をしていた。
瞳も深淵のごとく綺麗で自然に悲しさと怒りがわいてきた。
彼女はシルフを使役したという。
ナイントゥの話では、それで一生遊べるほどのお金が入るらしい。
しかし、彼女はどれだけ恵まれてきたのか、それを望まないと言ったのだ。
更に彼女はギルドの重要指定のVIP待遇であることも判った。
間違いなくこいつが指令のターゲットだ。
ギルドに来てから利用するために関係を持った邪教の連中に、
邪教討伐を目論んでいる存在として伝えた。
後はどうなってもいい。
お互いに殺し合えばいいのだ。
邪教に連絡し戻ると彼女がいた。
彼女には邪教の待ち伏せに会うように街道沿いに進んでいくように促した。
これで彼女の命は絶たれるだろう。
彼女は別れ際に私に「いろいろありがとうございます」といった、、、
ナイントゥの事を助言した時も彼女は「ありがとうございます」と言った。
いけない、、街道に行ってはいけない、、
そう言いたくなったのに体は動かなかった・・・
私は、、、これまでありがとうと言われた事がなく混乱したのだ
頭の中が割れそうに痛くなって考える事を辞めた・・・
その後暫らく経って邪教が討伐されたと聴いたとき、ほっとする自分がいた。
そして暫らく経った日。
私はいつも通り真面目に仕事をこなしていた。
普段休憩は取らないがその日は少し休めと勧められた。
休憩室から戻ろうとしたときに、私の捕縛が言い渡された。
その時同じくギルドに潜入していた魔人であるソルジュから念話が来た。
『逃げるか自害しろ』と言う命令だった。
気が付くと、ソルジュはズイズイさんを殺していた。
『ギバーラを刺せ!』
その瞬間私は縛られた感覚になった・・
念話後、私は街を出るまで記憶がない。
ハイな状態になっていた事は確かだ。
行く先もなく魔族の拠点であるイクザヤのダンジョンに逃げ込んだ。
これで何日たっただろう魔族の拠点で何故か私は拷問を受けていた。
邪教との繋がりを疑われたのか?
情報を聞き出すためか?
記憶も曖昧で、自白石を使われても効果はなかったらしい。
そんな時、あの黒髪の少女の気配を感じた・・・
この魔族の拠点を納めているのはドウァロバという魔族だ。
彼等の会話が聞こえてきた。
「この場所がばれたようだ」
「まずい。あれは精霊シルフか・・・」
「今この拠点には俺とお前だけだ増援を呼ぶか?」
「アメリアはどうします?」
「奴はもう駄目だ使い物にならねえ。」
「いや待てよ奴らが追っているのはアメリアだ餌にするか」
「アメリアを処分しろ」
「侵入者に殺させますか?」
「もう自白石と拷問で精神もいかれているはずだ・・」
「アメリアはハズレだった。
折角我が魔力がある事より早くに見目をつけ人を恨むように仕向けたが無駄に終わった。
更には、蛇王の紋章を刻んだにも関わらず人を殺す命令を達成しなかった。
それから奴隷落ちさせバンディーゴに買わせ更に人間を恨むように教育した。
そこ迄しても全く人間を殺せない屑だった。
我も引き返せなくなり更に殺意を持たせるため
魔の実迄使った。
此処までしてもアメリアには無駄で終わった。
最後まで奴は人属を殺さなかった。
代わりに我がアメリアに見せかけて街人等、殺してやったのだ。
もうコイツはいい。精神攻撃でコントロールしてもイザという処で解けるし
俺達の役に立たない屑のアメリアはミンチにでもして捨てておけ。
奴は分かるだろう。
皮肉にも奴が殺すのを拒んだ人属に止めを刺されるだろう」
私は・・・理解もできていないと思う・・・
何故か、理解もしてないのに涙は止まらなかった。
お読みいただいた方、本当にありがとうございます。
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