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村長宅での出会い

その後、アスターたちと合流して全員で村長宅へと向かう。


その道中でお互いに収拾した情報を交換しあったが、共通するのはやはり村長に話を聞けというものだった。


【サラマンデル火山】の伝説に関しては皆知ってはいるみたいだが、その内容は【精霊図書館】で調べた内容とほぼ一緒で、俺たちが知りたい情報は無かった。


一応、【精霊界】の【サラマンデル火山】のことも知っている人はいたのだが、実際にそこまでいけるほどの実力者はこの村にもほとんどいないらしく、現地の事を知っている人間はいなかった。


どうもこの村に暮らす人たちとその【精霊】たちは、『戦闘』よりも『生活』の方に力を入れているらしい。だからこそ平和で平穏な村を維持でき、人間と【精霊】との共存が成り立っているようだ。


かつての【サラマンデル島】がどうだったかは分からないが、この村もこれはこれで人間と【精霊】たちが共存する楽園と言えるのかもしれない。


なんて事を考えている内に、どうたら村長宅に着いたようだ。


村長宅は確かに他の家々と比べれば大きい屋敷といった感じだが、かと言ってものすごく大きいだとか、ものすごく豪華だとかそんな感じは一切無く、立派ではあるが質素な印象を受ける。


それよりも目立つのは庭のほうだ。普通に小学校の校庭くらいありそうな広い庭が広がっており、そこでたくさんの【精霊】たちが遊んでいた。庭というよりはまるで公園みたいだな。


それにしても・・・この場所だけ違和感があるというか、雰囲気が違うな。特に特別なものがあるようには見えないが・・・いや、【精霊】はたくさんいるがそれだけじゃない。なんだこの感じ?


「アル・・・さん。庭の地面を見てみてください」


・・・今、アルクって言いそうになったなアスター。・・・なんかお手数かけてごめん。


それはともかくアスターに言われたとおり、庭の地面を見てみる。一見すると普通の地面だ。場所によって芝生になっていたり花壇になっていたり砂場になっているが・・・確かに普通とは少し違う感じがする。


こういう時は【鑑定】で確認だな。


【精霊土 ☆3】

【精霊界】の土

ある一定量を敷き詰めれば擬似的に【精霊界】と同じ効果を発生させることができる


・・・なるほど、【精霊界】から持ってきた土を敷き詰めているのか。確かにこの感じは【精霊界】にあるアスターの畑によく似ているな。だがここは【精霊界】ではなく【人間界】・・・そのせいかこの場所だけ周囲とは雰囲気が違う。まるで一つだけ色違いのピースがはまっているパズルを見ているかのような違和感がある。


「【精霊界】と同じ効果ということは・・・【契約(コントラクト)】していなくても【精霊】を実体化させるということですわね。つまり、この敷地内で遊んでいる【精霊】たちはまだ【契約(コントラクト)】を結んでいない【精霊】たち、ということなのでしょう」


あ、【精霊界】と同じ効果ってそう言うこと? 【精霊界】じゃなくてもその一部だけ持ってこればその場所でも【精霊】は実体化できる、と。もしかしたらここに来るまでに見た、村人が連れてる【精霊】たちはここで【契約(コントラクト)】を結んだのか?


「ふぉっふぉっふぉ! 中々鋭いのう、お客人がた」


と、そこでいきなり声をかけられた。見ると庭の前・・・俺たちのすぐ近くにに立っている人物がいる。・・・気配はしなかったが何時の間に?


「えっと・・・貴方がこの村の村長さんですか?」


「そうじゃよ。ワシがこの村の村長のマルコじゃ。よろしくな、お客人がた」


・・・この人が村長か。えらく年寄りっぽい話し方をしているが、()()()()()()()()()。どう見ても20代の青年くらいにしか見えず、話し方とえらくギャップがある。


しかし、それもマルコ村長のある一点を見て納得する。


耳だ。鋭く尖った耳が、村長が長命種である【エルフ】だという事を証明している。【エルフ】なら外見がいくら若くとも、実際には何百年と生きていたって不思議では無い。


それに【エルフ】は【精霊】とも相性が良いしな。現に庭で遊んでいた【精霊】たちがマルコ村長の存在に気が付くと一斉に駆け寄って来てるし。マルコ村長も優しい笑みを浮かべながら【精霊】たちの頭をなでている。随分懐かれているようだ。


ひとしきり【精霊】たちの相手をしたマルコ村長は改めて俺たちを見定めるようにじっくりと眺めてきた。


「ふむ、【リリットエルフ】に【ファームエルフ】、それに・・・? お嬢ちゃんの種族はわからんが、何やら特別な種族なのかのう?」


おお、マルコ村長、俺とアスターの種族を知っているのか。中々博識そうだが・・・アニスの種族は分からないみたいだ。アニスは【封印の精霊】のはずだが・・・規格外すぎてマルコ村長にも分からないのか?


「フフフ、女性の秘密を知りたがるのは野暮ですわよ?」


・・・アニスの奴、誤魔化したな。しかし、女性にそう言われてしまえば紳士としては口出しはできないだろう。


「ふむ、まあええわい。お主らも【サラマンデル火山】の話を聞きに来たんじゃろ? 屋敷に入るが良い・・・ああ、あまり広くは無いから、お主らが連れている【眷族】たちは庭で遊ばせておくが良いぞ」


どうやらマルコ村長は紳士のようだ。おまけに余所者を招き入れる心の広い持ち主。


「だう!」「あい!」


そんなマルコ村長の言葉を聞くやいなやアウルとミコトが庭へと駆け出していった。随分興奮しているな・・・遊び相手の【精霊】がたくさんいるからか?


「アーテル、カイザー・・・二人を頼むぞ」


「クルッ!」「了解デス」


二人の事をアーテルとカイザーに任せて俺たちはマルコ村長に招かれるまま村長宅へと入っていった。


・・・


・・



「ほほう・・・【精霊界】の【サラマンデル火山】に行ってきたのか。中々の実力者のようじゃな」


「そうかな? 結局は【溶岩の上級邪霊】からは逃げ帰ってきちゃったわけだし・・・」


村長宅にて用意されたイスに座りながら話を聞く・・・前にまず俺たちの方から現状を話した。あれだけ【精霊】たちに懐かれているマルコ村長なら信用できるだろうし、この村一番の【精霊士(エレメンター)】なら実力も相当な物だろう。なにかヒントをもらえるかもしれないし。


「それでも大したものじゃよ。あの【溶岩の上級邪霊】は多くの冒険者たちを返り討ちにしておるからのう」


そりゃあ、倒し方が分からないんじゃあそうなってしまうだろうな。だからこそ俺たちも情報収集しているわけだし。もっとも、俺たちが聞きたいのは【溶岩の上級邪霊】の倒し方ではなく・・・


「それで、マルコ村長は【火の大精霊】の居場所をご存知なのでしょうか?」


そう、一番知りたいのはそれだ。【溶岩の上級邪霊】は【火の大精霊】を見つける過程で倒す必要があるのなら、という程度でしかない。手段にかまけて目的を忘れては本末転倒なのだ。


「ふむ・・・良いじゃろう。お主らなら実力も十分じゃろうし話をしてやろう。ワシが()()()()全てを、な」


見てきたってことはやはりマルク村長は【火の大精霊】のいる場所を知っているのか?・・・いや、待てよ。マルク村長が【エルフ】ならもしかして・・・


「もしや、マルコさんは【サラマンデル火山】の伝説を直接その目でご確認になったのではありませんか?」


【サラマンデル火山】の伝説がどれくらい前なのかは分からないが、長命種の【エルフ】ならそれも十分にありうる。


「・・・うむ、そういうことになるかのう」


おお、つまりマルク村長は【サラマンデル火山】の伝説の生き証人という事か。これはかなり期待が持てるな。








===視点切替===>アウルとミコト


一方その頃のアウルとミコトはというと・・・


「だう!!」(こんなにいっぱいの【精霊】と遊べて楽しいね!!)


「あい!!・・・あい?」(本当だね!!・・・あれ?)


「だう?」(どうしたの?)


「あいー・・・」(ほら、あそこ・・・)


ミコトが指差す先にいたのは・・・一人の【精霊】の女の子だった。


他の【精霊】たちに混ざることなく一人でぼーっと空を見ている。


「だう?」(なにしてるんだろう?)


「あい!」(声をかけてみようよ!)


「だう!」(そうだね!)

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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m(_ _)m

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