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再び調べもの

===ログイン===>【精霊界】エリア0【精霊図書館】


舌をペロリと突き出す。


「・・・なにをしているんですか?」


アスターが『アンタなにしてんの?』と言わんばかりの胡散臭さげな表情で俺を見る。


「ん? 挨拶だぞ? チベット風の」


世界には不思議な挨拶の仕方があって舌を見せたり、鼻を突き合わせたり、匂いをクンクン嗅ぎあったり、なんてものもある。世界って広くて不思議だよね。


「・・・なんでチベット風なんですか・・・」


特に理由は無い。


強いて言うなら、昨日とーーーーっても不思議な出来事があったから、それを引きずってちょっと不思議な挨拶をしてしまっただけだ。


なんせアスターの【火の大精霊】探しについていったら、なぜかアニスと遭遇し、連絡先まで交換してしまった挙句、一緒に【火の大精霊】探しをすることになってしまったんだからな。


・・・なんでこうなった? アニスって一応敵だよな・・・いや、俺がそうなるように仕組んだんだけどな?


結局のところ、俺はアニスたちの目的は何もわかっていない。アテナやアルマとの関係も・・・はっきりしないままだ。


アニスは自身の記憶を封印しているから情報を引き出すのは無理だろうが、何か手掛かりくらいはつかめるかもしれない。それにアニスがなぜ【火の大精霊】を探しているのかも気になるしな。


というわけで俺は昨日と同じメンバー・・・つまりアーテル、アウル、カイザーにアスターとミコトと一緒に、アニスとの待ち合わせ場所になっている【精霊図書館】までやってきていた。


【アークガルド】の他のメンバーにはアニスのことは内緒、ということにしてある。まあ、話したところで俺以外はアニスたちに関する記憶を封印されているから、突っ込まれるとしたらアニスの容姿に関することくらいになるだろうが。


そんなわけで、アニスからは既に【精霊図書館】にいるとのメールが来ていたので俺たちもやってきた次第である。


・・・余談だがアテナとアルマからもメールが来ていた。


内容は似たような感じで、要約すると『なんか私たちに隠し事してない?』である。・・・これが女のカンという奴なのだろうか。そういうのはマンガかアニメかゲームの中だけにしてほしい。あ、ここゲームの中だった。


「あ、アルさん! お疲れ様ですわ!!」


【精霊図書館】に入ってすぐにアニスは見つかった。というか向こうから声をかけてきた。・・・一応警戒していたが、アギラやカオスなど他の連中はいないようだ。


「あ! アニスお姉ちゃん! こんにちは!!」


俺は【リリットエルフ】の見た目通り子供のように元気に挨拶をした。


「・・・」


なんかアスターが変な顔をしているが無視する。おっと、昨日は俺しかアニスと話をしていないからアスターたちを紹介しないとな。


「アニスお姉ちゃん、紹介するね? この人がアスターお兄ちゃんで・・・」


「・・・ブフッ(笑)」


・・・なんかアスターが吹き出したような気がするが、無視してアスターたちを紹介する。


なお、カイザーはともかくアーテルやアウルは『アルク』の眷属なので『アル』である今の俺と一緒にいるのはおかしいのだが、そこは『アルクお兄ちゃんと同じ眷属を頑張って探した!』でゴリ押しした。


「へぇー、そうなんですか。よろしくお願い致しますわ」


そう言ってアーテルたちの頭をなでるアニス。コイツちょろいなという思いと、アーテルたちもアニスに記憶を封印されていることを考えると正直、もやもやしてしまうな。アーテルたちは特に何も感じないのか、むしろ嬉しそうな顔をしている。・・・アテナやアルマと同じ容姿だからか?


「よ、よろしくお願いします、アニスさん・・・プフッ」


・・・どうやらアスターとは後でゆっくりとお話ししないといけないようだ。


「?・・・はい。それでアルさん、早速ですが・・・」


話を聞くと、アニスは早めに来ていて時間があったので【精霊図書館】で【サラマンデル火山】や【火の大精霊】について調べていたそうだ。


しかし、俺たちが昨日見た『冒険者エルクスの冒険録 vol.77』以外に見つかった物はなかったそうだ。


「・・・そうなると【精霊図書館】にはこれ以上、手掛かりはないんでしょうか? 困りましたねぇ・・・」


アスターはどうしたものかと頭を抱えている。が、諦めるのはまだ早い。


「うーん、多分、【サラマンデル火山】や【火の大精霊】っていうキーワード以外で探してみるのが良いんじゃないかな? 三つ子火山とか、【溶岩の上級邪霊】の倒し方、とかね」


「・・・あ、なるほど」


「確かにそうですわね」


『冒険者エルクスの冒険録 vol.77』を信じるのなら、【サラマンデル火山】に【火の大精霊】がいる可能性が高い。が、それはあくまで冒険者エルクスの予想であって確定した情報ではない。しかし、それでもヒントであることにはかわりないはずだ。


そして昨日、実際に【サラマンデル火山】に行ってみてわかったが何かがあるのは間違いないだろう。そうでなければあんなタイミングで【溶岩の上級邪霊】なんて出てくるはずがない。


問題なのはその【溶岩の上級邪霊】が邪魔で【サラマンデル火山】の探索が十分にできないということだ。正確には【溶岩の上級邪霊】が邪魔してくるのは三つの火山の噴火口と中心部分の溶岩の海の辺りだけ。その周辺に関しては【火鳥の中級邪霊】が邪魔してくる。


【火鳥の中級邪霊】を倒すことは可能だったが・・・【溶岩の上級邪霊】に関しては倒し方がわからない。【武術】【魔法】【兵器】を使っても倒すことができなかった以上、何か他に方法はあるはずだ。


というわけで俺たちは手分けをして手掛かりを探しまわる。なお、アーテルたちは安定の絵本を読んでいる。タイトルは・・・『花の精霊とサクじいさん』? サクじいさんってなに? ・・・すごい気になるが、まずは調査だ。


・・・


・・



「・・・これか?」


俺が見つけたのは【人間界】のコーナーにあった一冊の本。


タイトルは『海底に沈んだ三つ子山』。


タイトルは三つ子山と書かれているが、内容を軽く読むと三つ子山というのは火山のことのようだ。


冒険者エルクスの本にもあった、【人間界】にあった方の【サラマンデル火山】というのはきっとこれのことだろう。海に沈んでしまったっていう点も一致する。


・・・これって何気に『冒険者エルクスの冒険録 vol.77』と【精霊界】の【サラマンデル火山】の両方を確認しないと、この本と【火の大精霊】とは繋がらないよな。


罠というか引っ掛けというか・・・まあ、これはこれでゲームらしい展開と言えばそうなのかもな。


とはいえ、本当に関係があるかはわからない。


俺はさっそく中を詳しく読むことにした。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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