海蛇の脅威、出口の探索
===時間経過===>残り時間 73分
「行くぞ二人とも」
「クルッ!」
「だうっ!」
アークカイザーに乗り込む俺とアーテル、アウル。
「ブラン、ノワール、ラグマリア。下がってアヴァンたちと一緒に行ってくれ」
そして超巨大ウミヘビの攻撃を仕掛けていたブランたちにはアヴァンたちと合流するよう指示を出す。戦力減はかなり痛いが、アヴァンたちにはブランたちの力が必要不可欠だ。
「・・・キュイー」
「・・・キュアー」
「了解デス・・・オ二方、引キマショウ」
ブランとノワールは若干、不満気味だったがラグマリアに促されて引いてくれた。
・・・ブランもノワールも意外と好戦的だったりするんだよなぁ。やっぱりドラゴンなだけあってプライドが高かったりするのかね? 元々、主であるアーニャに代わって戦闘全般を引き受けているわけだし。
とはいえ、ブランもノワールも猪突猛進な戦闘狂というわけではない。これまたドラゴンなだけに知能が高いのか、こっちの言いたいこともちゃんと理解してくれている。今回だって戦況と状況を理解しているから従ってくれるだけで、本来なら主でもない俺やラグマリアの言う事を聞く義理なんて二人にはないのだ。
もっとも、ブランたちの最優先はアーニャなのでそっちの方に行ったっていうのもあるだろうが。それはアヴァンが最優先なラグマリアも同様だろう・・・多分。
さて、と・・・ブランたちが退避した所で、真っ向勝負と行こうか。
それにしても・・・アークカイザーと比較してもデカイな、このウミヘビ。20mサイズのアークカイザーですらも丸呑みされそうだ。
レベル的にはレイドボスである【ヤマタノオロチ】の一番レベルが低いバージョンと同じだが、単純な大きさではこっちの方が上だろう。
『ゴ命令ヲ、マスター』
「まずは奴の意識をアヴァンたちから逸らす。【グランディスガトリングガン】!!」
アークカイザーの左腕に【グランディスガトリングガン】を装着し、斉射。
ドドドドドッ!!
・・・むぅ、弾丸がウミヘビの鱗に弾かれてる。【半魚人】の時もそうだったがやはり防御力が高いな。
俺は【グランディスガトリングガン】で牽制しつつ、アークカイザーの右腕に【グランディスバンカー】を装着しながらウミヘビ野郎に接近。
「キシャー!!」
ウミヘビ野郎が消化液を吐きかけてくるが・・・遅い。ぶっちゃけ液体を吐きかけてくるだけだから攻撃スピード自体はたいしたことは無い。ただし、【ブレイブシールド】が溶けたことから考えても防御するのは絶望的だ。万が一にもで食らったら大変なことになりだろうし、アヴァンたちの方向にも行かないように注意しないとな。
そんな感じで消化液を避けつつ、アークカイザーはウミヘビの顔の真下に入り込んだ。
「食らえ!!」
『【グランディスバンカー】!!』
アッパーの要領でウミヘビ野郎の下あごに向かってバンカーを放つ。
ガキンッ!!
・・・!? 貫けない! 鱗が無い柔らかそうな部分を狙ったのにこれか・・・
「キシャー!!」
「うおっ!? 避けろカイザー!!」
『了解デス』
あ、あぶねぇ・・・ウミヘビ野郎、マジでアークカイザーを丸呑みにしようとしやがった。あの巨大なウミヘビがデッカイ口を開けて迫ってくるのは中々の恐怖だ。
近距離戦は避けた方がよさそうだな。
「ならば【グランディスマグナム】バスターモード×2! ダブルシュート!!」
【グランディスガトリングガン】と【グランディスバンカー】を仕舞い、今度は【グランディスマグナム】によるエナジー砲を発射。物理攻撃の効き目が薄いのなら、エナジー系の攻撃ならどうだ?
ウミヘビはエナジー砲の直撃を食らうと・・・
「シャー!?」
む? 苦しんでる? 少しは効いたようだな。エナジー系の攻撃は【魔法】攻撃と同じ扱い・・・つまり、あのウミヘビは物理防御力より魔法防御力の方が低いというわけか。
こっちはなんとかなりそうだ。
出口探しは任せたぞ、アヴァン、アーニャ。
===視点切替===>アヴァン
アルクに出口探索を押し付けられてしまったのだ。
アルクの懸念は理解できるし、現状ではこの役割分担が最善策だとは思うのだ。しかし、アルクたちにボスモンスターを押し付ける形になってしまうのは正直、納得出来ないのだ。
「アヴァンくん、アルクさんたちなら大丈夫なのです!今はアルクさんの言うとおりに出口を探すのです!!」
「アルク様ノオッシャル通リ、時間ハアルヨウデ無イト考エルベキデス。今ハ急イデ出口ヲ探スベキデス」
一緒に【グランディスチェイサー】に乗っているアーニャと、戻って来たラグマリアにまで言われてしまったら従わざるを得ないのだ。
確かに今こうしている間にも制限時間は刻一刻と過ぎていっているのだ。迷っているだけ時間が勿体無いのだ。
「・・・わかったのだ。こうなったらさっさと出口を見つけてアルクの助けに入るのだ!!」
出口さえ見つけられればクエストクリアは目前なのだ。そうなればあんな怪物の相手をする必要も無くなるのだ!
「でもアヴァンくん、どうやって出口を探すのです? 壁にある穴、全部くまなく探すのです?」
・・・たしかにアーニャの言うとおり、壁の穴はざっと見た所、20箇所近くあるのだ。さすがにこれら全てをくまなく探すには時間が足りないのだ。
「いや、大部分は【ビートル君】と【ガタック君】に潜行してもらうのだ」
このような時こそ、戦闘能力は低いが数を用意できる小型偵察メカの出番なのだ。最低限の数だけ手元に残し、他は全て穴の探索に向かってもらうのだ。
偵察メカが見た映像は我の【メニュー】のモニターに送られてくるのでチェックもバッチリなのだ。・・・数が数なので大変なのだが、こんな時こそ我が種族【ジーニア】の種族スキル、【思考加速】と【並列思考】の出番なのだ。
「マスター、オ手伝イシマス」
「いや、ラグマリア。お前には別にやってもらいたいことがあるのだ。ブランたちにもなのだ」
手伝いを申し出てくれたラグマリアには悪いのだが、他にも確かめたい事があるのだ。
「我々が出口と睨んでいる【世界魚バハムート】のエラ・・・我々はエラ呼吸によって体内の二酸化炭素と海水を外へ排出していると予測し、そこから脱出できると考えているのだ」
これはあくまで予想ではあるのだが、脱出のヒントが無い以上、これが一番確実だと考えられるのだ。
「つまり、この巨大魚のエラ部分には体内の空気と海水が集まっているはずなのだ。ここに来るまでの食道には分かれ道が無かった以上、この胃のどこかにエラへと向かう道があると思うのだ」
この巨大魚の体の構造や生態はまるでわからないのだ。しかし、わからないなり推理して行くしかないのだ。
「ラグマリアにはセンサーを使って空気の流れを計測して欲しいのだ。一際空気の流れが強いところがあればエラに繋がっている可能性が高いのだ。同じくブランたちには海水の匂いを追って欲しいのだ。いたる所に海水があって難しいかもしれないのだが、一際においの強い場所があったのなら、そこもエラに繋がっている可能性が高いのだ」
さすがに【ビートル君】や【ガタック君】にも空気の流れや匂いを察知するセンサーは備わっていないのだ。こればかりは【ヴァルマキナ】であるラグマリアと、身体能力の高いドラゴン種であるブランたちに任せるしかないのだ。
「ナルホド、了解デス」
「キュイ!」
「キュア!」
「キュウ!」
「おお! すごいのです! アヴァンくん!!」
待っているのだアルク! 必ず出口を見つけてくるのだ!!
(*・ω・)*_ _)ペコリ
作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に
是非、評価とブックマークをポチっとお願いします。
m(_ _)m




