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海中兵器

アヴァンが製作した【グランディストルピード】は素晴らしい威力だった。大量にいた魚型モンスターの群れを全滅させたほどだ。威力()()を見れば【上級魔法】にも匹敵するんじゃないだろうか?


・・・ただし、相応の問題も生じている。


「クルーー!?」


「だうーー!?」


「キュイーー!?」


「キュアーー!?」


「あーれーなのですーー!?」


「キュウーー!?」


・・・爆発の衝撃波によって発生した海流に流されていく者が多数出てしまった。海中であるが故にその場で踏ん張る事もできず、かといって泳いでしのげるような勢いでもないのである意味当然の結果ではあるのだが。


この場に踏みとどまっていられたのは【スクリューガジェット】を装備した俺とカイザー、ラグマリアと【グランディスマリンチェイサー】に乗ったアヴァンだけである。・・・スクリューって偉大なんだな。


「・・・うむ、火薬の量が多すぎたようなのだ」


冷静に現状を分析するアヴァン。そうだね、俺もちょっと予想外の威力だったよ。しかしだな・・・


「言ってる場合か! 俺はアーテルとアウルを追っかけるから、ラグマリアとカイザーはアーニャたちを頼む!!」


「「了解デス!」」


・・・


・・



「すまん、皆」


「申し訳ないのだ」


全員の救出が終わった後で【グランディストルピード】をぶっ放した俺と製作したアヴァンとで皆に謝罪する。決してわざとではなかったのだが・・・原因は間違いなく俺たちなので。


「いえいえ、ちょっとびっくりしちゃっただけで問題ないのです!!」


「キュイ!!」


そう言ってくれるのはありがたいが・・・俺たちの方でもう少し周りに配慮するべきだったな。海中で爆発なんて起こればどうなるかわかりきってることなのに・・・せめて注意喚起しておくべきだった。


「【グランディストルピード】はもう少し改良が必要なのだ・・・今のままでは威力はともかく使い勝手が悪すぎるのだ」


確かに使う度に爆発で流されていたらな。一応、俺も含め踏みとどまれていた面々もいたが・・・踏みとどまるのが精一杯で身動き取れなかったし。おかげで爆発が起こった()()()()アーテルたちを助ける事が出来なかった。


まあ、切り札としては十分すぎる威力だったと思う。攻撃方法が制限される海中においては貴重な手札だ。問題は魚雷であるが故に使い捨てである事だな。さすがにそう何発も連射はできない。


それに問題がもう一つ。


「マスター、全周囲カラ敵反応ガ多数接近シテキマス」


「ドウヤラ、先ホドノ爆発音ニ引キ寄セラレテキタヨウデス」


カイザーとラグマリアの報告を受けて周囲を確認すると、確かに大小様々な魚型モンスターが集まってきていた。どうやら先ほどの爆発による爆音を聞いて集まってきたらしい。さすがに【アトラクト素材】ほどではないようだが・・・これはこれで大事な情報だな。


ざっと見た所・・・30cm~2mくらいの魚型モンスターがわんさかと、ほぼ360度全方向に集結しつつある。これだけの魚が集まるとなると普通にダイビングしていたら感動ものの光景なんだけどなぁ。【看破】で確認。


【アサルトフィッシュ・クラッシュ Lv.40】

硬い体で体当たりを仕掛けてくる魚型モンスター


【アサルトフィッシュ・バルカン Lv.42】

硬い鱗を弾丸のように飛ばしてくる魚型モンスター


【アサルトフィッシュ・スライサー Lv.41】

鋭い鱗で切り裂こうとしてくる魚型モンスター


【アサルトフィッシュ・ウォーター Lv.42】

【水魔法】を使用してくる魚型モンスター


・・・やっぱ凶悪な魚たちだな。こんなのに囲まれても喜べねぇよ。


「皆、各個撃破だ。敵はLv.40ちょっとだしやられはしないだろうが、ここはいつもと違って海中だ。・・・十分注意しろ」


「わかったのだ!」


「了解なのです!!」


俺の言葉で全員が、お互いにフォローできる範囲で散っていく。敵への対処もそうだが、先ほどのように海流に流されてはぐれる可能性もあるからな。あんまり離れすぎるのは良くない。


・・・さて、俺もせっかくだから新装備を試すとしましょうかね。


「【グランディスハープーン】セット」


俺が腕に装備したのは見た目は【グランディスバンカー】そっくりだが、尖端が銛になっている【グランディスハープーン】だ。


こいつを目の前のモンスターに狙いを定めて・・・


「シュート!!」


俺の言葉と同時に【グランディスハープーン】から銛が発射される。その銛は見事にモンスターの体を貫いた。さらに銛と【グランディスハープーン】本体とは鋼糸で繋がっており、敵を貫いた銛は高速で巻き戻され、【グランディスハープーン】へと再装填される。


これこそアヴァンが新開発した海中用の【兵器】、【グランディスハープーン】だ。いわゆる杭打ち機ならぬ銛撃ち機だな。狙いを外しさえしなければかなり使い易い【兵器】だ。海中用【兵器】といったらやっぱり銛だよね。・・・俺も「()ったど~!」って叫んだ方が良いだろうか? ・・・物騒すぎるな。


ただ【グランディスハープーン】は大量のモンスター相手には向いていない。なのでさらに新【兵器】を投入である。


「【グランディスマリンザッパー】射出!!」


続いて取り出したるは・・・いわゆる()()()()だ。長さ1mほどの4枚のブレードが十字に繋がったプロペラ・・・当然、ブレードは刃物のように鋭く巨大な手裏剣のようにも見える。手裏剣との大きな違いは、中心部分の機械によって高速回転しながら自由自在に飛び回る、というところだろうか。


それを全部で6機、射出する。


「行け! ザッパー!!」


6機の【グランディスマリンザッパー】がモンスターたちを次々と切り裂いていく。そして俺自身も【グランディスハープーン】を使い、モンスターたちを打ちぬいていく。


「む!? ザッパー!!」


敵モンスターが自身の鱗を弾丸のように飛ばしてきた。【看破】で見たやつだな。事前にわかっていただけあって対処も簡単だった。


俺は【グランディスマリンザッパー】を前面に持ってきて、盾のようにして攻撃を防いだ。攻撃だけじゃなく防御にも使えるんだよね、これ。


さらにこの【グランディスマリンザッパー】、実は俺が()()()()していたりする。まあ、操作って言っても頭の中であっちに行け、こっちに行けって考えているだけなのだが。


これも【マキナ】種族の力の一つだ。【兵器】との相性が抜群に良いため、普段なら自動操作にする所だが、こうやって遠隔操作して自由自在に動かすことができる。・・・ちょっと考えることが多くて大変だけど。


こんな感じで俺は次々とモンスターたちを駆逐していった。


・・・


・・



「・・・うむ、【グランディストルピード】は微妙だったのだが、他の【兵器】は概ね良好なのだ」


俺とラグマリア、カイザーが戦闘で使用した【兵器】たちを見て、製作者のアヴァンは満足そうに頷いていた。実際、その有用性はかなりの物だったからな。


アーニャも大量の魚食材が手に入って嬉しそうだ。・・・なんかアーニャだけ目的が違うが気にしてはいけない。


「それで、アルクさん、この後はどうするのです?」


「ん? もう少し海の中を探索するつもりだ。沖合いにデカイクジラみたいなモンスターもいたからな。そいつら相手にどこまで戦えるのかも確かめたい」


陸上と同様に海中も様々なモンスターがいる。そいつら相手にもこれらの【兵器】が通用するかどうかを確認しておきたい。


「うむ、戦闘データはあるだけあるに越した事は無いのだ」


こうして俺たちは海中の探索を続ける事になった。


・・・


・・



「・・・・・・・・・・ラ~♪」


「ん?」


「アルクさん、どうしたのです?」


「いや、何か聞こえたような・・・気のせいか」


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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