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マキナの性能

===移動===>【幻獣界】エリア4


はい、というわけでやって参りました【幻獣界】。


【兵器】のテストと聞いて【機甲界】に行くと思った? 残念ながら【機甲界】では出来ないテストなんだなぁ、これが。


代わりといってはなんだが俺たちがやって来たのが【幻獣界】のエリア4、その島の端っこにある海岸である。


目の前は当然、海である・・・ただし、沖合いにはサメらしきヒレの群れが見えたり、そのヒレの群れを丸ごと飲み込んだクジラらしき巨大モンスターが飛び跳ねていたりする危険な海である。


「新しい【兵器】って海の中で使う物なのです?」


「うむ。前々からアルクに相談されていたのだ」


と、そこで聞こえてくる目の前のバイオレンスな海を物ともしていない頼もしい二人の声。


本日のメンバーは、いつもの俺、アーテル、アウル、カイザーに加えて、同じく新【兵器】のテストにやって来たアヴァンとラグマリア、そして海の幸を取りに来たアーニャ、ブラン、ノワール、テールでござい。


・・・アヴァンはともかくアーニャはそれで良いのかと言いたくなるが、美味しい海の幸が食べられるとあっては文句は言えない。・・・餌付けされてるって? ほっといてくれ。


話を戻して・・・アヴァンにお願いしていたのは海中用の【兵器】だ。・・・正確には海中()想定した【兵器】だが。


「でも何で海中用なのです?」


アーニャの疑問ももっともだが、ちゃんと理由はある。


「アーニャも何度か海中での戦闘を見ていたからわかるだろ? 海中での戦闘は水の抵抗のせいでやりにくいんだよ。【武術】系は武器や身体能力を上手く生かせないし、【魔法】系も使用できるものが大分制限されてしまう。・・・海の中っていうのは、それなりに苛酷な環境なんだよ。そのための対策だな」


「海中にもモンスターがいてプレイヤーが介入できる以上、海中も攻略フィールドには変わりないのだ。となると、当然我々の求めるものが海の中にあっても不思議ではないのだ」


現に【ミスリル】だって【人間界】の【海底神殿】にあったわけだしな。【オリハルコン】を始めとした上級素材だって同様の可能性もあるし、海中も見逃せない場所なのだ。


となると問題となるのは当然、海中のモンスターへの対策だ。


「【兵器】は他に比べて汎用性が高く、また、物にもよるが誰にでも使えるという利点もある。ここで海中向けの強力な【兵器】を用意できれば、俺だけじゃなく他のメンバーの行動の助けにもなる」


皆、それぞれの戦闘スタイルがあることは重々承知の上だが、その戦闘スタイルが通用しない場合への備えは必要だ。


また、様々な状況に対して準備を整えておくことも冒険の必須条件と言っていいだろう。特に過酷な環境に対しては言わずもがなである。


ちなみに海中以外の過酷な環境として猛吹雪地帯、溶岩地帯、砂漠地帯、山脈地帯などがあり、実際にプレイヤーたちが苦しめられているそうだ。他にも、今後は宇宙空間なども追加されるだろうと想定しており、対策は必須だと考えられているのだ。


「【機甲界】はほとんど砂漠という不毛地帯ばかりで見過ごさがちなのだが、【機械兵】はそんな苛酷な環境でも活動している【兵器】たちなのだ。つまり、【兵器】は環境の変化にも強く、他の世界の環境にも対応できるはずなのだ」


それは【兵器】だけじゃなく、ロボットやアンドロイド・・・つまり【マキナ】にも言えることだ。環境の影響を受けやすい【人間】とは違い、【マキナ】は環境の変化にも強い。海中でも十分な活動ができる・・・はず。


俺が【マキナ】を選択したのもそういう理由もあったりするのだ。・・・決してポーズを取りたかったとか、なんかかっこ良さそうだったから、とかではない。


「とまあ長々と話したが、その環境対応【兵器】の第一弾が海中用の【兵器】というわけだ。それをこれからテストしていく・・・実戦でな。行くぞ皆」


「わかったのだ」


「了解なのです!」


説明も終えて、では早速と言わんばかりに、アヴァンとアーニャに連れられて他の皆も【潜水】スキルを使って次々と海の中へ潜っていく。


後、残っているのは俺とラグマリア、そしてカイザーの体機械組だ。


「・・・よし、行くぞ」


「「了解デス」」


俺たちは【潜水】スキルを使()()()、海の中へと潜っていった。


===移動===>【幻獣界】エリア4近海


【潜水】スキルを使っていないにも関わらず、特に苦しげもなく海の中へと沈んでいく俺。


これも【マキナ】種族の特徴の一つ。機械の体ゆえに息継ぎが必要ないのだ。だから海の中でもスキルを使わず活動することができる。


・・・うん、水圧は特に問題ないな。だが、体を動かすとまとわりつくような感覚があるな。水の抵抗自体は機械の体だろうが受けるはずだから、当然だが。


よし、ならまずは・・・


「【スクリューガジェット】を足部分に装着」


【スクリューガジェット】は文字通り、スクリューをくっ付ける【兵器】だ。【マキナ】を始めとした機械系の種族、その両手足に装着することができる。


なお、()()ではなく()()である。俺の足部分と【スクリューガジェット】にはコネクターが付いていて、お互いにカシャっと接続されるようになっている。こうすることで・・・


「おお! 速い速い!!」


スクリューを自在にコントロールすることができる。回転スピードや方向、緩急も俺の意思一つで自由自在だ。


おかげで普通に泳ぐより格段に早く海中を自由に移動することができる。


「クルーッ!」


「だうーっ!」


ハハハ! アーテルとアウルが慌てたように追いかけてくる。さすがの二人も海中じゃあ動きが鈍るようだ。海中では今の俺のほうが機動力は上かな?


とりあえず【スクリューガジェット】の性能はわかったので俺はその場で急停止し、二人が追いついてくるのを待つ。


見ると、俺と同様にラグマリアとカイザーも【スクリューガジェット】を装備して、そこら辺を自由に泳ぎまわっていた。


「うむ、問題ないようなのだ」


その様子を同じく追いついてきたアヴァンが満足そうに見ていた。・・・いや、アヴァンよ。俺はあっちより、君が今乗ってる乗り物のほうが気になるんだが?


「アヴァン、それは【グランディスチェイサー】か?」


デザインは空飛ぶバイクである【グランディスチェイサー】にそっくりだが・・・水上オートバイならぬ水中オートバイか?


「これは水中用の【グランディスマリンチェイサー】なのだ。後部にスクリューが付いているのだ」


お、本当だ。やけに早く追いついてきたと思ったらそれのおかげだったのか。中々の機動力だな。


「【スクリューガジェット】だけじゃなく【グランディスマリンチェイサー】とやらも中々使えるみたいだな」


俺が感心していると、アヴァンは首を横に振った。


「移動には使えると思うのだ。だが、武装がまだないのだ。戦闘には使えないのだ」


・・・なるほどな。まあ、それでも十分に使えると思うが・・・一体どんな武装を付けるつもりなのか気になるな。


あれ? そういえばアーニャは?


「アルクさーん!」


「キュイー!!」


「キュアー!!」


今度は成体化したブランとノワールが近づいてきた。さすがドラゴンなだけあって海の中でも問題なさそうだな・・・あれ? テールは?


「・・・キュウ・・・」


あ、いた。【幼体】のままアーニャと一緒にブランの背中に乗ってる。


そういえば、テールは【地竜】・・・その容姿はまんまトリケラトプス、つまり陸上四足歩行生物だったな。海中での行動はきついのは当たり前か。普通に【潜水】で潜れているけど。


「元気を出すのですテールちゃん! 陸上ではテールちゃんにいつも助けられているのです!!」


「キュウ・・・」


アーニャが励ますもテールは元気なさげだ。・・・連れて来て悪かったかな? 連れて来たのはアーニャだけど。とはいえ、ホームに一人だけ留守番させるのもかわいそうだし、テストの間は我慢して欲しい。


「クルッ! クルッー!!」


「ん?」


何か騒いでいるアーテルの視線の先には魚の・・・いや、モンスターの群れが。


さっそく来やがったか。


なら、こっちもさっそくお見舞いしてやろう。


俺が取り出したのは・・・バズーカだ。


「【グランディストルピード】・・・発射!!」


バズーカから発射されたのはトルピード・・・つまり、魚雷である。


その魚雷は真っ直ぐにモンスターの群れに向かっていき・・・


ドッゴーンッ!!


大爆発を起こす。


・・・うん、威力は申し分ないな。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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