話題に事欠かない
===ログイン===>【アークガルド】クランホーム
おは「うおっ!?」
いつもの挨拶を中断するほど驚かされた。
いつも通りクランホームにログインしてくると、なぜか目の前にラングとガットの姿が。何故?
「・・・よう。二人とも。忙しいんじゃなかったのか?」
てっきりしばらくは顔を合わせるのも難しいと思っていたが。
「メールを寄こしてきたのは君だろう?」
「うむ、ワシにとっても無視できない情報じゃったからのう」
んん?・・・そうか、二人は俺が送った情報を見てやってきたわけか。つまり、忙しい二人がすっ飛んでくるほど重要な情報だった、ということだが・・・
「それはわかったが、お前たち・・・俺がログインしてくるまで待っていたのだろうか?」
忙しいんだろう? アポを取るなりなんなりすれば良かったんじゃないか?
・・・と思っていると・・・
「「・・・」」
二人が目をそらした。・・・さてはコイツら、情報収集にかこつけてさぼりにきたな?
・・・まあ、義務でも仕事ってわけでもないんだし、さぼろうが何しようが二人の勝手なんだが・・・後でロゼさんとヴィオレにチクっておこう。
その前に俺も話があったし、もう少し詳細を話そうか。
というわけで俺たちはクランホームの会議室まで移動することにした。なお、俺以外のクランメンバーはこの場にはいない。まだログインしていないのか、すでに活動中なのかは不明だ。
・・・
・・
・
「ぬう・・・【真なる武具】か」
ガットが興味を示したのは無論、【真なる武具】についてだ。【魂】の宿った武器と【器】、そして【力】を組み合わせることで【真なる武具】が完成する。【鍛冶師】としては見過ごせない情報だろう。
「【魂】の宿った武器がモンスターのドロップ品、もしくは長時間使い続けることで出来上がる。【器】は不朽の武器シリーズ・・・【試練の塔】で入手するしかないな。【力】っていうのは【オリハルコン】を始めとした上級金属のことらしい。これだけは入手経路が不明だな」
いずれにせよ、どれもこれも一筋縄では入手できないことにはかわりない。
「ふむ、確かに材料集めからして有力プレイヤーにしかできんようじゃのう。まあ、より強力な武器を作ろうと思えば当然じゃが・・・ワシの出番は全て揃ってからじゃの」
ガット的にはすぐにでも試したいんだろうなぁ・・・材料は揃っていないんだからしょうがない。他はともかく上級金属の情報は影も形もないし、その辺りの情報収集は【インフォガルド】頼みかな。
そのあとはガット頼みだ。不朽の武器の加工自体も相当な技量が必要らしいし、【真なる武具】を作るには相当な技量が必要だろう。俺が知る限り、そんな高レベルな【鍛冶師】はガットしかいない。
「とりあえずガットにはこれを渡しておこう」
そう言って俺は【試練の塔】で入手した【不朽の大槌】と、さらに【ミスリルタイト】もガットに渡した。
【閃槍アーディボルグ】のように新たな武器に加工してもらう。【魂】を宿らせるためにも早めに武器として加工してもらい、使い続けるようにしないとな。
なお、不朽の武器は他にもある。今はまだ渡さない。本来なら俺たちの武器と合成してもらうつもりだったが、それには時間がかかるだろうし、その間、武器が使えなくなるのは困る。【豪剣アディオン】を始めとした武器の強化は【真なる武具】の材料がそろってから、一つずつ順番に、となるだろう。
「うむ、承知した。【真なる武具】とやらの材料が揃うまで精進することにしよう」
ガットとの話は以上。続いてラングとの話に入る。
「【勇者】クラスに【戦人】種族、そして【リヴァイヴスキル:転身】か・・・相変わらず君は話題に事欠かないね」
俺の話を聞いたラングが苦笑気味に答える。
とはいえ、まだどれもレベリング途中で中途半端な状態だ。情報を渡せるほど詳細はわかっていない。まあ、そういうものがあるということと、取得条件ははっきりしているので、それはそれで情報になるらしいが。・・・【勇者】クラスと【リヴァイヴスキル:転身】に関しては【獲得券】が必要だから真似はできないんじゃないか?
まあ、【獲得券】を入手した時の選択の目安にはなるか。
ラングに情報を渡すのもそうだが、俺もラングから欲しい情報がある。
アーテルたちの【転生】するための素材の情報だ。元々のレアリティが高い【眷属】なだけに【転生】のための素材もなかなか厄介な物ばかりだ。特に☆13素材が問題だ。レアリティが高いだけにそう簡単には入手できないだろう。
そこでラングには入手できる場所を聞いておきたいのだ。
「うーん・・・残念ながら僕たちでも☆13素材の情報はまだないねぇ。強いていうなら、君たちが神様たちから貰ったアイテム、かな?」
・・・そういえば俺は神様から貰った【フツノミタマ】は☆13だった。他にもアヴァンやアーニャ、アシュラが貰ったものも・・・もしかして☆13素材は【神仏界】にあるのか?
「まあ、その辺りの情報も集めることにするよ。・・・☆13素材の情報なんて高値で売れるだろうしね」
そりゃそうだろうね。高レアリティの素材は武器や防具、【眷属】をさらに強くなる手段の一つだからな。高レベルプレイヤーからすれば喉から手が出るほど欲しい情報だろう。
続いてラングたちから近況を聞く。
やはり、両クランとも忙しいようだ。両クランというか有名どころクラン全体的に。
バトルトーナメント以降、ゲームプレイヤーが爆発的に増えていて、有名クランに入りたいプレイヤーが押し寄せているそうだ。うちは至って平和なんだけどなぁ・・・【インフォガルド】と【アイゼンガルド】が防波堤になってくれているおかげで(笑)。
まあ、両クランにも十分すぎるほど利益があるそうだし、メンバーも加入しているそうだがら対価としては十分だろう。
「他にも独自でクランを結成しているプレイヤーも増えているようだね。今やどれだけのクランがあるのか・・・僕たちにも把握しきれないよ」
俺がそうだったようにどこのクランにも所属せず、独自にクランを立ち上げていくプレイヤーもいるそうだ。中には所属クランから独立したプレイヤーもいるとか。まだ有名になるほどのクランはないそうだが、いつかは有力なプレイヤーが生まれてくることだろう。
「そうそう、すでにメールで連絡しておいたけど、僕たちの同盟クランを作りたいっていうプレイヤーの要望もあったよ」
・・・そういえばラングから来た要望リストにそんなものもあったな。同盟クランになりたい、ならわかるが同盟クランを作りたいってどういうことだ?
「要するに戦闘に特化した【アークガルド】、情報に特化した【インフォガルド】、生産に特化した【アイゼンガルド】のように何かに特化したクランを作りたい、ってことらしいね」
・・・ふむ、確かに平均的になんでもできるクランよりも、何かに特化したクランの方が有用な場合が多い。しかし・・・
「・・・それって同盟クランとして作る意味があるのか?」
特化クランを作りたいなら勝手に作れば良いのでは?
「・・・まあ、ぶっちゃけブランド名が狙いだろうねぇ。同盟クランとしての名があれば人も集めやすいだろうし・・・あとはこの島に店舗を置きたいからかな」
・・・まあ、そういう裏はあるだろうな。これも有名クランになった故か。それにしてもそいつらは【インフォガルド】や【アイゼンガルド】の忙しさを理解した上で言っているのだろうか? 有名クランに乗っかったは良いが、そのせいで死ぬほど忙しくなることを覚悟した上なのか? メリットよりもデメリットがでかいような気がしないでもないんだが・・・それも覚悟の上っていうんなら考えても良いかもしれない。
こんな感じで近況を報告しあった所で・・・
「・・・そういえば結局、【転身】する種族は決めたのかい?」
・・・ラング、お前もそれを聞くのか・・・しかし、まあ・・・
「決めるには決めたな」
俺がそう答えた瞬間・・・
「なんですって!?」
「本当ですか!?」
・・・アテナ、アルマ。どっから出てきた?
(*・ω・)*_ _)ペコリ
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