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狂戦士

===移動===>【幻獣界】エリア3


というわけで俺たちは休憩を挟んだ後にエリア3までやって来た。そして前回までと同様に無人かつ余計な物がない広大な場所を探し、そこに【アトラクト素材】を入れた七輪を設置する。


ただ前回までとは違い、今回はアーテルたちにも戦闘に参加してもらうことにした。カイザーの助言を聞いたのもそうだが、他にも()()()()()()があったからだ。アーテルたちには悪いが付き合ってもらおう。・・・当の本人たちは大喜びだったが。


俺たちは4人いるので、今回は東西南北の4方向に別れて、それぞれモンスターを迎撃する形を取る。敵の数が多い場合、下手に密集しているとかえって危険な場合もあるからな。かと言って離れすぎると援護が届かなくなるので注意が必要だ。


まあ、俺たちは連携の練習も散々やってきたし、その辺りは大丈夫だと思うが・・・一番レベルが低い俺が心配することじゃないよな。俺以外はレベルがカンストしているわけだし、Lv.30前後のモンスターなんて余裕だろう。俺は俺で目の前の敵に集中しないと皆の足を引っ張ることになりかねん。


「良し! 皆、準備は良いか?」


「クルッ!!」


「だうッ!!」


「何時デモ大丈夫デス」


皆から了承をもらったので、さっそく着火。モクモクと煙が上がっていき、やがて周囲にモンスターの群れがやってくる。


「・・・それじゃあ、皆。武運を祈る・・・散開ッ!!」


こうして第三ラウンドの幕が上がった。


しかし、今回は助っ人がいるので前2回と比べて楽に事が運ぶ・・・そう思っていた時が俺にもありましたとさ。


===時間経過===>10分後


「【ミーティアルスラッシャー】!!」


【豪剣アディオン】から飛ばした斬撃により、迫りくるモンスターの軍勢を一掃する。


早くも10分が経過した。


相変らず大変な()()なのだが、実質的な負担が4分の1になっているのでこれまでと比べると楽・・・にはなっていなかった。


「変わってねぇじゃん!!」


そう、変わっていないのだ。体感的な大変さもそうだし、討伐した数も現時点で100を超えている(100を超えた時点で数えるのをやめた)。


前2回の経験からして、仮に30分で500~600体の敵を倒せる換算だとしよう。すると4人で分担し、さらに3分の1程度の時間で討伐できるモンスターの数は40~50体程度の計算になるはずなのだ。


当然、アーテルたちがサボっているとかそんなんじゃない。遠めで見る限り、3人とも張り切って大暴れしている。・・・明らかに俺よりもたくさん討伐しているだろうな。


前2回に比べて集まってくるモンスターの数が明らかに増えている。こっちの人数が増えたから? それとも敵を倒すスピードが上がったから? その分多くのモンスターが出現しているというのか?


どちらにせよ、戦う人数を増やしたからと言って一人当たりの負担が減るというわけではないようだ。結局、それぞれ一生懸命頑張るしかないってことだな。


まあ、それは最初から覚悟していたから良いのだが・・・果たしてそれだけで済むだろうか?


===時間経過===>10分後


さらに10分後。


相変らずモンスターの群れを駆逐している俺たちだったが、モンスター側には若干の変化があった。


集まってくるモンスターたちは基本的に同種のモンスターが数体から数十体単位の群れをなしてやってくるのだが、その群れの中に他の個体とは色が違ったり、形が微妙に異なる特徴的なモンスターが混ざり始めたのだ。


【看破】で確認してみると、なんとエリア3に出現するモンスターにも関わらず、Lv.40前後という場所的にありえないモンスターだった。


・・・ユニークモンスターか。出会うのが難しいモンスターのはずなのに、さきほどからちらほらと他の通常モンスターに混じって出現している。


やはりこれもアーテルたちが戦線に加わった結果だろうな。


おそらく、【アトラクト素材】を使ったモンスター湧きは参加メンバーの数とレベル、討伐スピードによって集まるモンスターの数や質が変化するんじゃないだろうか?


1回目、2回目よりも大量なモンスターの数。そして3回目になって初めて出始めたユニークモンスターはそういうことなんだろう。


・・・これは朗報だな。いや、大変なんだけどね?


レベリングやドロップ品の収拾だけではなく、ユニークモンスターまで討伐できるとは・・・これをもっと高レベル帯で行えば・・・


「おっと!!」


いつの間にかユニークモンスターが突進してきていた。


いかんいかん。今は余計な事を考えている場合じゃない。ただでさえレベル上は格上の敵ばかりなんだ。油断してるとやられてしまう。


「考えるのは後だ! 【マキシマムスラッシュ】!!」


===時間経過===>10分後


「クルーッ!」


「だうっ!」


「マスター!」


「これで最後だ!【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】!【フレイムバースト】!!」


最後に密集していたモンスターたちを【魔法】で一掃し、戦闘終了だ。


・・・前回までならここでカイザーに討伐数を聞いていたんだが、今回はカイザー自身も参加していたからさすがに・・・


「マスター、トータル討伐数ハ2063体デス」


・・・数えてたんだな、カイザー。余裕なのか? 余裕だったのか?


ちなみに聞くところによると内訳はこんな感じ。


アーテル:572体

カイザー:547体

アウル:531体

俺:413体


・・・予想はしていたが、俺が一番、低いな。べ、別に悲しくなんて無いんだからねっ!・・・むなしいな。


俺のことよりも皆のことを良くやったと褒めてあげないと。


今回の戦いで【アトラクト素材】の有用性、危険性も大体わかったしな。


これをもっと高レベル帯の適切な場所で使えば、アーテルたちの【転生】に必要な素材もかなり効率的に集められるはずだ。


ただし、ユニークモンスターのような飛びぬけたレベルのモンスターまで集めてしまう事を考えると使いどころには要注意だ。下手をするとこっちが全滅してしまう。


そうならないためにも・・・俺のレベリングを急がないとな。


今日だけで俺のレベルは【戦人】がLv.35、【勇者】がLv.4になった。1日の成果としてはかなり上場だろう。とはいえ【アトラクト素材】はもうないからこの調子で明日も・・・とはならないだろう。


なんとか【アトラクト素材】の入手を目指しつつ、地道にレベリングしていくしかないな。


さて、短時間に集中して大量のモンスターの相手をして疲れたし、今日のところは撤収で良いだろう。


頑張ってくれたアーテルたちにもご褒美を上げないとな。


・・・


・・



これは後から知ったのだが、どうやら俺たちの戦いを目撃していた連中がいたらしい。


一応、無人の場所を戦場に選んでいたとはいえ、基本的にはフリーフィールドだし、さすがに戦闘中に近寄ってくるプレイヤーにまでは気が回らなかった。


幸いというべきか、そいつらも【アトラクト素材】を紹介していた例の動画を見ていたらしく、途中で乱入してくるような事はなかったが、どうも遠くから俺たちの様子を見ていたらしい。


そいつら曰く、危なくなったら助けに入ろうかと思っていたそうだ。


しかし、結局は俺たちだけで片付けたわけで・・・そいつらはジッとその様子を見ていたようだ。途中で俺のことにも気がついたらしいし。


結局そいつらは俺たちに絡んでくることは無かったが、どうも掲示板で話題に上げたらしい。


修羅だの狂戦士(バーサーカー)だのいろいろ言われていたそうだ。


===ログアウト===>おつかれさまでした


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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