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大変だったらしい

===ログイン===>【アークガルド】クランホーム


おはようこんにちこんばんは。


今日も元気良くログインしてきた俺である。


・・・なんだろう、なんか俺の知らない所で大変なことが起こったような気がするのだが・・・気のせいだろうか? しかし、こういう時の俺の勘ってよく当たるし、心当たりは・・・割りとあったりするんだよなぁ、これが。


しかし、当然ながら俺の知らない所で起こったことを俺が知ってるわけが無いわけで・・・さてどうしようか、と悩んでいるとラングとガットから昨日に引き続きメールが来ていることに気がついた。


・・・このまま逃げようかとも思ったが二日連続でスルーするのもまずいかと思い、クランホームの自室に腰をすえてメールを開く。


どうやら昨日と同じく【レギオンガルド島】への要望リストのようだ。しかも、昨日より量が多い・・・あ、同じ内容の要望が何個も書いてあるな。・・・さては奴ら、あまりの要望の多さに途中でまとめるのがめんどくさくなったな?


まあ、それだけ奴らも忙しいんだろう。気を取り直して昨日の分も含めて確認していくか。今こそリアルで鍛えた速読スキルが唸るぜ! ・・・というわけで5分ほどかけてざっと目を通してみた。


島に関する要望、とくに動物関係が多いな。あれを増やせだのこれを増やせだの。小動物くらいなら、まだ良いとしてゾウだのキリンだの増やして一体どうする気だ? ここは動物園じゃないんだぞ? ・・・この辺りの要望を聞いてたらきりが無いだろうからなぁ・・・まあ、機会を見て徐々に増やしていこう。


次に要望が多いのは・・・地図か。どこに何があるのか、どんな生き物が生息しているのか知りたい、と。これは俺もうっかりしていたな。【アークガルド】メンバーなら【メニュー】に地図が表示されるけど、一般プレイヤーにはわからないんだな。これは早いうちに用意するようにしよう。


あとは・・・出店? どうも余所のクランやプレイヤーが店を出したいらしいな。しかし、場所なら他にもいくらでもあるわけで・・・売名目的かな? まあ、それは言い過ぎにしてもこれは要検討だな。一時的ならともかく恒久的に部外者を入れるっていうのはな。知ってる奴ならともかく、知らない奴まで誰も彼も受け入れていたらマナーの悪い奴までやってきそうだし・・・この件は保留で。


・・・【インフォガルド】や【アイゼンガルド】への要望まで入ってるんだがなんでだ? 二人が間違えて入れたんだろうか? 俺に言われてもどうにもできないんだが・・・ラングやガットの個人的なあて先を知りたいってなんだよ。マナー違反じゃないか、これ? もしくはストーカー。


どうやら二人も大変なようだ。


ハッ!? もしや俺の予感って・・・二人が大変なことになってるってことか!?


・・・どこからか、「それじゃねぇよ!!」というツッコミの声が聞こえてきた気がした。どうやら二人のことじゃないらしい。まあ、二人なら大抵の事は自分で解決するだろうし、どうしてもとなったら向こうから頼みに来るだろう。とりあえず確認作業は終了で。


しかし、だとすると他に大変なことってなんだろうか? と考えながらも俺は自室を出て庭に出てみた。


するとそこにはアーニャと【眷属】たちがいた。


「クルー♪」


「だう♪」


おっと、アーテル、アウル。いつも元気だな、お前達。


「こんにちはなのです」


「よう、アーニャ。・・・これはなんだ?」


アーニャたちが庭にいるのは良いとして、問題は目の前のテーブル・・・の上になぜか山積みにさているお菓子たちだ。アーニャが用意したのかと思ったが、どうやら違うらしい。


「丁度、そのことを聞いていた所なのです。カイザーさんに話を聞くところによると・・・」


アーニャとカイザーの説明によると、俺たちがログアウトした後、アーテルたちは【レギオンガルド島】のあちこちで遊びまわっていたらしい。まあ、以前からクランホームで遊んでいたアーテルたちからしたら、より広くなったこの島は絶好の良い遊び場なのだろう。


無論、その事自体は何の問題もない。問題なのは、というか当たり前なのだがアーテルたちがあちらこちらで遊んでいる所に、この島を訪れていたたくさんのプレイヤーたちと遭遇してしまうことだ。


特にアーテル、アウル、レオーネ、フィオレ、ルドラはバトルトーナメントに出場していたこともあり、多くのプレイヤーたちがその姿を見て知っていた。もっと言うなら俺が優勝、アテナとアルマベスト16、アシュラもトーナメントでは珍しかった【精霊】持ちだったこともあって、その【眷属】であるアーテルたちはそこそこ・・・いや、かなり騒がれているらしい。


ブラン、ノワール、テールも珍しいドラゴンの【眷属】だし、ミコトも見た目可愛らしい女の子の【精霊】だ。ラグマリア見た目どおり美少女アンドロイドだし、カイザーは見た目そのまんまのロボット。


そんな【眷属】たちに遭遇したプレイヤーたちのリアクションは想像に難くないが・・・案の定、見つかる度にキャーキャー言われたらしい。執拗に追い掛け回されたり、なんてことはさすがに無かったようだが、見つかる度に話しかけられたり、一緒に遊んだり、食べ物をくれたりと、まあ色々あったそうだ。


んで、このテーブルに乗っかってるのはその戦利品だと。


ここで少し意外だったのが、アーテルたちは貰った食べ物をその場では食べず、一端持ち帰っていたらしい。勿論、お礼は言って。お菓子大好きなアーテルたちならその場でムシャムシャ食べはじめてもおかしくないと思っていたのだが、どうもアーテルたちは主の許可無く食べるのはNGだと思っているようなのだ。


今にして思えば、アーテルたちに与える食べ物は基本的に【アークガルド】メンバーからの物・・・つまり、主かその仲間から与えられた物限定で、それ以外の許可されていない物は食べていないのだ。・・・なんか、よく訓練されたペットみたいだなと思ったのはここだけの秘密である。訓練した覚えないし。


んで、その結果、戦利品を一箇所に集めて俺たちがログインしてくるのを待っていたと。


・・・知らない人から物を貰っちゃいけませんと叱るべきなのか、その場で食べず持ち帰った事を褒めるべきなのか、ちゃんとお礼が言えて偉いと褒めるべきなのか・・・うん、褒めるべきだな。


「【鑑定】しても特に変な物はなさそうだし・・・食べて良いぞ」


そんな俺の言葉を発端としてアーテルたちはお菓子に食いついていく。・・・我慢させていたんなら大変申し訳ないな。とはいえ、用心には越したことはないか。中にはやはり悪質なプレイヤーだっていないわけじゃないし。


・・・ハッ!? 俺の予感ってもしや、アーテルたちのことなのでは!? お菓子貰いすぎて困っちゃうなぁ的な?


・・・どこからか、「そんなわけあるか!!」というツッコミの声が聞こえたような気がした。むぅ、これも違うのか。というか、このツッコミの声、どこから聞こえてるんだろうか? 俺以外聞こえていないようだが・・・


俺が謎の怪奇現象に頭を悩ませていると、今度はアテナとアルマがログインしてきた。


「お疲れ、みんな!」


「こんにちは、皆さん。・・・アルクさん、聞きましたか?」


「よう、お前ら。・・・いきなりなんだ? アルマ?」


挨拶そうそう、アルマの話によれば昨日、ハッキング騒ぎがあったらしい。


時間的には俺たちがログアウトした後、また騒ぎと言ってもプレイヤーたちに何かあったというわけではなく、影響が出る前に直ぐに対処されたらしい。


被害こそ無かったが、今後も同じ事が起こることが懸念されるのでセキュリティの強化と犯人の特定・厳罰化を行う事を公式に発表したそうだ。


俺たちのような一般ピーポー(?)には雲の上のような話だが・・・なるほど。


たしかに俺の知らない所で大変なことが起こっていたようだ。


・・・どこからか、「そうだけど、そうじゃねぇ!!」というツッコミの声が聞こえた気がした。・・・うん、もうこの声は無視しよう。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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