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パーティ戦

まだ微妙に本調子ではないのですが・・・再開します。


とりあえずストックのある限りは!


・・・また途切れたらすいません。

槍も大剣も本来、()()で持つ武器だ。それらを()()に一つずつ同時に使用するのはバランスも悪く扱いづらい。


にも関わらず、何故そんな扱いづらいスタイルで戦うのかと言えば、一番の理由はゼルエルの持つ【不朽の大剣】だ。


破壊不能効果のあるこの武器は、圧倒的に性能が上の【王剣アウルディオン】と言えど破壊することが出来ない。ゼルエルからしてみれば絶対に壊れない武器であると同時に絶対に破れない盾でもあるわけだ。


対して【王剣アウルディオン】には時間制限がある。つまり、単純な大剣と大剣の勝負では、総合力では俺のほうが勝っていても、長期的に見れば俺のほうが不利なのだ。


そこでもう一手、手札を増やす。同じ破壊不能効果を持ち、大剣と同じくらいのリーチを持った【閃槍アーディボルグ】も一緒に使用することで、ゼルエルの隙を作り、【不朽の大剣】を掻い潜って倒す予定だ。


だが・・・


「ハハハ! 随分器用な戦い方をするじゃないか!!」


「ちぃ!!」


ゼルエルもさすがの実力の持ち主でこちらの意図と読んでいるかのごとく隙を見せない。


「【ミーティアルスラッシュ】!【エクステンドスピア】!!」


高速斬りと高速突きの連撃を加えるが、やはり【不朽の大剣】を盾にされ、阻まれる。


「ハハハ! 危ない危ない。【ミーティアルスラッシャー】!」


「クッ!!」


そして反撃とばかりに斬撃を飛ばしてくる。


それもいやらしい方向に、だ。


「【スピンガード】!!」


俺はゼルエルの攻撃を避けるでもなく、【閃槍アーディボルグ】でガードする。


そう・・・この戦いでもう一つ、注意しなければいけないことがある。


それは()()()()()()()だ。


このゲームではフレンドリーファイアは無効だが、敵からの攻撃は当然、有効だ。つまり、ゼルエルの放った攻撃を俺がかわしても、位置によってはアテナたちの方に飛んでいき、当たり所が悪ければそのまま・・・なんて事は十分にありえるということだ。


なので俺は目の前のゼルエルは勿論のこと、アテナたちが巻き込まれないよう彼女たちの位置も把握し、調節する必要があるわけだ。


現にゼルエルもそれを見越して、絶妙なタイミングで攻撃してきやがる。


ちらっと横目でアテナたちを確認してみると・・・どうやらケレズはバリアを張って防御に徹しているようだ。そこにアテナたちが攻撃を加え、なんとかバリアを破ろうとしている。


中々、苦戦しているようだが・・・時間の問題だろう。それにあの様子ではケレズもアテナたちもあの場から動く事は無いだろう。


俺からすれば、下手に移動されるより位置取りしやすいが・・・ゼルエルからすれば狙いやすい的でもある。


俺が少しでも気を抜けばゼルエルはアテナたちに背後から攻撃を加えようとするだろう。


逆も同じで、アテナたちの内の誰かが俺とゼルエル(こっち)の戦いに介入しようとすれば、そいつの背中をケレズが撃つだろう。


それを懸念してゼルエルは俺に任せろと言ったのだが・・・結果、膠着状態に陥ってしまった。


こうなれば後はどちらが先に力尽きるか、だが・・・先述したように、おそらく先に力尽きるのはこちらの方だろう。ケレズのバリアを破れれば一気に形勢逆転なのだが、こちらが力尽きる前に、っていうのはさすがに虫が良い考えだろうな。


やはり、現状では俺がゼルエルの隙を作って状況を打破するしかない。チャンスは・・・()()()()だな。


その時に全てを賭ける!


「ほらほら! どうしたんだい!!」


9・・・


ゼルエルの攻撃が激しさを増す。


8・・・


「ちぃ! この!!」


7・・・


「ハハハ! そんな雑な攻撃じゃかすりもしないよ!」


6・・・


やはり、こっちの攻撃は読まれてるな。避けられるか防がれる。


5・・・


ガキンッ! キンキン! ガキンッ!!


4・・・


しかし、決して無理に攻めてきたりはしない。つかず離れず、こっちが力尽きるのを待っているようだ。


3・・・


「【ミーティアルスラッシュ】!!」


2・・・


「クッ!? 【ミーティアルスラッシュ】!!」


1・・・


激しい剣戟を繰り広げるも・・・そろそろだ。


0。


「だう!?」


精霊憑剣セイバー・ポゼッション】が解け、【豪剣アディオン】からアウルがはじき出される。


そう、10秒とは【精霊憑剣セイバー・ポゼッション】が解けるまでの時間のことだ。強力無比な【精霊憑剣セイバー・ポゼッション】をあえて制限時間まで使用し続けることにより・・・


「・・・ハハハ! とうとう力尽きたのかい? それな「今だ!!」・・・!?」


それを見たゼルエルが見せる一瞬の思考の隙。それを見逃さず・・・


「【全天の属性(アーク・エレメント)】!!」


俺は【閃槍アーディボルグ】に持てる全属性を付加し・・・


「【スピアディスチャージ】!!!」


ゼルエルに向かって全力で投げ放った。


俺のありったけの力を込めた一撃だ。たとえ【不朽の大剣】に止められたとしても、よろけるくらいするはず。その隙を突けば【豪剣アディオン】だけでも十分にゼルエルを倒せるはずだ。


そう思っていたのだが・・・


「甘いよ」


「!?」


当のゼルエルは、まるで攻撃が来る事がわかったかのように俺が投げ放った【閃槍アーディボルグ】を避けた。


【閃槍アーディボルグ】はゼルエルに命中することなく、むなしく空を切って飛んでいく。


「・・・『今だ』は無いだろう『今だ』は。一々そんな掛け声を口にしていたら攻撃のタイミングが丸わかりだよ?」


どうやら、ゼルエルは俺の掛け声に反応して【閃槍アーディボルグ】を避けたようだ。


真剣勝負の最中にそんな初歩的なミスをするなんてありえない、と言わんばかりのゼルエル。その目には若干の失望すらも見て取れる。


・・・だが、ゼルエルは()()()している。


「・・・俺が『今だ』と言った相手はゼルエル、お前じゃないんだが?」


「・・・!?」


ゼルエルは見誤った。


【閃槍アーディボルグ】の()()()()()()を。そして・・・


「あまねく太陽の輝きよ、灼熱の赤き炎であらゆる物を焼き尽くせ!【太陽の劫火(コロナサンバースト)】!!!」


「罪深き汝よ、深く暗い闇の底で青き炎の裁きを受けよ!【地獄の業火(インフェルノフレイム)】!!!」


「クルー!!」「ガオー!!」「ピュイー!!」「【グランディスバンカー】!!」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のと同時に、アテナたちが一斉攻撃を仕掛ける。


「しまった!?」


俺の意図を理解したゼルエルは急いでケレズの元に駆け寄ろうとしたが・・・


「させねぇ! 【マキシマムスラッシュ】!!」


「グッ!?」


当然、そんなことは俺が許すはずもなく【豪剣アディオン】を振りおろす。ゼルエルも【不朽の大剣】で受け止めるのが精一杯のようだ。その間に・・・


ピシ! ピシピシピシピシ!! パリィン!!!


「・・・!!」


俺たち全員の攻撃にさしものケレズのバリアも砕け散り、さらにその威力は中にいたケレズにも襲い掛かった。ケレズは避ける隙も言葉を発する時間も無く、光の中へと消えていった。


やはりな。ケレズの張ったバリアはおそらくアテナたちの属性を把握した上で対抗属性が付加されたバリアだったのだろう。だからこそ、アテナたちの攻撃にも耐える事が出来た。


しかし、【全天の属性(アーク・エレメント)】により全属性が付加された【閃槍アーディボルグ】なら対抗属性に関係なく攻撃できる。ケレズのバリアが全属性対応だったらお手上げだったが・・・賭けには勝ったようだ。


「・・・最初からケレズを狙っていたのか!!」


「この戦いは個人戦ではなくパーティ戦だからな」


減らせるところから数を減らしていくのは基本中の基本だ。


ゼルエルの俺を見る目が忌々しげなものへと変わった。


さあ、残るはお前一人だ・・・ゼルエル。


(*・ω・)*_ _)ペコリ


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