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腕試し

===移動===>【神仏界】始まりの地


結局アテナとアルマはあの後、離れてはくれたものの、なぜか俺に付いて来ていた。


なお、【眷属】であるアーテル、アウル、レオーネ、フィオレ、そしてカイザーも同行している。他のみんなはそれぞれ別行動中だ。


「なんで付いて来るんだ?」


この二人がわけも無く付いて来る・・・のはさほど珍しくもないが、この二人だってそれぞれやりたいことがあるって言っていたはずなんだが・・・


「か、勘違いしないでよね! べ、別にアルクのことが気になってるわけじゃないんだからね!!」


・・・ツンデレ?


「トーナメントで優勝してもなお強くなろうとしているアルクさんの次の行動が私、気になります!!」


・・・チタ○ダさん?


なぜここでネタを入れてくる? ・・・俺が言えた義理じゃないか。


それはともかく、俺が強くなろうとしている理由はお前たちとも無関係じゃないんだが。理由の半分くらいはこいつらの別人格のアニスとアギラだからな。


・・・アニスとアギラはいずれ俺の前に現れる。そして・・・おそらくはだが、その時にこの二人もいるような気がする。問題はその時に二人はどうするのか、だが・・・俺の敵となるのか、味方となるのか・・・多分、ククリの言っていた「敵を見誤るな」というのはそういうことなんだろう。


・・・ククリの予言、普通に当たりそうで怖いな。さすが神様。


「それでまたどうして【神仏界】に? まあ、この世界でできる事は限られているからどれかだと思うけど・・・」


思考の海に溺れそうになった所を引っ張り戻されたので、意識を切り替える。


【神仏界】でできる事は三つ。【進化の神殿】での【転生】、【試練の塔】への挑戦、そして【謁見の門】から神様たちの元へ行く、だ。


・・・今更だが三つめ、すごい事言ってるな。


「一番の目的は【転生】だな」


現在、俺の種族は【人間】、そして今現在、俺の種族レベルはカンストのLv.70だ。つまり、種族的にはこれ以上強くなれないわけである。しかし、このゲームでは【転生】を行うとより強い状態かつ新しい種族でLv.1からやり直す事ができるのだ。


無論、一からレベリングをやり直すことになるのでリスクはあるが、【転生】した状態でレベルを上げていけば【転生】前に比べるとおよそ1.5倍から2倍近く強くなることができるそうだ。今以上の強さを求めるのなら【転生】が一番確実だ。


今まではトーナメントが近かった為保留にしていたが、時間ができたのなら是非にやるべきだろう。


「へぇ! それじゃあ、とうとうどの種族になるか決めたのね!」


「それで、一体どの種族になるつもりですか?」


二人が興奮気味に問いかけてくる。


まあ、この二人は俺がどの種族に【転生】するかさんざん悩んでいるのを知っているからな。俺が悩みに悩んだ結果、どの種族を選んだのか知りたいのだろう。


だが、その前に・・・


「まあ、待て。【転生】する前に二番目の目的だ。まずは今のレベルで【試練の塔】に挑戦する」


「【試練の塔】に?」


「・・・ああ、レベルが下がる前にってことですね?」


そう、【試練の塔】は100階まであって一階ごとに強力な敵とバトルすることになる。そしてこの塔の中では経験値が取得できないのでレベルアップすることは無い。まあ、そこはカンストしているので良いんだが、問題は報酬の方だ。


【試練の塔】ではより上階まであがり、成績が良いほど豪華な報酬を得ることができる。


そしてその報酬というのが他では手に入らない貴重な物ばかりなのだ。


【閃槍アーディボルグ】の素材となった【不朽の槍】もここで入手した物だ。そして【閃槍アーディボルグ】は【不朽の槍】の破壊不能効果を引き継いでいる・・・つまり、強力な武器の素材集めの場所でもあるというわけだ。


当然、【転生】してレベルが下がれば次に挑戦できるようになるのが何時になるか分からない。ならば、と【転生】する前に挑戦してできる限りの報酬を得ておこうという算段だ。


なお【転生】云々は俺個人の問題なので、俺とアーテル、アウル、カイザーだけで来るつもりだったのだが・・・


「そういうわけなんだが、それでもついてくるのか?」


「勿論よ」


「人数が多いほうが報酬も期待できますよね?」


二人も参戦するそうだ。確かにアルマの言うとおり人数が多いほうがより上階を目指せるだろうから、俺としても問題ない。


「みんなも良いか?」


当然ながら、頼れる仲間である【眷属】たちにも確認を取る。


「だう!」


「がお!」


「ピュイ!」


「了解デス」


アウル、レオーネ、フィオレ、カイザーは元気良く返事を返してくれたが・・・


「・・・クル!」


アーテルだけが少しだけ迷いを見せながらも答えてくれた。


・・・やはり、前回のを引きずっているようだ。


実は、トーナメント前に一度【試練の塔】には挑戦したことがある。メンバーは俺とアーテル、アウル、カイザーの四人。それで15階までは行ったのだが・・・そこで力尽きた。


正確には15階でアーテルが()()()【魔龍覚醒】を発動させて暴れまわったのだ。結局、その階はクリアできたのだが回復アイテムは底を尽いていた上に、アーテルが精神的ショック? を受けていたのでそこで退散したのだ。


ある意味、アーテルにとってはトラウマのような場所とも言えるかもしれない。とはいえ、アーテルも強い拒絶を示しているわけでは無いので、なんとかリベンジをしてトラウマを払拭してあげたい所だ。


ちなみに、【試練の塔】での敵のレベルは1階でLv.50。そこから階が上がる毎にレベルも上がっていく仕様だ。当時、15階で索敵した敵はLv.65だった。


つまり、20階まで行けば敵のLv.70、それ以降は俺たちより高レベルの敵を相手にすることになる。


当然ながらいくら俺たちでも100階まで行けるとは考えていない。100階どころか50階でLv.100の敵が来ると考えると・・・100階なんて雲の上だ。


だからこそ、今回の目的は挑戦、つまり腕試しなわけだ。


===移動===>【試練の塔】


全員が武装し、塔の中に足を踏み入れると・・・


「やあやあ! 久しぶりだね! この塔の管理人、ゼルエルだよ!!」


・・・自己紹介も交えながらテンション高く挨拶してきたのは、この塔の案内人にして前回も戦った【天使】のゼルエルである。


他の【天使】たちは厳かな感じなのに、なぜこの【天使】だけ軽い感じなのか、今もって謎である。


・・・いや、厳かじゃない【天使】ならもう一人いたな。


「・・・なによ?」


おっと、アテナさんに睨まれてしまった。くわばわくわばら。


「ここに来たってことは【試練の塔】に挑戦しに来たってことで良いんだよね!!」


「まあ、そうだな」


というより、それ以外にここに来る理由がない。


さっそく塔の一階、戦闘エリアまで案内された所で・・・


「それじゃあ、さっそく僕が相手だよ!!」 


やけにテンションの高いゼルエルと向かいあった。


その手には巨大なハンマーを持っている・・・またえらく尖った武装だな。


しかし、忘れてはいけない。


塔の一階の敵の・・・ゼルエルのレベルは50なのだ。


対して今の俺のレベルは70。


つまり・・・


「【俊天の疾走(アーク・アクセル)】!【勇天の一撃(アーク・ストラッシュ)】!!」


「ぐああああ!?」


・・・いかに【天使】といえどレベル差20は厳しいだろ。


俺の【豪剣アディオン】の一閃で一撃だった。


南無。

(*・ω・)*_ _)ペコリ


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