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勇気ある者

===移動===>エリア0 農業区画1【アークガルド】クランファーム


「いやー、ひどい目にあったな」


「「「「それはこっちのセリフ!」です!」なのです!」っす!!」


・・・そんな怒らなくても良いじゃん。別にダメージがあったとか、においが移ったとか実害があったわけじゃないんだし。むしろドナドナされた挙句、犬猫たちに避けられるようになった俺のほうがダメージあったぐらいだ。・・・いや、マジで。


しかし案の定というか、あの後【レギオンガルド島】が一般開放される時間になると同時に、それはもう怒涛の勢いで一般プレイヤーが大量に流れ込んできたからな。


俺たちはさっさと引き上げてきた(逃げてきたとも言う)からその後は知らないが、今頃【インフォガルド】も【アイゼンガルド】も大混雑していることだろう。


あのままアテナたちがあの場にいて、各クランのメンバーたちが仕事しないままだともっと大変なことになっていたはずだ。


「・・・それは素直に申し訳なかったわ」


「犬猫ちゃんたちに夢中になりすぎました」


「とっても可愛かったからついつい構ってあげたくなっちゃうのです!」


「ホントっすよねぇ。まさに癒しスポットっすよ」


そこは反省した様子の四人。うむ、素直に謝り反省できるのは良いことだ。


まあ、そこまで犬猫たちに魅力があったと言う事だろう。そもそもあの犬猫たちを配置したの俺だし・・・あれ? もしかしなくても全ての元凶は俺か?


「ま、まあ、これからは好きな時に構えるだろうし、ラングたちが落ち着くまで我慢してくれ・・・それに犬猫たちに構いすぎると、今度はレオーネたちが嫉妬しちゃうぞ?」


そう、先ほどまで主が犬猫たちに構っていたせいか、今度はそれぞれの【眷属】たちが主に擦り寄っているのだ。まあ、レオーネたちも犬猫たちに構っていたからそこまで嫉妬している様子はないけど・・・やきもちくらいは焼いてしまうのであろう。


それがわかったのか、アテナたちは今度はそれぞれの【眷属】たちを愛で始めた。


うんうん、これぞ平和的な解決だよな!


「ところでアルク?」


「うん?」


レオーネを愛でていたアテナが俺に尋ねてきた。


「あの激臭のする【香煙玉】を使う必要って・・・あったのかしら?」


「・・・」


・・・あっれー? おかしいなー? なんか冷や汗が出てきたぞー? 問題は解決したんじゃなかったのかなー?


「そもそも【香煙玉・激臭】なんてアイテム初めて聞いたのですが、いつの間に作ったのですか?」


フィオレを可愛がっていたはずのアルマまで。


【香煙玉・激臭】はラングの奴が情報を仕入れてきて、面白そうだとガットの奴も巻き込んでそれはもうノリノリで素材を集めて作った・・・とは言いにくい雰囲気。


ただね?【香煙玉・激臭】に関して俺たちも実際に使ってみて体験してはいるんだよ?


その結果・・・「害の無い危険物」ということで滅多なことでもないかぎり死蔵しよう、という話になった。


では、何故わざわざそんな物を使ったのか? と聞かれると・・・ノリと勢い? 後はアテナたちのリアクションが見たかったから? 程度の理由だ。


・・・正直に話したらまたドナドナされそうだな。


「・・・」


というわけで俺は黙秘権を行使する!


「「・・・」」


そんな俺を黙って見つめるアテナとアルマ。


しかし、俺は何も答えない。我、是より無なり。色即是空、色即是空。


そんな俺に観念したか二人はそろってため息を付いた。


お? 諦めたか?


「・・・そういえばロゼが【上級(ハイ)クラス】や【特級(スペシャル)クラス】の情報を知りたがっていたわ」


「そうでしたね、特に【特級(スペシャル)クラス】の情報を知りたがってました」


ん? 急に何の話だ? なんで急にロゼさんが出てくる?


「でも肝心の【獲得券(チケット)】を持ってる人がねー?」


「【獲得券(チケット)】を使えたとしても選択できるクラスは人によって違うみたいですしね」


これは・・・もしかして【勇者】クラスのことを言っているのか? ラーサーたちと話したことをロゼさんも聞いていたのか? しかし、俺は【勇者】クラスの取得には乗り気じゃないことも二人には話しているはず。


「普段、ロゼにはお世話になってるしねー」


「なんとかしてあげたいですねー」


・・・なんでこちらをチラチラ見ながら言う?


「そういえばロゼ、さっき涙目だったわよ」


う!? そういえばさっきのにはロゼさんも巻き込んでしまったんだよな。そこはかとない罪悪感が・・・


「かわいそうでしたね。なんとか元気付けてあげたいところですが・・・」


こ、これは・・・!? もしや俺の罪悪感を利用して!?


その手には乗らんぞ!


無念無想! 明鏡止水! 余計な事は考えない!!


すると何を思ったのか二人はそれぞれ俺の腕に抱きついてきた。さ、左右に柔らかい感触が・・・!?


「ここはロゼを助けると思って・・・ね?」


「きっとアルクさんなら私たちの期待に応えてくれますよ・・・ね?」


くぅ・・・!? 母性の塊を押し付け、さらに上目使いだとぉ?


いかん、騙されるな俺! これはコウ○イの狡猾な罠だ!


心頭滅却! 煩悩退散!!


この俺がそんな手に乗ると・・・









「HAHAHA! しょうがないな! ここはロゼさんの為にも俺が一肌脱ごうじゃないか!!」


そう言って俺は【特級(スペシャル)クラス獲得券(チケット)】を取りだした。


「・・・アニキも男の子なんすねー・・・」


「最初は責めるように見せかけて、実は同情と罪悪感を植えつけ、最後は女の武器で魅了なのです。大人の女性の恐ろしさを垣間見たのです」


「さっすが姉御たち・・・アニキを手玉に取るとは恐ろしいっす」


と、アーニャとアシュラが呆れた様子でゴニョゴニョ言っていたが、今の俺の耳には入らない。


俺にはやるべき事があるからだ!


そう・・・俺は【勇者】になる!!


さっそく【特級(スペシャル)クラス獲得券(チケット)】使用!【勇者】クラス選択する!!


『【特級(スペシャル)クラス:勇者】を取得しました』


『【勇戦術】スキルを取得しました』


『初めて【勇者】クラスを取得しました。称号【天下泰平】を取得しました。』


おお! クラスだけじゃなくスキルと称号まで!!


しかも【天下泰平】って・・・これで皆幸せってことだな!!


「キャー! ステキー♪」


「さすがアルクさんです♪」


勇気ある決断をした俺を褒め称えるアテナとアルマ。おいおい、そんなに押し付けるなよ。


「・・・なんか、いつものお二人とキャラが違うくないっすか?」


「なんでもミューズさんに助言してもらったらしいのです」


なんて言葉も耳に入らない。今の俺は左右からの至福を享受するのに忙しいのだ。


あ、取得した物の詳細はこんな感じ。


【勇者】

あらゆる装備、スキルを使いこなすクラス

全装備ステータスアップ

全スキル補正


【勇戦術】

勇者が使用する専用スキル

様々な効果がある


【天下泰平】

皆に平和をもたらす事を決意した者への称号

パーティメンバーのステータスアップ


これはスクショして後でロゼさんに送ろう。きっと喜んでくれるはずだ。


俺も幸せ、みんなも幸せ。


いやー、よかったよかった!!


(*・ω・)*_ _)ペコリ


作者のやる気とテンションとモチベーションを上げる為に


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m(_ _)m

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