レギオンガルド島
【レギオンガルド島】と命名した無人島・・・もう無人じゃないけど・・・とにかくエリアを一つ丸々買ってしまった俺たち。
エリアを購入した場合、【メニュー】に【エリアカスタマイズ】という項目が増え、その中でエリア内の設定を自由に行うことができる。なお、この項目はエリアを購入した俺と、俺が許可したプレイヤーのみ設定することができる。
なのでとりあえず【アークガルド】のメンバーは全員許可。あとはラングとガットが来たら許可する予定。
ちなみに【インフォガルド】と【アイゼンガルド】のお引越しは明日になる予定。今日の所は殺到しているプレイヤーたちへ対処と、クランホーム移動の告知をするだけにするそうだ。まあ、確かに急にクランホームがなくなったら、たずねてくるプレイヤーたちが困るよな。
とりあえず、今のうちに【アークガルド】のクランホームをこの島に移動させるか。
【エリアカスタマイズ】を起動させると・・・おお、島全体が簡易的な3Dみたいな感じで表示された。これをいじってカスタマイズしていくのか・・・
さっそくクランホームを山の中腹に、と。
ポチっとな。
設定した瞬間、山の中腹にクランホームが現れる。
一瞬で済むとはなんというお手軽なお引越しなんだ。ゲーム世界万歳。
・・・ん? なんだ? ホームからなんか出てきた?
「クルーッ!!」
「だう!!」
「あうちっ!?」
高速で突進してきたアーテルとアウルの直撃を受けてしまったぜ。どうやらいきなりクランホームが移動して・・・アーテルたちからすれば景色が切り替わった、かな? で、混乱してしまったらしい。
アーテルたちに続いてカイザーたちもやってくる。
「マスター、ココハ・・・?」
カイザーが戸惑い気味に俺に聞いてくる。・・・ロボット顔だから表情は分からんが。
「この島を買ったから引越しだ」
「・・・ナゼ、事前ニ教エテ貰エナクレナカッタノデス?」
「・・・サプライズだ」
「・・・」
・・・なぜだ。無表情の鉄仮面なのになぜかカイザーが俺を非難の目で見ているような気がする。
「・・・すまん。忘れていたわけじゃないんだ。ちょっと説明が後回しになっただけで、決してお前達をないがしろにしていたわけじゃないんだ。ちょーっと、でかい買い物にテンションが上がってしまっていたようだ・・・ホント、ゴメンなさい」
【眷属】たちに謝った後、この島内を自由に遊びまわって良いと言うとそれぞれ散っていった。アーテルたちも興味深々らしい。
「レオーネたち、元気ねぇ・・・」
「まだ設定途中では大して見る物はないんだけどな」
クランホーム以外はまだ初期設定なので、今この島にあるのは海と砂浜と森と山だけだ。それでも十分な大自然ではあるのだが、取り立てて見るべき場所や遊ぶ場所があるわけでもない。
・・・アーテルたちには今までのクランホームの庭では狭かったのかもな。目で追えないくらいのスピードで追いかけっこをしていたこともあったし・・・今までのクランホームも大きな洋館と庭で十分すぎるくらいの広さがあったと思うんだけどなぁ。
まあ、アーテルたちは自由に遊ばせておくとして・・・設定の続きだな。
【アークガルド】のクランホームは山の南側に配置した。さらに南側の山のふもとから海岸までの森部分を草原に変更。南側の山のふもと部分に【インフォガルド】と【アイゼンガルド】のクランホームが来る予定だ。
ただ、南側の森が一気に草原にすると・・・結構な広さになってしまった。ここにラングたちのクランホームが設置されるとなると・・・
「・・・なんかさびしいっすね」
そうなのだ。このままだとただただだだっ広い草原にポツンと一軒家、もとい二軒家? が建つことになる。正直、寂しい光景だな。まあ、連中のクランホーム周辺は本人たちに整備させるとして・・・残りの場所をどうするか、だな。
「やはり、この島はかなり広いですね。どこをどうするか迷う所ですが・・・まあ、その辺りは今後の開拓で充実していくんじゃないですか?」
開拓って・・・いや、開拓で合ってるのか?
とりあえず、クランホーム以外に絶対必要な物として【転移装置】の設置だな。今のままじゃ移動が大変だ。アーテルに乗れば島の端っこから端っこまでも一瞬だが、普通に歩いて移動するとなるとかなり時間がかかる。
【転移装置】さえ設置しておけばエリア内の移動も一瞬だ。
とりあえず、東西南北に設置、あとは山のふもとにも設置だな。身内向けに山の頂上にも設置するか。
えーっと、他に追加できるのは・・・【エリアオブジェクト】? これを追加すれば良いのか・・・
そして有料なのか・・・またお金がかかるな。まあ、エリアを一つ丸ごと買うのに比べれば大した値段じゃないが・・・いかんな、金銭感覚がどんどん狂っていくような気がする。
さっそくリストを見てみるが・・・多いなぁ・・・それに細かい。例えばこちら。
・桜
・松
・杉
・ヒノキ
・ケヤキ
・
・
・
どうやら森や山の木は自由に変えられるらしい。木の種類も豊富だし、伐採して素材として取得することもできるみたいだ。まあ、伐採は許可制にするとして・・・
とりあえず、山の木を全部桜に。
「「「「「「おお!!」」」」」」
文字通り桜の山だ。これはこれで中々見物だな。ゲームの中だから一年中咲き誇ったままだし・・・お? 桜の色も変更可能? ・・・それって桜じゃないんじゃ? とりあえず色を変えて・・・ピンク色の桜だけじゃなく、赤、青、緑、黄の桜が・・・さすがゲーム世界。これはこれで見栄えも映えて良い感じだな。周辺の森は・・・また後で決めよう。
他にはっと・・・
・湖
・川
・滝
・池
・
・
・
湖? 川? 目の前に海があるのに何の意味が?・・・ああ、淡水魚と海水魚も追加できるのか。しかも、釣って食料にもできると。ただモンスターではなく普通の魚なので味はモンスター食材ほどではないみたいだが・・・暇なときに釣りでもしてみるのも一興かな。
山の北側に川を設置、さらに北側の森に湖を追加。イメージは山の頂上付近から川が流れ、湖を経由して海に流れていく感じ。あ、途中で滝も追加しよう。
さらに川と湖に淡水魚、海に海水魚も追加した。・・・魚の種類も豊富だなぁ・・・サメとかシャチとかクジラまで追加できるけど、これは大丈夫なのか?
・・・ってこれは!?
「・・・アーニャ、大変だ・・・ウナギも取れるようになるみたいだぞ?」
「!? アルクさん!!」
「ああ! ウナギ食べ放題だ!!」
ひゃっほう! 無人島最高!!
「食べ物のことになるとテンション高いのだ」
若干呆れ顔のアヴァンだが・・・フッ、そんなことを言っていても良いのかな?
「フフフ、アヴァン。これを見ろ!」
俺はたった今、見つけたリストの項目をアヴァンに見せる。そこにはこんなことが書かれていた。
・秘密基地
・発進カタパルト
・【クランメカロイド】発進口
「こ、これは!?」
どうやら、ロボットアニメとかでよくある秘密基地設備のようだ。
「・・・最高なのだ!!」
「ああ!!」
というわけで早速設置。場所は山の東側。発進口を開くと山の斜面がスライドし、中に発進カタパルトが見える。・・・素晴らしい! このゲームの運営は良くわかってるな!!
「でもこのエリアから移動するときは【転移装置】で出ないといけないのよね?」
「あそこから発進しても移動できるのはこのエリア内だけなのでは?」
「そもそもカイザーさんは、普段は人型サイズでいるのです。でっかいサイズの秘密基地がいるのです?」
などなど、ロマンを解さない女性陣を無視して俺はアヴァンと共に喜びを分かち合った。
他には何があるかなぁっと。
「山の幸や畑も追加できるみたいですね。ですが・・・」
「ああ、畑の収穫物は【精霊界】の畑の方が上みたいだ」
この無人島にあえて畑を追加するメリットは無いみたいだな。まあ、ここに設置するよりは【精霊界】の畑を拡張した方が良いだろう。
「待って。花畑も設置できるみたいよ?」
ふむ、花か・・・それは確かに【精霊界】の畑には無いものだな。あっちはあくまで食用のものを栽培する畑だし。
「ミツバチも追加できるみたいですから・・・ハチミツも期待できるのでは?」
「よし!採用!!」
「さすが、アニキっす! 食べ物には食いつきが良いっすね」
馬鹿野郎! ハチミツ様だぞ? 食に潤いをもたらすのは間違いないじゃないか。
というわけで島の西側の森を花畑に変更・・・広すぎだな。一部、森を残してそこをミツバチの住処にしようか。当然、ミツバチには人を襲わないよう設定する。
・・・やばいな。無人島開拓? 楽しすぎる。
こんな感じでこの日は日がな一日、無人島開拓に精を出した俺たちだった。
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