最後はみんなで
カイザーの全身から光の粒子を発せられる。
カイザーの・・・【クランメカロイド】の体を構成するナノマシンだ。ナノマシンを大量に放出し、それを一箇所に集める事で巨体を形成していく。
【クランメカロイド】としての真の姿、アークカイザーに。
『ドウゾ、搭乗シテクダサイ』
アークカイザーの胸の部分が開き、コクピットがあらわになる。
「行くぞ。アーテル、アウル」
「クルッ!!」
「だう!!」
今回はアーテルとアウルを伴って搭乗する。【クランメカロイド】は搭乗者の武器やスキルを使うことができるからな。搭乗者は多ければ多いほうが良い。
「おいおい、なんだアレ?」
「巨大ロボット!?」
「プレイヤーが乗り込んだぞ!あんな物まであるのか、このゲームは!?」
カイザーのセンサーが周囲のプレイヤーの声を拾う。
・・・そうか。そういえば【クランメカロイド】を入手したプレイヤーはあんまり多くなかったんだったけか。
ベルバアルやラーサーたちまで驚いているし・・・最終戦まで勝ち進んだ連中の中にも【クランメカロイド】まで入手できているのは少ないようだ。
・・・ちょっと優越感。
「・・・【眷属召喚】。来い、ルインヴォイド」
「んん?」
そんな中、【眷属】を召喚する声が聞こえる。
あれは・・・カオスか。
カオスが呼び出したのは・・・カイザーとそっくりな白いロボット・・・だと?
「ルイン、【メカロイド】化だ」
「了解デス」
カイザーがそうであったようにカオスの呼び出したロボットもまた巨大化していく。その姿は・・・アークカイザーと瓜二つだ。色だけは真っ白だが。
「・・・あれはお前と同型機なのか、カイザー?」
『・・・回答不能、データガアリマセン』
そういえばカイザーは過去のメモリーが無いんだった。・・・カイザーとそっくりな【クランメカロイド】をカオスが?・・・偶然なのか?
巨大化した白いロボットのコクピットが開き、カオス、【幼態】のディーラ、ラグゼノア、エンマが乗り込んだ。
『お前も【クランメカロイド】を手に入れていたのか、カオス』
俺は外部スピーカーで白いロボットに話しかける。
『・・・トーナメントでは使えなかったがな。それに・・・他にもいるようだ』
見ると、他にも【クランメカロイド】がちらほら。ラングの所の【インフォバルトス】もいる。
だが・・・カイザーとそっくりなのはカオスが乗っているルインなんとかって機体だけだ。他の機体はごつかったり細身だったり、顔つきに特徴があったりと違う種類のロボットだと言う事は一目でわかる。
「カオス・・・お前、その【クランメカロイド】をどこで手に入れた?」
もしや俺たちと同じ【機甲界】の【マーズ前線基地】か? 入手場所によって機体の種類が変わったり一緒だったりするとか?
「・・・答える義理は無い・・・それより、来るぞ」
・・・なんだよ。今までは聞いたらそれなりに答えてくれてたのに・・・ん? 来る?
カオスの言葉に首をひねるのと同時に、周囲一帯に影が差す。
理由は至極単純だ。
『ぐぅおおおおおお!!!』
巨大化した室長さんの巨大パンチが迫ってきていたからだ。
『うおお!? アークカイザー!【クラウドドライブ】だ!!』
『了解、飛行開始シマス』
カイザー用の飛行ユニットを使って、間一髪のところで空中へと逃れる。
『【冥獄の獣は空を飛び回る】』
同じくカオスとルインなんとか・・・ルインヴォイド?も空中へと逃れていた。あっちはスキルによる飛行のようだ。
『やれやれ、まずは室長さんを止めるのが先か』
俺は修理が終わったばかりの【豪剣アディオン】をアークカイザーに持たせる。【クランメカロイド】は搭乗者の武器を巨大サイズでそっくりそのまま再現できるのだ!!
『・・・そういうことだ』
カオスのルインヴォイドも【双神刀ブライ】を持ち出していた。あっちも修理は終わっていたか。・・・10分間の休憩って本当は俺たちの武器を修理する為の時間だったんじゃないかと今更ながらに思ったりする。
そういえば・・・
『おい、カオス。お前のその【双神刀ブライ】の無効化能力で室長さんに取り憑いてる【ガティアス】をなんとかできねぇの?』
あの刀に斬られると【精霊憑依】ですら強制解除されてしまったし、状況は違うが、今の室長さんにも有効なんじゃないか?
『・・・残念ながら【ガティアス】に神の力は通じない』
そう言ってルインヴォイドが迫ってきた室長さんの拳を【双神刀ブライ】で斬りつけたが・・・変化は無い。
・・・ちょっとさらっと聞き流せない情報を聞いた気がする・・・え?【ガティアス】に神の力って効かないの?
『おっと!?』
室長さんがこちらにも殴りかかってくる。良い的にでも見えたのだろうか・・・サイズ的に【クランメカロイド】は目立つからな。
まずは今目の前にいる敵に集中すべきか・・・ここまで来てやられてしまったらかっこ悪すぎる。
他の連中はどうかと見てみると・・・かなりの人数がクエストに参加しているようだ。
ヴァラット率いる【ヴァーミリオン】が一斉砲撃を行っている。ヴァラット自身も【ヴァールハイト】を着込み、【ゲイルシュヴァイツァー】に乗って撃ちまくっている。
エルザリートは周囲の女性陣と共に【宝石魔法】を撃ちまくっている。あれが【アマゾネスプリンセス】のメンバーか・・・ドレス姿とかアーミー姿とか色々いるみたいだが皆強そうだ。
ミーシャも巨大キツネに乗っかって果敢に向かっていく。その後ろには数え切れないほどのモンスター軍団が・・・【モンスターイズライフ】には一体何体のモンスターの【眷属】がいるのか。
ラーサーは【聖剣】を駆使して斬りまくっている。さらにシャンテ率いる【双星騎士団】もそれに続いていく。・・・ラーサーだけ好き勝手に動いているように見えるな。あいつ、本当にリーダーか?
ベルバアルの【眷属】のでっかいワシに乗っかって、【ディアボロス】のメンバーがそれぞれに攻撃を仕掛けている。無論、ベルバアルも【魔剣】を手に奮闘している。・・・普段からそうしてれば良いのに。
ヒーローコスに身を包んだ多くのプレイヤーたちを束ねているのはマックスだ。彼の指示の元、【GGGヒーローズ】のメンバーが一丸となって攻撃を仕掛けている。素晴らしい統率力だ。
ん? なんだあの奇妙な格好の集団は? 怪人?・・・あの変な仮面はボレアスか。あ、レディもいる。じゃあ、あれが【秘密結社DEATH】の連中か。・・・なんでレディはビキニ水着なんだろうか? 誰を悩殺するつもりだ?
お、さっきから黒い影がチョロチョロしてると思ったら・・・まんま忍者たちだ。カゲロウが率いる忍者軍団【星影】か。戦場を縦横無尽に駆け回っているとはさすが忍者。
あそこで銃を乱射しているガンマン軍団は・・・【グランツシャッテン】か。フィリップを中心としてひたすら銃を撃ちまくっている。無言でひたすら撃ちまくる様はハードボイルド・・・なのか?
うげ! なんかあそこで筋肉マッチョ軍団が変なポーズを決めてやがる・・・・あ、世紀末な格好をした連中も混ざっている。・・・中心にいるのはヘブンか・・・【クラッシュヘブン】の連中なのか。
他にもトーナメントに参加していたプレイヤーも、そうでないプレイヤーも一丸となって室長さんを攻撃している。
うーん、これだけのクラン、プレイヤーが参加するクエストとはな・・・超豪華メンバーじゃないか。
おっと、カオスたち【カタストロフィ】の連中を乗せたルインヴォイドが突撃していった。アイツにだけは後れを取るわけには行かない。おいしい所全部持ってかれちまう。
『派手な戦いになりそうだな・・・俺たちも行くぞ、カイザー!!』
『了解デス!!』
こうして俺たちは巨大室長さんをフルボッコに・・・ゲフン、ゲフンッ! 助ける為の戦いに身を投じるのであった。
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