祭りの終わりに
『【ミーティアルスラッシャー】!!』
『【双刃・疾風連斬】』
アークカイザーに乗って特大サイズの斬撃を食らわせる。
ついでに何故かカオスの奴が乗ってるルインヴォイドもそれに続く。
『ぐぅおおおおお!!!』
しかし、確かに当たったはずの攻撃をものともせず暴れまわる室長さん。
『しぶといなぁ・・・これだからレイドボスは』
『・・・』
俺たちのみならず他のプレイヤーたちも総出で攻撃してるのに・・・レイドクエストはPvPとはまた違う厄介さがあるよな。
「あまねく太陽の輝きよ、灼熱の赤き炎であらゆる物を焼き尽くせ!【太陽の劫火】!!!」
「ガオオオオ!!!」
「罪深き汝よ、深く暗い闇の底で青き炎の裁きを受けよ!【地獄の業火】!!!」
「ピュイイイ!!!」
アテナにレオーネ、アルマにフィオレも派手に【魔法】とブレスを放っている。かなり大規模だ・・・が、今の室長さんの巨大さに比べると・・・焼石に水か?
「ブランちゃん、ノワールちゃん、テールちゃん! ブレス一斉攻撃なのです!!」
「キュイーー!!」「キュアーー!!」「キュウーー!!」
アーニャの指示のもと、ブランたちが一斉にブレスを放つ。さすがドラゴン三兄弟、他のプレイヤーたちにも負けていないほどだ。・・・ミーシャが感激した様子で見ている。
「ラグマリア、残弾を気にせずフルバーストなのだ!!」
「了解デス。全武装一斉発射!!」
アヴァンが作った【兵器】を装備したラグマリアが実弾やらエナジー弾やらミサイルやらをドカドカ撃ちまくっている。その威力はヴァラットの【兵器】たちにも負けていない。
「打つべし!打つべし!オラオラオラーっす!!殴って殴って殴りまくるっすよ!ルドラ!!」
『まうっ!!』
ルドラと一体化したアシュラがただひたすらに巨体の室長さんを殴りかかっている。・・・サイズ差を考えると蚊が刺した程度にしか感じないような気がするが・・・頑張れ、アシュラ。
「やれやれ・・・ミコト、みんなの回復を頼むよ・・・特にアシュラの。・・・行くぞオラァ!!」
「あいー!!」
うーん、ダメージを負った連中を回復していってるミコトは良い仕事してるな。アスターは・・・武器の鎌を持って性格が豹変してるな。ただひたすらに鎌をぶん回してぶっさす様は・・・若干、狂気を感じる。
皆も善戦しているようだ。・・・というかやっぱりアーニャ、アヴァン、アスターはトーナメントに参加してもそれなりに結果出せたと思うんだ。
「どっせい!!」
『行くよ!バルトス!!』
おっとガットとラングも真面目に戦っているようだ。ガットの奴はいつものハンマーでぶっ叩いているが・・・うわー・・・ラングの奴、【クランメカロイド】サイズで大量の【魔法】をいやらしく動かすあれをやってやがる。
『・・・』
そんな様子をカオスが乗るルインヴォイドが見ている。・・・俺もだが。
『なにさぼってやがんだ、この野郎!! 』
『・・・おっと』
アークカイザーで蹴りを入れようとしたら避けられた。・・・ちっ!よそ見している今がチャンスだと思ったのに。
『敵対行動ヲ確認、即刻排除ヲ』
おっとルインヴォイドに敵認識されてしまった。・・・蹴り入れようとしたんだから当たり前だが。
『・・・そんな奴、ほおっておけルイン。それよりもこのバカ騒ぎを終わらせる方が先だ』
『了解デス』
カオスの奴にそんな奴認定されてしまった!自分だってよそ見していたくせに取り繕うように室長さんに向かっていく。
・・・今、明らかに皆を観察していたな・・・アテナとアルマを監視しているのかと思ったが、どうも違うようだ。【アークガルド】の皆はもちろん、ラングやガットたちも見ていたように思える。
あの野郎、一体何を考えてるんだ?
『ぐおああああ!!』
お、室長さんが苦しみだした。全身を覆う影が薄らいだように思える。もう少しか?
・・・カオスの言う通り、クエストを終わらせるのが先決か。
『アウル、【精霊憑剣】だ』
『だう!!』
アウルの姿が消える。と同時にアークカイザーが持っていた【豪剣アディオン】が変化していく。【クランメカロイド】サイズの巨大な・・・
『【王剣アウルディオン】!!』
【クランメカロイド】は防具は再現できないから【攻鎧アルドギア】も再現できず【精霊憑鎧】も使えない。【精霊憑依】でも良かったが、このクエストなら回復アイテムも使えるし、【精霊憑剣】の方が攻撃力が高いからな。
『・・・エンマ、【精霊憑依】』
『・・・ムッ!!』
カオスの奴も真似してきやがった。正確には違うが・・・ルインヴォイドが白い輝きに包まれる。
・・・コイツと組む気はないが・・・一気に決めるか。
『【勇天の一撃】!!!』
『【白冥煉獄斬】』
俺たちは室長さんの・・・むき出しになっている【ガティアス】の核に向かってにとっておきの一撃をお見舞いした。
ピシッ!ピシピシピシッ!バリィィィン!!!
『ぐぅあああああ!?』
お、【ガティアス】の核が砕け散った。
室長さんの体から【ガティアス】が抜け出て・・・あれ? なんか上昇していく?
ひゅ~~~・・・・ドォォォン!!
・・・室長さんが花火のように派手に爆発して散った・・・さようなら、室長さん。あなたのことは忘れない。
『【緊急レイドクエスト 運営室室長( ガティアス )をぶっ飛ばせ!!】をクリアしました』
おー、ようやく終わったか。
これで大量の経験値が・・・あれ? そういえば俺・・・っていうか俺たち、種族レベルはカンストしてたよな・・・あ、で、でもスキルレベルは上がったから・・・気にしないでおこう。
おっと、それより今はカオスの奴の不審な言葉と行動を問い詰めねば・・・
『おい、カオス!・・・っていねぇ!?』
つい先ほどまでいたルインヴォイドの姿はどこにもなかった。
『おい、カイザー!あの野郎どこ行った!?』
『・・・センサー反応消失。ドコニモ姿ガアリマセン』
・・・どこにもいない?・・・ってことは・・・
『あの野郎・・・逃げやがったな!!』
なんて逃げ足の速い奴なんだ!!
・・・
・・
・
『やぁ、皆さん。助けていただきありがとうございます』
・・・普通に戻ってきたな室長さん。・・・全身に包帯を巻いてミイラ男みたいになっているのは演出だよな?俺たちのせいじゃないよな?
プレイヤーが【ガティアス】に取り憑かれるとああなるのか?
クエストが終わった俺たちは再び舞台上に整列していた。先ほどまでと違うのはクエストに参加したプレイヤー全員・・・つまりアーニャたちも並んでいるということか。・・・なぜか俺が先頭にいるが。
それにしても・・・プレイヤーも【ガティアス】に取り憑かれるんだな。いや、室長さんは運営側だから厳密にはプレイヤーではないのか?・・・実は室長さんもAIのキャラだったりして・・・んなわけないか。
『それでは皆さん、これにてバトルトーナメントは終了となります!皆さん、お疲れさまでした!!』
『会場は明日の朝まで空いているので出店を出している方はそれまでに撤収をお願いしま~す』
どうやら今度こそ本当に終わりらしいな。
『今回のバトルトーナメントは皆さんのおかげで大成功と言って良いでしょう!今回のイベントで見つかった問題点などは随時アップデートで修正していく予定ですので。また、イベントに関する要望、質問などあれば随時受け付けているのでご連絡ください』
ふむ、確かに大変ではあったが・・・良いイベントだったと思う。俺は優勝できたしな!!
『それではエンディングです!!』
『私たちの歌を聴いて帰ってくださいねぇ~』
ポロンとミューズがそう言うと司会者席がステージに変化する。あ、バックダンサーが空から降ってきた。
ポロンとミューズが歌い始め、バックダンサーが踊りだす。
・・・室長さん、いつの間にか消えてるし。
「ようやく終わりか・・・アルク、これからどうするつもりだい?」
ポロンたちの歌をBGMにラングが聞いてくる。
「もちろん、祝勝会!!・・・と言いたい所だが、今日は疲れた。なかなか長時間ログインしているしな。皆もそうじゃないのか?」
「・・・ふむ、まあそうだね。一番疲れているアルクがそう言うのなら無理はできないね」
「そうじゃのう。となると今日は解散して祝勝会は後日ということかいのう」
・・・こいつら、しっかり参加する気だな。まあ、良いけど。
「お料理の時間が欲しいのです!!」
・・・そういえば大量の料理もほとんど食い尽くしてたんだった。・・・どんだけ食ってるんだ、俺たち。そして、すまんアーニャ。
「了解なのだ。我も良い刺激になったのだ」
「ホントっすね!強い奴が盛りだくさんだったっす!」
「アシュラ・・・まあ、そうだね。すごい人たちばかりでしたね」
アヴァン、アシュラ、アスターも満足したようだ。えがったえがった。
「んじゃ、各自解散で。祝勝会については後日連絡するから」
「「「「「は~い!!」」」」」
そして俺たちはそれぞれ帰路につく。俺はアーテルとアウルをホームに送ってからログアウトかな。
「ホントに今日はお疲れ、アルク」
「お疲れさまでした、アルクさん」
「おう、アテナ、アルマ。お前らもお疲れ。また明日なぁ~」
これでバトルトーナメントも終わり・・・だが、明日からもこのゲームは続いていく。
そう・・・
「俺たちの戦いはこれからだ!!」
「だからなんで打ち切り最終回みたいなのよ?」
「これで終わりじゃないですよね?」
うん、もちろんまだまだ続くよ?
===ログアウト===>お疲れさまでした
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