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祝福の声

===視点切替===>アルク


「ハックション!!」


「・・・風邪か?」


カオスの奴が聞いてくるが・・・だからここはゲームの世界だから風邪なんて引かないんだって。


「いや・・・きっとどっかで誰かが悪巧みでもしてんだろ」


「・・・」


・・・コイツ何言ってんだ? って顔で見られたよ? 無表情だけど。


『それでは10分後に最終戦まで残られた方々への賞品授与と閉会式を行いたいと思います!!』


『最終戦まで残ったプレイヤーの皆さんは会場に残っていてくださいね~』


興奮と歓声が覚めやらぬ中、司会のポロンとミューズが観客たちに向かって叫ぶ。


そういえば賞品がまだ謎だったな。すっかり忘れてたが・・・というか優勝賞品が分からないのにトーナメントに本気になってたんだな、俺たち。・・・ま、まあ優勝したんだから期待しても良いんだよな。


にしてもなんで10分後なんだ? 今からやれば良いんじゃないのか?


『さあ、お二人も観客席の方に送りますので少しの時間ですが休んでいてください』


ああ、今しがた戦ったばかりの俺たちに気を使ってくれてたのね。それは申し訳ない。


「んじゃあ、そういうわけらしいが・・・カオス、戻る前に聞いておきたい」


「・・・なんだ?」


負けたにも関わらず無表情なカオスに対して俺の疑問が大きくなる。なので俺は他の誰にも聞こえないような小声で本人に直接聞くことにした。


「・・・お前、()()()()()()()()()()()()()?」


「・・・」


・・・カオスの奴は表情を変えない。眉一つ動かさない。・・・コイツの表情を読むのは無理だな。


俺がそう疑ったのはカオスの奴に終始余裕があった事、こちらを試す素振りを見せた事、そしてもっと狡猾に最初から全力で戦っていれば俺たちを倒せていたんじゃないかという事からだ。


無論、カオスが手を抜いていたとは思わないが・・・実際に対戦した身としては勝つ気があったのか、と問いたくなるような事がいくつもあった。なにか別の目的があったような・・・


「・・・そんなことをして何の得がある? お前がどう感じたかは知らんが結果が全て、お前が勝者だ」


・・・それならもうちょっと悔しがって欲しいんだが? いまいち勝った気がしないんだが?


「・・・はぁ、お前がそう言うんならそういうことにしておこう」


納得はいかないがどうせコイツに聞いても何も答えないだろうしな。


・・・俺はカオスに向かって右手を差し出した。


「・・・フン」


無視されるかと思ったが、カオスも右手を差し出してきたので握手する。・・・思いっきり力を込めてるのにビクともしねぇ。


『おおーっと! 激戦を繰り広げたお二人の熱い握手だーー!!』


『良いですね~! 青春ですね~!!』


おっとまだ試合会場だった。なんか会場中から歓声が沸いてるんですけど・・・なんかはずいな。


握手を解くと俺たちはそれぞれ元の観客席へと転送されていった。


「・・・()()()()()()()()()()()()


「・・・あん?」


カオスの奴が最後の最後でなにか言ってきやがったが、聞き返す前にはもう消えてしまっていた。


===転送===>観客席


「・・・あの野郎、消えざまに気になること言いやがって」


そういえばアイツ、アテナとアルマのことを何か知ってる様子だったな。試合に勝ったら聞きだすつもりだったのにすっかり忘れてた。


「・・・まあ、後で良いか。にしても・・・ふぅ~、やっと戻ってこれたぜ」


「クルー!!」


「だう!!」


俺は勿論のこと、アーテルもアウルもやっと戻ってこれた感があるようだ。まあ、相手が相手だったからなぁ。


そんな感じでいつもの観客席まで戻ってくると・・・


「「「「「おかえり~~~~!!!」」」」」


おおう、【アークガルド】のメンバーのみならず【インフォガルド】【アイゼンガルド】のメンバーも総出で出迎えてくれた。これが優勝者の扱いというものなのか。


「おう、ただい・・・おわっ!?」


「クルッ!?」


「だうっ!?」


ただいまと言おうとしたところで遮られた・・・何かが飛び掛ってきたからだ。俺だけでなくアーテルもアウルもだ・・・


「がおー!!」「ピュイー!!」


「キュイー!!」「キュアー!!」「キュウー!!」


「あいー!!」「まうー!!」


レオーネたち【眷属】軍団だった。こいつらも俺たちの優勝を喜んでくれているらしい。よしよし。


「本当に優勝しちゃうなんてね・・・おめでとう!!」


「本当にすごかったです! おめでとうございます!!」


「すごかったのです! 人間とは思えなかったのです!!」


「うむ、というか人間離れしすぎていたのだ」


「優勝おめでとうございますっす、アニキ! 是非、ご指導願いたいっす!!」


「アシュラ・・・アルクさんだって疲れてるんだから・・・本当におめでとうございます!!」


アテナ、アルマ、アーニャ、アヴァン、アシュラ、アスターからも賛辞の声が聞こえる。というか何時もよりテンション高いな。これが優勝効果か。あとアーニャ、アヴァン、俺は人間だ。アシュラ・・・お前はもうそれで良いよ。


「マサカ私ノ同型機ガ出テクルトハ思イマセンデシタ。・・・優勝オメデトウゴザイマス」


いつも毒舌なラグマリアも今日は素直に賞賛してくれる・・・同じ【ヴァルマキナ】のラグゼノアの事も気になるみたいだが。あとでカオスの奴をひっつかまえて聞いてみるか。答えてくれるかは知らんけど。


「オ疲レ様デシタ、マスター。優勝オメデトウゴザイマス」


「おう、ありがとなカイザー」


同じく賞賛してくれるカイザー・・・カイザーはクランの【眷属】ではあるものの、俺としてはアーテルやアウルとは同列と思っているからルールとはいえ試合に出せなかったのは申し訳ないと思っている。また今度活躍の機会を設けたいと思う。


「やあ、アルク! 優勝おめでとう!!」


続いて俺の手を強く握ってブンブン上下させるラング。・・・コイツがここまでテンション高いと裏を感じるのは俺の気のせいだろうか?


「お前が喜んでいるのは賭けに勝ったからなのか、同盟クランとして【インフォガルド】の株が上がったからなのか、友達が勝ったからなのか、一体どれなんだ?」


「勿論、全部に決まってるじゃないか!!」


・・・正直なのは良いことなのかもしれないが、あけすけ過ぎるのも考えものだな。まあ、俺の優勝を喜んでくれているってことにしておこう。


「アルク・・・お主、まだ最初に渡した武器を持っとったんじゃな」


次はガットか・・・【鉄の大剣(バスターソード)】のことを言ってるんだな。


「ああ、【豪剣アディオン】があるから使う機会がまるで無かったが、何かに使えると思って持ってたんだ。・・・まさか決勝戦で使うとは思わんかったが・・・おかげで勝てたぜ」


「・・・そうか。そう言ってもらえると職人冥利に尽きるのう」


俺の言葉を聞いて・・・ガットは嬉しそうだった。


「それに【アイゼンガルド】の宣伝にもなったじゃろうし万々歳じゃのう」


・・・と思ったが、なにやら余計な事を言い始めたので砕けた【豪剣アディオン】をガットに見せてやった。・・・また膝をついて落ち込み始めた。浮き沈みの激しい奴だな。


それからもロゼさん、ヴィオレ、ヒューナスなどなどお祝いの言葉を貰った。


・・・うむ、悪くない。


そういえばカオスの奴が注意しろって言っていた二人ってアテナとアルマのことだよな?


一体なにを注意しろって言うんだ?


そう思ってアーテルとアウルの頭を撫でている二人を凝視していると・・・


「ちょ、ちょっとどこ見てるのよ!?」


・・・なにやらアテナさんが胸を抑えながら叫んだ。・・・なんかとんでもない誤解を受けてません?


「・・・で、でもちょっとくらいなら・・・」


・・・なに言ってるんですか? アルマさん? なんでちょっと胸をのけぞらせてるんですか?


「ちょ、ちょっとアルマ! 正気に戻って!!」


アテナがアルマの肩を掴んで必死に揺さぶる。


・・・カオスさんや、俺にこの二人のナニを注意しろって?


・・・あー、優勝賞品なにかなー?


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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