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総力を挙げて

カオスの奴がゆっくりと得物を取り出した。


「だうー!!」


両手に持った二本の大刀・・・【双神刀ブライ】だ。


「ムムッ!!」


いよいよ動くらしいな、あの野郎は・・・


「だう!だうだう・・・だーうー!!」


まずいな・・・ただでさえステータスでも負けている上に【眷族】の数でも負けているこの状況で、主であるカオスまで介入されたら・・・


「ムッ!ムムッ!!ムームー!!」


真正面から戦っても勝ち目は無い。なんとか・・・


「だああああう!!」


「ムムーーーー!!」


「「・・・うるさいぞ、お前達」」


・・・まさか俺とカオスのセリフ被りが起きるとは。


先ほどからアウルと・・・エンマ?が壮絶なチャンバラを繰り広げていた。


縦横無尽に飛び交う10本の剣と刀がキンキンキンキンと火花を散らしながらぶつかりあっている上にアウルもエンマも興奮しているのかだうだうむーむー叫ぶもんだから、ね。


「だう?」


「ム?」


・・・そんな不満そうな顔されても・・・いや、確かに指示したのは俺たちだし、熱中してた所を邪魔したのは悪いとは思うよ?


ただ、もうほんのちょびっとだけ主に気を使って欲しいだけなんだよ。


「・・・もういいぞ、エンマ」


「ム?・・・ムウ・・・」


カオスに言われて侍姿の男の子・・・エンマは刀を消した。・・・かなり不満そうだが。


おいおい、そんなことしたら・・・


「だう!!」


アウルの【オービットソード】が容赦なく襲ってくるぞ?・・・俺は止めないぞ?元々そのつもりだったんだし。


「・・・フン」


・・・しかし、カオスの振るった【双神刀ブライ】によってアウルの【オービットソード】は全てあっけなく砕け散った。


「・・・だう・・・」


ほらほら、アウル。そんなショックを受けたような顔をしない。予想はしていただろう?


「・・・ディーラ、ラグゼノア。戻って来い」


「ぎゃお!!」


「了解シマシタ」


む?・・・なぜかカオスは攻撃を繰り返していたディーラとラグゼノアを自分の所に呼び戻した。


仕切りなおしのつもりか? っていうかディーラもちゃんとカオスの言う事は聞くんだな。


「クルー・・・」


お、アーテルも戻ってきた。こっちも仕切りなおしといこうか。


俺もアーテルとアウルを引き連れて、カオスたちとは離れた場所の地面に着地する。


・・・さて、と。カオス側の戦力はあれで出揃ったらしい、こっちの戦力も出揃った。


あとは総力戦となるわけだが・・・数の差が厳しいな。


せめて数が同じなら1対1に持ち込めるんだがなぁ・・・現状、あっちの方が一人多い上にアイツら一人一人が皆強い。全員が全員、俺たちと互角以上の実力を持っていると考えて良い。強引にバラけさせようとしてもどこかは必ず2対1になる。


そうなれば・・・各個撃破されていくのがオチだ。


となると俺に残された道は一つしかない。


俺は【閃槍アーディボルグ】と【グランディススナイパーライフル】をしまい、【豪剣アディオン】を取り出した。


さらに・・・


「アウル!【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】発動!!」


「だうっ!!」


アウルと一体化し、さらにさらにアーテルの背にまたがり、準備完了である。


「・・・まさに三位一体といった所か」


「数で負けている以上、こっちは量より質で勝負させてもらう」


そう、これは一種の賭けだ。


4対3・・・人数的には4対2になってしまったが、カオスが言ったように俺たちは三位一体で戦う。量よりも質を重視して相手を一人ずつ各個撃破していく。


問題はアイツら全員を倒すまで俺たちのHPが持つかどうかだが・・・他に手が無い以上、これが一番勝算が高い戦術のはずだ。あとは気合と根性で乗り越えるしかないな。


「・・・フン、面白い。ならばどこまで持ちこたえられるか見せてもらおうか。行け、ディーラ、ラグゼノア、エンマ」


「ぎゃおおお!!」


「了解デス」


「ムムー!!」


カオスの指示を受け、三者が三様にこちらに向かってくる。


ディーラはその巨体を重く響かせながらこちらに突撃してくる。


ラグゼノアは両手にランチャーを構えてこちらを狙ってくる。


エンマは10本の白い刀を出現させながらこちらに飛んで来る。


さらにその後にカオスも二本の大刀を携えながらこちらに向かってくる。


・・・カオスの野郎は質よりも量で仕掛けてくるようだ。てっきりエンマとの【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】を使ってくるかと思ったが・・・数でこちらを押しつぶす気か。


俺は【豪剣アディオン】を構えながら・・・叫ぶ!!


「【()()()()()()()()()()()()()()】! 発射ぁ!!」


「「「「!?」」」」


()()()()()()()()()【グランディスチェイサー】・・・が変形した【グランディスバスターキャノン】が、驚愕の表情をしているカオスたちに向かって火を噴いた。


フハハハハハ! ヴァラットとの試合で【グランディスチェイサー】をリモートコントロールしていた所を見ていなかったのか!?


こんな事もあろうかと地面に降りる前に【グランディスチェイサー】を取り出して待機させておいたのだ!!


上空からの巨大な閃光に容赦なく包み込まれるカオスたち。


そして爆発。周囲に爆煙が立ち込める中・・・


「行くぞ、アーテル!アウル!!」


「クルッ!!」


『だう!!』


外と内で返事をするアーテルとアウルを引きつれ、爆煙の中にいるはずのカオスたち目掛けて突撃する。当然、この程度でやられるような奴らじゃないだろうしな!


「アーテル!【レーザーダイブ】!!」


「クルー!!」


光に包まれたアーテルに乗り、高速で駆ける。


最初に狙うのは・・・


「!?」


バリヤーを張り、上空の【グランディスチェイサー】をランチャーで打ち落とそうしていたラグゼノアだ。


「【マキシマムスラッシュ】!!」


アーテルの背に乗りながら【豪剣アディオン】を振るう。


俺の剣はラグゼノアのバリヤーを切り裂き・・・二丁のランチャーのうち、一丁を破壊した。さらにわずかではあるが、ラグゼノアの鎧にも亀裂を入れることが出来た。


【豪剣アディオン】なら・・・ラグゼノアの装甲も突破できる!


「・・・油断も隙も無い奴だな」


なんてことを考えていたら爆煙の中からカオスの奴が斬りかかってきた。


「・・・【双覇・疾風連斬】」


「【ミーティアルスラッシュ】!!」


【豪剣アディオン】と【双神刀ブライ】の激しい剣戟。


【双神刀ブライ】は斬った対象の特殊効果を無効化する力がある。今の【豪剣アディオン】には特殊効果は付加されていないが、【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】の俺の体に一太刀でも浴びたらどうなるかは・・・想像に難くない。


なので俺は必死で【双神刀ブライ】の攻撃を【豪剣アディオン】で受け止める。


しかし、二本の大刀を相手にするには剣が一本足りない。


「ムッ!」


おっと、さらにエンマまでもが白い刀を出現させながら迫ってきているな。


「【シンクロ】スキル発動!【オービットソード】!! アーテル!【シャイニングフェザーインパクト】!! 【ミーティアルスラッシャー】!!」


『だうー!!』


「クルー!!」


アウルの光の剣、アーテルの光の弾丸、そして俺の無数の斬撃を同時に繰り出し、カオスたちから距離を取る。


「・・・」


「クッ!? バリヤー展開!!」


「ムムッ!?」


乱戦は不利だ。ヒット&アウェイで次のターゲットを狙う!


次のターゲットは・・・


「ぎゃおおおお!!」


お前だ、ディーラ!


「【ブレイジングセイバー】!【マキシマムスラッシュ】!!」


俺は【豪剣アディオン】の剣先に巨大な光の刃を形成、向かってくるディーラに一気に振り下ろす。


「ぎゃおおお!?」


巨大な光の剣を抱きしめるように受け止めるディーラ。・・・ちぃ! なんてパワーと防御力なんだ!! 【豪剣アディオン】でさえ、表面を少し傷つけただけかよ!!


「【ウィンゼルヴミサイル】発射!!」


背後からラグゼノアが放ってきたミサイルが迫る。


「アーテル、上だ!【グランディスバスターキャノン】!!」


「クルッ!!」


直ぐに剣を引き、アーテルに上空へ逃れるように指示を出す。同時に俺たちを追ってきたミサイルを【グランディスバスターキャノン】の援護射撃で潰す。


「ぎゃおおお!!」


「追跡開始」


「ムムー!!」


「・・・」


上空を逃れた俺たちを追いかけてくるディーラ、ラグゼノア、エンマ・・・そしてカオス。


・・・やっぱり四人相手はきついな。


ここが踏ん張りどころか。


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