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アルクvsカオス

試合開始と同時にカオスに向かって一直線に駆け出す。


そして・・・


「うおらぁ!!」


スキルも何もない、ただのパンチを繰り出す。


「・・・フン」


それに対しカオスは無表情に、無感情に拳を突き出してきた。


ドゴッ!!


拳と拳がぶつかりあう。轟音と共に空気が震えるのが分かった。・・・現実ではありえない現象に、ここはやっぱりゲームの世界なんだな、と場違いな事を考えてしまう。


「・・・まさかスキルも使わず素手で来るとは思わなかったな。勇猛か無謀、どちらだ?」


平然として俺の拳を受け止めたカオスが言う。


「どっちでもないさ・・・そのすかした顔を一発殴りたかっただけだ。【ブラスト・ラッシュパンチ】!」


今度は両手での連撃に切り替える。


「・・・【ブラスト・ラッシュパンチ】」


カオスもまた、同じスキルでの連打を放ってきた。


打ち合い、ぶつかりあう拳は相手の体には届くこともなくお互いがお互いに拳をぶつけ合うだけとなった。


・・・素の状態、スキルを使った状態のパワーもスピードもほぼ互角か。・・・いや、カオスは明らかに俺のパンチに()()()()()()()()。少なくともスピードは向こうの方が上か。


「【力天の強豪(アーク・ブレイズ)】!!」


俺は更にスキルを使ってパワーの底上げを行い、なおも拳の連打を放つ。


「【冥獄の(ユベル・)獣は力強く打つ(ガンレイ・フェルガ)】」


しかし、カオスもすかさずスキルを使ってきた。ベルバアル戦の時も使用したパワーの底上げのスキルだ。


ドガガガガガガガッ!!


ぶつかり合う拳が重くなり、轟音も更に酷くなっていく。ぶつかり合う拳の衝撃で地面にヒビまで入り始めた。・・・ゲームというより漫画かアニメみたいだな。


「・・・クッ!」


俺のほうが押され始めた。明らかに俺のほうがパワー負けしている。


力天の強豪(アーク・ブレイズ)】よりもカオスの謎言語スキルのほうが上だって言うのか。


ならば・・・


「【韋駄天の俊走アークヘブン・アクセル】!!」


俺は更に更にスキルを使用した瞬間、世界がスローモーションのようにゆっくりとなる。轟音も聞こえてこない。


そんな中でも俺は変わらず連打を繰り返していた。いや、変わらずというのは俺の感覚で、であってカオスや第三者から見れば、俺のスピードは目に見えないほど飛躍的に上がったはずだ。


俺のスピードに周囲が追いついていない。だからスローモーションのように見える。


そしてカオスの動きもゆっくりに・・・はならなかった。


「【冥獄の(ユベル・)獣は疾く駆ける(レンツァ・フェリル)】」


スローモーションの世界でもカオスは変わらず動いていた。いや、むしろスピードが上がったように思える。・・・スピードですら負けているっていうのか。


そもそも俺の攻撃に対してカオスは()()()でスキルを使っているのにも関わらず、俺の攻撃は当たらない。それはつまり・・・そういう事なんだろう。


だが、パワーもスピードも大きく差があるというわけではないようだ。そうでなければ俺はとっくに押し負けているはず。


・・・カオスの奴が手加減をしていなければ、だが。


カオスの奴は相変らず無表情だ。焦りも無ければ油断も無いように見える・・・のだが、どうも俺には余裕シャクシャクに見えてしまう。


やはり、どうにかしてその無表情に一発決めたい所だ。


・・・そのためには隙を作らないと、な。


俺は連打の最中、片方の手の握り拳を開き、カオスの拳を受け止めた。


「・・・」


・・・チッ! カオスの奴は欠片も動揺した様子が無い。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


違和感って何かって?


カオスは今、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


つまり、どうなるかっていうと・・・


ドォォォンッ!!


・・・当然、爆発する。フレンドリーファイヤは無効なので俺にはダメージは無いが、カオスにはダメージがあるはず・・・


「・・・加速中に爆発を起こした所で回避できるぞ」


だったのだが、既にカオスは拳を退いていた。さすがにこんな超加速中だと、爆発が起こる前に拳を退くことくらいはできる、か。


・・・そして超加速中にも関わらず、声は届く不思議(笑)。


「わかってらぁ!【ブラストキック】!!」


爆発は隙を作るためのフェイント、本命はこの蹴りである。


「【ブラストキック】」


・・・が、それもカオスには防がれた。チクショーめ、わざわざ同じスキルを使って防いできやがって! やっぱり余裕ぶっこいているだろ!!


許せん!


・・・ということで・・・


「ほれ」


俺はもう片方の手に握りこんでいたもう一個の【グランディスボム】をカオスに向かって放り投げた。


・・・なお、俺もカオスも超加速中なので俺の手から離れた【グランディスボム】はゆっくりと放物線を描くようにカオスに向かっていく。


「・・・舐めているのか?」


当然ながらカオス側から見てもゆっくりに見えるはずで、【グランディスボム】を叩き落とすことなんて簡単だろう。


・・・が。


「させるか!【ソニック・ラッシュパンチ】!!」


俺はカオスの【グランディスボム】を叩き落とす手を止めるように再び拳の連打を放つ。


「【ソニック・ラッシュパンチ】」


カオスも対抗して拳を放ってくる。しかも、また同じスキルだ。


しかし、【グランディスボム】まで手が回っていない。やはりそこまでスピードに差があるわけではないようだ。


何十発、何百発という拳を交える中で、ゆっくりとカオスに近づいていく【グランディスボム】。・・・これ、周りからはどう見えているんだろうか?


なんてどうでもいいことを考えているうちに【グランディスボム】がカオスの胸に・・・当たった。


ドォォォンッ!!


瞬間、【グランディスボム】が爆発した。


・・・今こそ絶好のチャンス!


「【ソニックキック】!!」


その爆発とほぼ同時に俺は蹴りを繰り出していた。


いかにカオスとはいえど、あれだけの爆発を食らえば体勢くらいは崩すはずだ! そこへ一気に畳み掛ける!


そう思って放った蹴りだったが・・・甘かった。


「【ソニックキック】!」


俺が蹴りを繰り出すのとほぼ同時に、カオスも蹴りを繰り出してきた。爆発など微塵も気にした様子など無く。


ドガッ!


俺の蹴りはカオスの胸部分を捉えた。


しかし、その直後・・・


ドガッ!


「・・・クッ!?」


俺の顔面を狙ってきたカオスの回し蹴りを腕で受け止める。


お互いがお互いに攻撃を与え、受けた所で距離ができた。


そこでようやくスキルも解け、超加速状態から通常状態へと戻った。


俺の方はダメージはほとんど無かったが・・・カオスのほうもダメージがあるようには見えない。


カオスの方は【グランディスボム】の爆発と俺の蹴りをもろに受けたはずなのに・・・しかも、ここまでやってようやく攻撃を当てることが出来たとは。


・・・一撃が遠いなぁ。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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