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聖剣への対抗策

アーテルの援護のおかげで命拾いしたが・・・状況は変わっていない。


ラーサーが持っていない【聖剣】の属性の中で俺が使える属性は闇属性だけだ。つまり、闇属性を使うのが有効なわけだが、【魔法】や【魔法付加(エンチャント)】を使ってもあの【聖盾】に阻まれる。【勇天の一撃(アーク・ストラッシュ)】や【魔天の叡智(アーク・ウィズダム)】を使えばあの盾も砕ける可能性はあるが・・・ラーサーまでは届かないだろう。逆にこっちが後に続かない。


ラーサーは出したばかりの【聖盾】はまた元の【聖剣】に戻していた。・・・あくまで攻撃メインのスタイルで来る気か。だが、いざとなったらすぐに【聖盾】を出してくるだろう。ラーサーの反応も早いし、切り替えもが早い。よほど上手く隙をつかない限り、こっちの攻撃は通らないだろうな。


【聖剣】も【聖盾】も厄介すぎる・・・いや、それらを上手く扱うラーサーが、か。


対して俺はというと・・・ラーサー相手に俺一人では厳しい。文字通り手が足りない。アウルの助けが必要だが・・・アウルを今のように単独で行動させるのは危険すぎる。


・・・となると残る手段は一つしかない。


俺は【閃槍アーディボルグ】をしまうと・・・


「アウル!【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】だ!!」


「だう!!」


アウルが輝きだし、俺の中への吸い込まれていく。さらに・・・


「【シンクロ】スキル発動! 【オービットソード】!!」


今度は俺がアウルのスキルを借りて光の剣を出現させる。


【シンクロ】スキルは【眷属】のスキルを使用できるようにするスキルだ。便利なスキルだがデメリットもある。俺が【シンクロ】で【オービットソード】を使っている間、アウルは同じスキルを使用することができない。


また、【シンクロ】スキルは俺のLPを消費する。【限定召喚】でLPを消費している今の状況ではかなり危険な賭けになる。


それにスキルの使用で消費するBPは俺のものになるし、操作も俺がすることになる。


まあ、【オービットソード】は【剣術】に分類されているから【精霊憑依(レイ・ポゼッション)】使用中はBPを消費しないし、アウルと一体化しているからアウル側でスキルが使用できなくなるのも問題はない。


問題は残りLPと・・・【オービットソード】を操作する俺の集中力だな。


「・・・」


そんな俺の様子をラーサーは黙って睨みつけている。


その表情には・・・先ほどまでのような余裕は一切ない。


本気になった・・・というよりは何か必死の様子だ。正直、ラーサーらしくない。・・・俺もラーサーのことを詳しく知っているわけではないが・・・天才肌で、常に余裕を持ちながらそつなく戦うタイプだと思っていた。


・・・余裕がないのは俺も一緒か。


俺は両手で【豪剣アディオン】を握りしめる。


ここからは・・・一瞬たりとも気を緩めることはできない。少しでも集中力を切らしたら・・・終わる。


「・・・行くよ?」


・・・余裕はなさげながらも、律儀に宣言してくるラーサー。違和感を感じるものの・・・気にする余裕はない。


「・・・来い!!」


お互いがお互いに相手に向かって駆けだす。


「【ミーティアルスラッシュ】!!」


「【嵐の剣(スパーダ・テンペスタ)】!!」


ドガガガガガガガッ!!


もう何度目かになるラーサーとの剣の打ち合い。


俺は【豪剣アディオン】と【オービットソード】を必死に降り、【聖剣】に対抗する。


パリィン! パリィン!!


クッ!? 【オービットソード】が【聖剣】をさばききれず破壊される。その度に新しい【オービットソード】を出しているが・・・いずれ限界が来る。


・・・?


やはり、何か違和感があるな。こうして六本すべての【聖剣】に意識を集中させるとよりはっきり感じる。だが、その違和感の正体が何なのかわからない。


ガキンッ!!


「グッ!?」


【攻鎧アルドギア】の右足部分が【聖剣】で破壊されてしまった。


バキンッ!!


「・・・クッ!?」


お返しとばかりに突き入れた【豪剣アディオン】が、ラーサーの鎧の脇腹部分を破壊した。


・・・やはり、おかしい。


ガキンッ! バキンッ!!


・・・何故、ラーサーは【聖盾】を出して俺の攻撃を防がない?


ドガッ! バキンッ!!


ラーサーの攻撃は激しさを増しているが・・・防御がおろそかになっている?


ガキンッ!!!


お互いの攻撃がお互いの鎧を削り合う中・・・ラーサーが苦悶の表情を浮かべた。


同時に・・・ラーサーの周囲に浮かんでいた四本の【聖剣】の動きが一瞬止まった。


これは・・・そうか。


いくらラーサーでも六本の【聖剣】を同時に使うのは・・・とてつもない負担なんだな。


両手に持った【聖剣】はともかく、残り四本の聖剣は・・・【念動力】による操作・・・いうなればイメージと感覚だけで操作している。その集中力は驚嘆ものだが・・・さすがに長時間使用は厳しいのか。


今にして思えばラーサーは、アーテルの不意打ちブレスを防いではいたが・・・その瞬間は攻撃を止めていた。だからこそ俺とアウルは離脱できたわけだが・・・おそらく攻撃か防御、どちらかを意識して集中しないと上手く操作できない、といった所だろう。


考えてみれば当然か。攻撃と防御を同時に処理するのは平静な状態でも難しい。これまでの戦いでラーサーはそれを平然とやっていたが、さすがに六本腕になるとかなり厳しいらしい。


となると・・・これはチャンスだ。


「おおおお! 【マキシマムスラッシュ】!!」


俺は防御を最小限にして一気に攻撃へと転じた。


【聖剣】がいくつか【攻鎧アルドギア】に突き刺さるが・・・まだ行ける!!


「・・・!【聖盾グラウジス】!!」


ラーサーは再び盾を出して俺の【豪剣アディオン】を防いだ・・・が、俺の攻撃はここからだ!!


「【力天の強豪(アーク・ブレイズ)】!【俊天の疾走(アーク・アクセル)】!!」


俺は瞬時にパワーとスピードを強化、そして・・・


「【ミーティアルスラッシュ】!!!!」


【聖盾】を滅多切りにする。


今度は威力を底上げし、さらにスピードアップして何度も何度も斬り付ける。


ピシッ! ピシピシッ! バキィィィンッ!!


俺と【豪剣アディオン】の猛攻の前にさしもの【聖盾】も・・・砕け散った。


「・・・!!」


それに驚くラーサー。だが、予想通り防御に意識を割いた所で【聖剣】の動きが止まった!!


この機は逃すことなく俺は【豪剣アディオン】をラーサーに振り下ろ・・・


「・・・なに!?」


・・・そうとした所で割り込んでくる影があった。


「ヒヒーン!!」


「スぺラ!?」


そう、割り込んできたのはラーサーの【眷属】であり、空中でアーテルと戦っていたはずのスぺラであった。


スぺラはラーサーをかばうように立ちはだかり・・・


「ヒ・・・ヒヒン・・・」


【豪剣アディオン】の一撃をもろに受けた。


それが致命傷だったのか、スぺラは光となって消えていく。


「・・・!!」


スぺラの捨て身の行動には驚いたし、賞賛したい所だが・・・今の俺にはそんな余裕はない。ここでラーサーを逃す事もできない。・・・俺はラーサーに再度攻撃を試みる。


しかし、ラーサーは・・・


「あああああ!!!【嵐の剣(スパーダ・テンペスタ)】ァアアア!!!!」


ラーサーらしからぬ叫び声と共に滅茶苦茶に【聖剣】を振り回す。


「うおっ!?」


スぺラを失った所でキレたのか、今までのように剣に精細さがまるでない。


しかし・・・


「あああああ!!!!」


さらにラーサーは【力聖剣】、【速聖剣】、【鉄聖剣】まで出してきやがった!


両手の二本の【聖剣】を振り回し、宙に浮かぶ七本の【聖剣】が滅茶苦茶に飛び回る。


・・・まるで制御できていない! これじゃラーサーに近づくのは・・・くそっ!!


「アーテル!!」


「クルー!!」


スぺラを追ってきていたアーテルを呼び、アーテルの足を掴んでその場から離脱する。


【聖剣】が届かないだろう場所まで離れて着地する俺とアーテル。


ラーサーは・・・追ってくることなく、その場で暴れまわっていたが・・・少しして電池が切れたかのように動きを止め、その場に片膝を突いた。


ラーサーの周囲には九本の【聖剣】が地面へと突き刺さっていた。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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