聖剣六刀流
ラーサーが持っている【聖剣】は・・・両手に【火聖剣】と【水聖剣】、さらに周囲に【光聖剣】【氷聖剣】【風聖剣】【雷聖剣】が浮いている。
四本の聖剣は・・・それぞれバラバラの動きをしている。そしてそれらは、決して無軌道ではなく明らかに制御された動きだった。それはつまり・・・【念動力】で四本の【聖剣】をそれぞれ制御しているということだ。
それはつまり・・・目に見えない四本の手で【聖剣】を操っているということと同義だ。
・・・そんな馬鹿な・・・人間の感覚からいって、手が一本増えただけでも大変なはずなのに、四本も手が増えて自在に動かすなんて・・・人間技じゃねぇ。
おまけにさっきまでまるで感じなかった殺気をまた出してきやがった。試合前までの垂れ流しだった殺気とはまた違う。俺の命を一直線に狙った鋭い針のような殺気だ。
・・・ラーサーの奴、本気と書いてマジで来る気だな。
「・・・【聖剣】は持っているだけで効果があるって言っていたな・・・その状態でも有効なのか?」
目の前の状況はにわかには信じがたいが、現実逃避もしていられない。俺が今、もっとも警戒しなければいけない点、それは六刀流もそうだが・・・それ以上に【聖剣】の効果だ。
「・・・もちろんさ!【ミーティアルスラッシャー】!!」
ラーサーは六本の【聖剣】を振り、それぞれの【聖剣】から斬撃を飛ばしてきた。
赤、青、緑、黄、白、水色の斬撃が入り乱れるように飛んでくる。
・・・なかなか綺麗・・・ってそれどころじゃねぇ!!
「【堅牢の鉄盾】!!」
ドガガガガガガッ!!
ラーサーの言葉通りに、すべての斬劇にはそれぞれの属性が付加されているようだ。
・・・おうふ、ガットの作った【堅牢の鉄盾】があっという間ににボコボコに・・・観客席からNoooo!!とかいう叫び声が聞こえてきた気がするが・・・気のせいだな。
バキバキバキ!バキィン!!
「うおっ!?【俊天の疾走】!!」
【堅牢の鉄盾】が粉々に砕け散ってしまったので加速しながら避ける。・・・逃げ回るともいう。
・・・あ、観客席から叫び声が途絶えた。
「ハハハ!逃がさないよ!!」
そんな俺を、ラーサーは六本の【聖剣】を構えながら追いかけてきた。その様は目にこそ見えないが六本腕の阿修羅のよう・・・あ、アシュラじゃなくて阿修羅ね。・・・ややこしい。
・・・これはやばいな、こっちも出し惜しみしていられない。
俺は左手に【閃槍アーディボルグ】を持ち、右手に【豪剣アディオン】を取り出す。さらに・・・
「【限定召喚】!来い、アウル!!」
「だう!」
呼び出したアウルは・・・ラーサーを驚愕の表情で見た。毎回毎回、大変な時に呼び出してごめんね。・・・そうだよな。あんなのに追いかけられてたら驚くよな。
「だう!だうだーう!!」
・・・と思ったら違った。なにやらアウルが興奮しとる。
・・・ああ、【聖剣】を見て興奮しているのか。【剣鎧の精霊】のアウルは、珍しくて強力な剣や鎧が好きらしいんだよね。【聖剣】を見て興奮するのも無理も無い・・・のか?
「落ち着け、アウル!あれは敵だ、敵!!」
「・・・だう?」
【聖剣】に見惚れている場合じゃないぞ、アウル。
「そうそう、敵だよ」
・・・おうふ、ラーサーがいつの間にか背後まで・・、
「合わせろ、アウル!【オービットソード】!」
「だう!!」
アウルの周囲に光の剣が出現する。
「【エクステンドスピア】!【ミーティアルスラッシュ】!!」
さらに俺も【閃槍アーディボルグ】と【豪剣アディオン】で高速突きと高速切りを繰り出す。
対してラーサーは・・・
「【聖剣技:嵐の剣】!!」
赤、青、緑、黄、白、水色のオーラを纏った六本の【聖剣】を繰り出してきた。
ドガガガガガガッ!!!
俺とアウルで協力してラーサーの六本の【聖剣】に対抗する。
「おおおおお!!」
「だあああう!!」
ラーサーが振り下ろす【水聖剣】を【閃槍アーディボルグ】で止め、すかさず振り下ろされてきた【風聖剣】、【雷聖剣】、【氷聖剣】、【光聖剣】をアウルの【オービットソード】で弾き、【火聖剣】を【豪剣アディオン】で防ぐ。
・・・クッ! 防戦一方だ・・・ラーサーの野郎にも、先ほどまでの余裕の表情はなく、鬼気迫る表情をしている。・・・これがラーサーの本気か。
問題はまだある。
【閃槍アーディボルグ】と【豪剣アディオン】は、まだ【聖剣】に対抗できるようだが・・・
パリィンッ!!
「だう!?」
アウルの【オービットソード】が砕けた。やはりスキルで出した剣では【聖剣】を相手にするには強度が足りないらしい。【オービットソード】が砕けるたびにアウルは新しい剣を補充しているが・・・このままではアウルが力尽きるのも時間の問題だ。
「へぇ・・・見事な連携じゃないか・・・こう見ると【精霊】もすごい、ね!!」
ガキンッ!!
「クッ!・・・羨ましいか? その言い分だとお前には【精霊】の【眷属】はいないみたいだな?」
バキンッ!!
「残念ながら、ね。どこかに【聖剣】の【精霊】とか居ないかな?」
ドガンッ!!
「知るか!!」
バゴンッ!!
・・・駄目だ。こうして会話していてもラーサーの集中力は全く落ちない。むしろ剣の鋭さが増していっている気がする。
このままじゃあ・・・
「・・・面倒だね。まずはうっとおしい【精霊】の方を先に片づけるか」
「!?」
そう言うとラーサーは標的を俺からアウルに変えてきた。
アウルは俺の頭上にいて【オービットソード】を操っていたが・・・まずい!
「【マキシマムスラッシュ】!!」
なんとか食い止めようと、捨て身で攻撃する俺。
ガキンッ!!
・・・!?
しかし、俺の【豪剣アディオン】は【聖盾】によって止められた。・・・いつの間にか【聖剣】が一本減り、代わりに【聖盾】が宙に浮かんでいた。
その盾が俺の攻撃を防いだ・・・そりゃあ、【聖剣】を操れるんだから【聖盾】だってできるだろうが!!
「終わりだよ!」
ラーサーの【聖剣】がアウルに迫る。
まずい・・・間に合わない!!
「クルーーーー!!!」
あと一歩でアウルがやられると思った所で頭上からアーテルのブレスが放たれてきた。
「む!?」
ラーサーはすぐさま【光聖剣】を盾のようにしてアーテルのブレスを防いだ。
その隙に、俺はアウルを抱えてその場から離脱した。
・・・危なかった・・・アーテルに感謝だな。
「ヒヒーン!!」
しかし、アーテルは・・・ブレスを放っていた所をスぺラに体当たりされていた。
それによってブレスは中断されてしまった。
・・・すまん、アーテル。試合が終わったらいっぱいお菓子をあげるからな。
「・・・」
攻撃を邪魔されたのが気に食わないのか、ラーサーは怒りの表情で俺たちを見ていた。
作者のやる気とテンションを上げる為に
是非、評価をポチっとお願いします。
m(_ _)m




