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モンスターブレイク

俺がする反撃と言えば・・・いつも通り力押しである。


「アーテル、【レーザーダイブ】」


「クルー!!」


俺の言葉と共にアーテルは()()()()()()()光に包まれ加速して行く。


ただし、今度はミーシャたちに向かって真っ直ぐ突進して行くわけじゃない。


ゴリラ、カマキリ、シカの攻撃を回避しつつ、ミーシャやカメの動きを牽制するようにミーシャたちの周囲をランダムに飛びまわる。


時に近づいたかと思えば高速で離れて行き、またある時はジグザグに飛びながら攻撃をかわす。


・・・むちゃくちゃな動きで正直、アーテルの背から振り落とされそうなんだが・・・気合でこらえる。


「【グランディススナイパーライフル】」


気合を入れつつ俺が取り出したのは遠距離狙撃用のライフルだ。猟銃の代わり・・・と言ってはなんだが大物を狩るならこれだろう。


俺は【グランディススナイパーライフル】を構える・・・も、照準は安定しない。


当然だ。


足場であるアーテルが高速で飛びまわってるんだからな。


照準なんて安定するわけが無い。


・・・と考えるのは素人の考えである。・・・俺も素人だけど。


俺たちはトーナメントに向けて色んな場面を想定し、模擬戦を繰り返してきた。当然、アーテルの背乗った状態での戦闘訓練も、だ。


乗馬した状態での剣や槍、そして銃の練習もたくさん行った。


そんな中で分かったのはアーテルはかなり()()()()飛行していると言う事だ。


止まれと言えば、本当に空中でピタリと静止する。・・・翼を動かさずどうやって宙に浮いているのかは不明だが・・・【天龍馬】の不思議パワーなんだろう。


動くにしても風圧はほとんど感じず、乗り手の俺には負担はかからない。・・・まあ、今みたいに急発進や急停止、急カーブなんかを繰り返しているとさすがに俺にもGがかかってつらいが。・・・こういうところは良く出来てるよ、このゲーム。


・・・まあ、それはともかく。アーテルがよほど無茶な動きをしていない限りはアーテルの背に乗った状態での狙撃もほぼ問題は無かったということだ。


ただし、今は違う。


悠長に飛行してたら撃墜されてしまうし、逃げ場も無い。


あまり離れすぎるとライフルの射程からも外れてしまう。


かと言って無策で近づけば返り討ちになるだけ。


故に俺たちは待っている。


ミーシャとその【眷属】たちのポジショニング、そしてアーテルの飛行スピード・・・タイミング・・・そして狙撃のポイント・・・全てがベストな状態となる瞬間を。


時間は限られている。


しかし、焦りは禁物。


そして勝負は・・・一瞬で決まる!


・・・今だ!!!


「アーテル!【シャイニングフェザーインパクト】!!」


「クルー!!!」


高速で移動を続け、俺たちがミーシャたちの頭上を取ったタイミングで、アーテルが翼から大量の光の弾丸を放つ。ミーシャだけではなく、ゴリラ、カマキリ、シカ、カメを巻き込むように広範囲で、だ。


「!? トーちゃん!!」


「ボエー!!」


そのタイミングですかさずカメは自分たちの頭上に甲羅型の盾を張る。しかし、盾に守られている対象はミーシャ・・・()()だった。


思ったとおり、あの盾の大きさは固定。あれ以上広げる事はできないようだ。それに一度に一つしか出す事が出来ない。主であるミーシャが狙われた以上、ミーシャを守るために他を無視して盾を張るのは当然。


だからこそ・・・ミーシャと【眷属】たちが一定の距離を離れるのを待っていた!


盾の範囲から外れているゴリラ、カマキリ、シカ・・・そしてカメ自身もアーテルの放った光の弾丸を食らってダメージを受けている。


こちらへの攻撃を止め・・・盾の下にもぐりこもうとしているようだ。


だがそうはさせない!


「行くぞ、アーテル!!」


「クルッ!!」


光の弾丸が降りしきる中、ミーシャたちの頭上を取っていた俺たちはミーシャたちに向かって一気に急降下した。同時に俺は【グランディススナイパーライフル】を構える。


いかに超スピードとはいえ、()()ならば風圧にさえ邪魔されなければ照準がぶれる事は無い!


「みんな・・・!?」


ダメージを受けている【眷属】を見てミーシャが動いた。


おそらく【還元送還】をするつもりなんだろう。


だが・・・


「遅い!【韋駄天の俊走アークヘブン・アクセル】!!!」


ダメ押しとばかりに俺自身も超加速状態に入る。


俺以外の全てがスローモーションのように動く中、俺は冷静に【グランディススナイパーライフル】で狙いを定める。


狙うのはゴリラ、カマキリ、シカ、カメの四体。


ミーシャは今だ盾に守られているから狙うのは無理だ。


しかし、【眷属】の四体は・・・ヘッドショットを狙って確実に仕留める!


パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!


四発、発射。


超加速状態のせいか、弾丸すらもスローモーションで向かっていく。


ここで【韋駄天の俊走アークヘブン・アクセル】を解除。


四体のモンスターたちに四発の弾丸が高速で向かっていく。


同時に俺が乗っているアーテルもミーシャに急接近。


「ゴアッ!?」


「キシャッ!?」


「ホロッ!?」


ゴリラ、カマキリ、シカには見事に命中した! 倒せてはいないようだがヘッドショットで大ダメージのはずだ。


だがカメは・・・


「・・・!?」


頭と手足を甲羅の中に引っ込めてやがった。カメのクセになんて素早い動きなんだ。おかげでカメだけは弾丸が命中しなかった。


「ゴーくんを【還元送還】!マンちゃんを・・・」


ちぃ、ミーシャも動いたか。素早くゴリラを【送還】し、残りも【送還】しようとしているようだ。


・・・だが、他の【眷属】を【召喚】している余裕はあるまい!!


「クルーーー!!!!」


【レーザーダイブ】で高速移動していたアーテルはそのままの勢いで・・・ミーシャの頭上に張られていた甲羅の盾に突っ込んでいった。


ドゴッ!!!!


さすがに頭からは突っ込まず、盾に着地したような形になったが・・・とんでもないスピードだったからかとんでもない音がした。まるで硬い金属同士がぶつかり合ったような音だ。


・・・俺?


俺はアーテルが盾にぶつかる瞬間に飛び降りていた。


向かう先は・・・甲羅に閉じこもっていたカメだ。


瞬時に【グランディススナイパーライフル】を仕舞い、【豪剣アディオン】を取り出す。


「【勇天の一撃(アーク・ストラッシュ)】!!!」


カメの上に飛び乗ると同時に全力の一撃を放つ。


「ボエーーー!?」


「トーちゃん!?」


カメの甲羅は砕け散り・・・光となって消えていく。


・・・どうやらこの厄介なカメは倒せたようだ。


同時にミーシャの頭上に張られていた甲羅の盾も消えていく。


ミーシャは・・・カマキリは【送還】されてしまったか。シカはまだ残されているようだが・・・今は無視だ! ミーシャ本体を討ち取る絶好のチャンス!!


「アーテル!!」


「クルーッ!!」


俺もアーテルも即座にミーシャへと向かっていく。


ミーシャ自身の戦闘力はあまり高くないはずだ!


新たな【眷属】を【召喚】される前に一気に勝負を決める!!


・・・そう思ったが・・・


「ホロロロロロロ!!!!」


「ディーくん!?」


残されたシカ野郎が割って入ってきた。


最後まで主であるミーシャを守るつもりか!?


だが1体で俺とアーテルを同時には・・・!?


いや、待て・・・シカのあの角・・・赤い?・・・いや、シカの体も赤くなって・・・まさか!?


「まずい!逃げろアーテル!!」


「クルー!?」


異変を察知した俺とアーテルは急いでその場から離れる。


同時に・・・


ドッゴーンッッッ!!!


シカが・・・自爆した。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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