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モンスターリーダー

ミーシャの・・・シカの起こした大爆発により吹っ飛ばされる俺。


「・・・クッ!」


ある程度吹っ飛ばされた所で着地。急いで状況を確認する。


「アーテル、無事か!?」


「・・・クルー・・・」


空から降りてくるアーテルの姿を確認してほっとする。


俺もアーテルもダメージはそれなりにあったが・・・間一髪、退避が間に合ったようだ。


・・・まさかあの場面でシカが自爆してくるとは。ロボットや【兵器】を使った自爆なら想定していたがモンスターの【眷属】が自爆してくるとは・・・迂闊だった。


あと一歩って所までミーシャを追い詰めたのに・・・詰めを誤ったな。


・・・いや、ミーシャの【眷属】たちの執念に阻まれたって所か。


ゴリラとカマキリが【還元送還】された所でミーシャのLPも回復しているだろうし、あのカメも最後の瞬間までミーシャを守る為の甲羅の盾を自分のところに戻したりはしなかった。そしてシカの身を挺した自爆・・・敵ながらアッパレだ。


こっちは・・・俺がBPを全消費してしまったが・・・MPはまだある。


あの厄介なカメを倒せた事は僥倖だった。あのカメさえいなければこっちの【魔法】攻撃も十分通用するはずだ。HPを0にした以上、この試合であのカメがまた出てくる事は無いはずだ。・・・2匹目とかいない限り。


「【ヒール】」


俺もアーテルもダメージを負ってしまったが・・・回復すればまだいける。


そして肝心のミーシャだが・・・爆煙が邪魔をして姿が見えない。


フレンドリーファイヤが無効なゲームなので【眷属】の自爆に巻き込まれる事も無いはずだ。


・・・おそらく、あの煙の中で新しい【眷属】を【召喚】しているのだろう。


「【限定召喚】!!」


ほらやっぱり・・・姿は見えないが、一か八か突っ込むか? ・・・いや、ミーシャの正確な位置が分からない以上は危険だな。【風魔法】で爆煙をふっ飛ばしても良いが・・・MPは温存したいし・・・もう間に合わないだろう。


「来て!キュウちゃん!!」


「コ~ン!!」


案の定、煙の中からミーシャと・・・モンスターの鳴き声が聞こえてくる。


この鳴き声は・・・


「・・・お?」


突然、内部から突風が吹き、爆煙が払われる。


中から現れたのは・・・小さい子ギツネを抱きかかえたミーシャだった。


今の風はあの子ギツネがやったのか?


見たところ普通の子ギツネ・・・ではないな。全身が黄色・・・いや金色か? の体毛に覆われていて・・・尻尾が2本ある。猫又ならぬ狐又か?


その子ギツネは・・・ミーシャの頬をペロペロ舐めている。まるで・・・落ち込んでいる主人を慰めるかのように。


・・・やばい、ミーシャが涙目だ。その表情は落ち込んでいるというか・・・暗く見える。


やっぱり俺がカメを倒し、シカが自爆したからか?


【モンスターイズライフ】のリーダーだけあって【眷属】愛は深そうだし、それを倒されたら落ち込みもするだろうが・・・なんか俺がいたいけな少女をいじめてるみたいじゃないか。


・・・これで空気読まず銃をぶっ放したりしたら大ひんしゅくを買いそうだ。試合中なんだから文句を言われる筋合いは無いんだが・・・心情的には、な。


「・・・【眷属】を失って悲しい気持ちはわかるが・・・そこで足を止めてしまうのは【眷族】の為にはならないぞ」


・・・倒した張本人が言うセリフじゃないな。だがこのまま膠着状態になるのはこちらの分が悪い。時間が経てば経つほどLPの自然回復によって新たな【眷属】を【召喚】される可能性が高くなる。


・・・なにより戦う気の無い相手とは戦いたくは無い。


「・・・違います。確かに悲しいですけど・・・覚悟はしてきたつもりです」


ポツポツとミーシャは喋り始めた。


俺が把握している限り、ミーシャはこれまでの試合で【眷属】を失った事は無い・・・それはそれで驚きだが・・・だから、今回初めて【眷属】を倒されてショックを受けたのかと思ったが・・・どうやら違うようだ。


「・・・ならばなんだ?」


「・・・自分の判断ミス、です。私はゴーくんたちを助ける為に【還元送還】を優先させましたが・・・返って仇になりました。あの時、さらに援軍を呼んでいたら・・・トーちゃんやディーくんも助ける事が出来たはずです」


・・・確かにその通りだ。


俺がもっとも懸念していたのはミーシャの【眷属】の増援。一体一体強い上に特徴的な力を持った【眷属】が増えたらこれ以上手に負えないと判断した上で強引に決着をつけようとした。


勝負を一瞬で決めようとしたのも、ミーシャに考えさせる隙を与えないためだ。これまで見たミーシャの性格上、まずは【眷属】を逃がす事を第一に考えるだろうと予想し、反撃が来る前に一気に勝負を決めようとしたのが現状の結果だ。


ミーシャの判断ミスと言われればそれまでだが、あの緊迫した状況でそんな冷静な判断ができるような人間はそうはいない・・・はずだ。


それに・・・


「・・・判断ミスだったかどうかはまだ決まってない」


「・・・?」


「俺も君もまだ舞台に立っている。試合は続行中だ。試合は結果が全て。途中過程はそれまでの布石・・・成否は試合が終わった後にしか分からない」


「・・・アルクさん」


「それに君は主なんだろ? だったら、自分の行動を悔やむより前に【眷属】たちに、良くやったって言ってやるほうが大事なんじゃないのか?」


「!?」


・・・なんで俺が対戦相手を励ますような事を言わなきゃいけないんだ。相手がベルバアルやカオスだったら容赦なく攻め立てられたのに・・・これも俺が紳士な故か。


「・・・そう、そうです、よね。だったら、この試合に勝ってトーちゃんたちに、トーちゃんたちのおかげで勝てたって褒めてあげます!!」


おー、やる気を取り戻したか。この立ち直りの早さはさすがにここまで勝ち進んできただけのことはあるな。


「・・・悪いが勝つのは俺たちだ! 君は俺たち相手に善戦した【眷属】たちを褒めてやるが良い!!」


・・・ん? どっちにしろ【眷属】を褒めてあげるのには変わりないのか?・・・まあ良い。


「そうはいきません!こっちは私の【眷属】の中でも・・・【モンスターイズライフ】の中でも一番強い【オウビギツネ】のキュウちゃんが相手です!!」


「コォォォ!!」


ミーシャの抱擁から飛び降りた子ギツネが牙を立ててこちらを睨んでいる・・・つもりなんだろうが・・・なんだろう可愛らしく思える。


・・・って今、ミーシャなんて言った? 一番強い? この子ギツネが?


「キュウちゃん!【成体】化です!!」


「コ~ン!!」


ミーシャの声と共に子ギツネがどんどんでかくなっていく。そうか今までの姿は【幼体】だったのか。


【成体】になるにつれ牙は鋭く、爪は伸び、顔に獰猛さが表れていく。そして何と言っても・・・尻尾。自分の体よりもでかいんじゃないかと思える尻尾が・・・5本になっていた。


最終的に3メートル近い巨体になった所でミーシャが子ギツネ・・・いや、もう大ギツネか・・・の首の部分に乗っかる。


・・・ミーシャも一緒になって戦うつもりか?


・・・面白い!


「アーテル!!」


「クルッ!!」


俺もアーテルの背に乗り、ミーシャとキツネと相対する。


さあ、ここからは真っ向勝負だ。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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