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勝者と敗者に祝福を

自身を縛っていた【蛇腹の鉄剣】をバラバラに破壊して立ち上がるラーサー。右手に長剣、左手に盾というまさに王道な騎士のような出で立ちね。


ただでさえ【聖剣】による属性攻撃が防がれる上に、【魔法】を防ぐ【聖盾】・・・いよいよ以て【魔法】全般が通用しなくなってきたわね。・・・でもラーサーの様子を見る限り、まったくノーダメージと言うわけでは無いようね。いかに強力な装備でも【上級魔法】を完全に防ぐ事は出来ない、ということかしら。


ただ・・・深刻なダメージのようにも見えないわ。【上級魔法】を連発すれば押し通せるかもしれないけど・・・いくらなんでもMPが足りないわ。


通常攻撃で威力が足りないのなら属性付加をして威力の底上げをするのが常套手段なんだけど・・・それが通用しないのよね。


ラーサーが所持していない【聖剣】の属性を使えば勝機はあるかもしれないけど・・・アルマと違って私が持ってる属性は多くないしね。


今の私が使える属性と攻撃手段から考えると・・・やっぱりレオーネと連携して攻めるのが今の私にできる最善策ね。


「・・・やはり2対1は厳しいね。順番に一人ずつ、確実に倒していく事にしよう」


と思ったけど・・・ラーサーには見抜かれてるみたいね。数を減らしていくのは定石といえば定石だけど・・・今の私達にとってはまずい事態だわ。


その標的となったのは・・・レオーネだった。


「【風聖剣ウィンキャリバー】!」


風属性の【聖剣】を取り出しながら、空中のレオーネに迫るラーサー。


「レオーネ!【サンダーブレス】よ!!」


「ガオオオ!!」


レオーネが雷のブレスを放ったけど・・・今度は盾に防がれる。


「【フラッシュアロー】!!」


私もラーサーを食い止めようとするけど・・・止められない。


「ハッ!!」


「ガオオ!!」


ラーサーの【聖剣】に対してレオーネは牙や爪で対抗しているけど・・・押されてる。私も援護しているのにラーサーはものともしない。・・・私の矢も完全に見切られてる。


遠距離攻撃でラーサーを止めるのは・・・無理!


「【全強化(オールアップ)】!!」


私は自分自身のステータスを強化してレオーネの元へ駆けつける。


「ハァアア!【ソニックキック】!!」


レオーネを斬り付けようとしているラーサーに向かって思いっきりキックを放つ。でも、それも簡単に避けられる。


「おっと!・・・キレが無いね。格闘系は苦手かな?」


クッ!ばれてる・・・頑張って【格闘術】のスキルは上げてたけど・・・接近戦は苦手なのよね。スキルによる補正で形にはなってるけど、アルクやアシュラちゃんにも動きがぎこちないって言われてたのよね。


私一人じゃラーサーの相手は厳しい・・・でもレオーネと一緒なら!


私はレオーネと連携してラーサーに攻撃を仕掛けたわ。


「甘いよ。【分身の術】!」


「!?【忍術】!?」


私たちの攻撃は素通りし、ラーサーの姿が消えた。


【剣術】だけじゃなく【忍術】まで・・・


じゃあ、ラーサーの本体は?


本体は直ぐに見つかった・・・レオーネの頭上に。


「【マキシマムスラッシュ】!!」


そして振りかざした【聖剣】がレオーネに・・・


「レオーネー!!」


レオーネに向かって手を伸ばすも・・・間に合わない!


「ガ・・・オ・・・」


ラーサーの【聖剣】は・・・レオーネに突き刺さった。


「レオーネ!」


レオーネは苦しそうな顔をするも・・・


「ガ・・・オォオオオ!!!」


レオーネは全身から雷を放ち・・・爆発した。


「なに!?・・・グッ!?」


その雷撃はラーサーにもダメージを与えた。今のは・・・【雷獅虎襲撃】? 捨て身で攻撃なんて・・・


ラーサーがレオーネを斬ったのは風属性の【聖剣】。予想外のレオーネの攻撃を防ぐ事は出来なかったみたい。


・・・でもその代償にレオーネが・・・


「・・・!!」


・・・でも悔やんでる暇は無いわ!レオーネが命懸けで作ってくれたチャンス!無駄にはできない!


「【ゼロレンジ・パワーアロー】!!」


近距離用の【弓術】でラーサーに迫る!私の矢が見切られていてもこの近距離なら!!


「おっと、【スピードスラッシュ】!!」


・・・!? 防がれた!? この近距離で!? なんて反射神経なの!?


「【ミーティアルスラッシュ】!!」


「クッ・・・」


ラーサーの【聖剣】を・・・避ける、避ける、避ける。


・・・駄目、避けきれない。【聖弓レッドセラフ】で防いでなんとか・・・それでも受けきれない攻撃は・・・【紅鎧ヴァレッド】のおかげでダメージは最小限に抑えられてるけど・・・


ピシッ!ピシピシッ!!


・・・【聖弓レッドセラフ】にも【紅鎧ヴァレッド】にもヒビが・・・これ以上はもたない!


もうなりふり構っている余裕は無いわ!


「【聖護神セラフィナの加護】よ、聖なる兵をここに!!」


最後の手段として温存していた神の【加護】を使うわ!


「!?」


ラーサーもそれを警戒したのか距離を取る。


私の前に現れたのは武装した【天使】。


剣を装備した騎士風の【アークエンジェル】!


「・・・へぇ」


ガキンッ!


【アークエンジェル】の振りかざした剣を【聖剣】で受け止めるラーサー。


「・・・【天使】がもう一人、か。数の差がまた覆されたようだね・・・でも!」


ガキィィィンッ!!


ラーサーの【聖剣】が【アークエンジェル】を軽くあしらう。


「・・・パワーもスピードも・・・【剣術】もまだまだだね」


・・・やっぱりばれたわね。【聖護神セラフィナの加護】は【エンジェル】の兵士を作り出して私を助けてくれる便利なスキルだけど・・・さすがにレベルの方が足りないのよね。


そこら辺のモンスターなら楽に葬れるくらいの実力はあるんだけど・・・ラーサークラスの相手となると厳しいみたい。


・・・でも、時間稼ぎには十分!


「【ホーリーライズ】!!」


まずは聖属性のステータスをアップ!


「【太陽の劫火(コロナサンバースト)】を【魔法付加(エンチャント)】!!」


さらに【魔法】を付加!


これで準備はOK!


あとは・・・


私は頭の中で【エンジェル】の兵士に指示を送る。それを受けた【エンジェル】の兵士が・・・静かに頷いた。


・・・ごめんなさい。


【エンジェル】の兵士は持っていた剣を・・・捨てた。


「!?」


それに驚いたラーサーも、冷静に手に持っていた【聖剣】で【エンジェル】の兵士を貫いた。


・・・だけど【エンジェル】の兵士は自らを貫いた【聖剣】を掴んで放さない。


「なに!?」


予想外の【エンジェル】の兵士の動きにラーサーの動きが固まった。


私はすかさずそこに近づいて・・・


「【ゼロレンジ・ホーリーアロー】!!」


避けきれない距離で渾身の一撃を放った。


ドゴッッッ!!!


「グアッ!?」


当たった!


さすがのラーサーもこの攻撃をまともに食らったら・・・


ザクッ


「・・・え?」


そう思った所で私の体に衝撃が・・・


見ると・・・私の体を・・・剣が貫いていた。


その剣の持ち主は・・・ラーサー。何時の間にか盾を捨てて別の【聖剣】を持っていた。


「・・・【鉄聖剣メテオキャリバー】・・・だよ。・・・これも僕の切り札の一つだったんだけどね。・・・君は本当に強かったよ」


()()()()()()()()()・・・いえ、【聖剣】を持ったラーサーが・・・言う。


・・・属性だけの【聖剣】だけじゃなかったのに。


やられた。


・・・私の負けね。


敵を討てなくてゴメンね、レオーネ。


・・・勝てなくてゴメン、みんな。


勝者(ウィナー)!! ラーサー!!!』


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― 新着の感想 ―
[一言] 聖剣のバーゲンセールじゃい! ラーサーは天凱十二将 的な探す系を大量に見つけてるのかね
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