神聖なるもの
「【フラッシュアロー】!! レオーネ!【サンダーブレス】!!」
「ガオオオ!!」
私が矢を放つと同時にレオーネがラーサーに向かって雷のブレスを放つ。数の上では2対1!手数を増やしてなんとかラーサーを・・・
「【風聖剣ウィンキャリバー】!【雷聖剣ボルトキャリバー】!!」
・・・なんて甘い考えよね。ラーサーは左手に持った緑色の【聖剣】で私の矢を切り払い、右手に持った黄色い【聖剣】でレオーネのブレスを切り裂いたわ。・・・しれっとまた新しい【聖剣】を出してきてるし。
雷属性の【聖剣】も持っていたのね。これじゃレオーネの攻撃は・・・
「ガオ・・・」
レオーネが不安そうな顔をして私を見る。自分の攻撃が通用しなかったことにショックを受けているみたい。
「・・・大丈夫よ、レオーネ。戦い方はまだあるから」
私はレオーネを奮い立たせるように・・・自分にも言い聞かせるように言った。
「・・・ガオ!!」
レオーネもやる気を見せてくれる。
「お願い、レオーネ!!【全強化】!!」
私はレオーネに支援用の【魔法】をかける。【全強化】は文字通りパワーもスピードも防御力も全てのステータスを上げる【魔法】よ!!
「行って!レオーネ!!」
「ガオオオ!!!」
空中を駆け、ラーサーに迫るレオーネ。属性攻撃が効かないのなら通常攻撃に切り替える!!
「フッ!!」
レオーネの爪を【聖剣】で受け止めるラーサー。
「・・・強いね。【眷属】も優秀のようだ・・・【ミーティアルスラッシュ】!!」
【上級剣術】を振るい、レオーネに斬り付けるラーサー。なんとか避けるレオーネだけど・・・相手の剣のほうが早い! 避けきれずにレオーネに切り傷が・・・
「・・・かすり傷程度か・・・硬いね。【聖剣】を受けてもなおその程度とは、ね」
ステータスを上げていたおかげでレオーネのダメージは深刻なものじゃなかったみたい・・・でも【全強化】の効果も長くは続かないし・・・急いで決着をつけないと。
果敢にレオーネが攻め続ける間に私も攻撃に入る。
「【フレイムボム】を【魔法付加】!!【パワーアロー】!!」
【火魔法】を付加した強めの矢を放つ。
「む?」
それを見たラーサーは黄色い【聖剣】を赤い【聖剣】に取り替えた。
・・・狙い通り。
「レオーネ!【雷獅虎襲撃】!!」
「ガオオオ!!」
そこにすかさず雷を纏ったレオーネがラーサーに攻撃を仕掛けた。雷属性の【聖剣】を持っていない今がチャンス!
「・・・【火聖剣フレアキャリバー】!【雷聖剣ボルトキャリバー】!!」
「え?」
ラーサーはなんと風属性の【聖剣】を雷属性の聖剣に取り替えたわ! 私の矢を火属性の【聖剣】で切り払い、雷属性の【聖剣】でレオーネの牙を受け止めた。
・・・でも風属性の【聖剣】を手放した以上、空を飛ぶことは・・・
そう思ったけど・・・なんとラーサーはレオーネの上に飛び乗ると・・・
「【ハイジャンプ】!」
レオーネを踏み台にして思いっきりジャンプ! その向かう先は・・・当然、私。
「【ホーリーシールド】!【ラピッドアロー】!!」
私は盾を作りつつ、撃退のための矢を放つ。
でもラーサーは向かってくる矢を難なく斬り払う。・・・【聖剣】の力だけじゃなく、ラーサー自身の剣の実力も高いわね。足場のない空中だったり、ジャンプ中に正確に矢を斬り払うなんて・・・このどうしようもなさ。まるで・・・アルクを相手にしているみたい。
「【光聖剣ライトキャリバー】!!」
ラーサーは最初に持っていた白い光属性の【聖剣】を取り出し・・・
「ハッ!!」
私の【ホーリーシールド】をあっけなく切り裂いた。
すぐに第2撃が来る・・・その前に!
「【蛇腹の鉄剣】!!」
「なにっ!?」
私が取り出したのは・・・昨日ガットさんから貰った【蛇腹の鉄剣】! 連接剣とも呼ばれる刀身が鞭のように伸びる変則的な剣!
普段剣も鞭も使わない私だけどこの近距離なら!
【蛇腹の鉄剣】をラーサーに向かって思いっきり振り下ろす!
不規則な刀身はラーサーの体にダメージを与えながら絡みつく。
「クッ・・・」
勢いをそがれたラーサーはそのまま地面に落下して行く。
「チャンスよ!レオーネ!【サンダーブレス】!!」
「ガオオオ!!」
この機を逃さず攻撃を仕掛けるレオーネと・・・私。
「あまねく太陽の輝きよ、灼熱の赤き炎であらゆる物を焼き尽くせ!【太陽の劫火】!!!」
レオーネに続いて太陽の劫火をラーサーに向かって放つ。
【蛇腹の鉄剣】に動きを縛られているラーサーは・・・その攻撃の直撃を受けた。
ドッゴォォォン!!
爆発による爆煙が周囲を覆う。
今の攻撃にラーサーは・・・【聖剣】を取り出す余裕もなかったはず。
いかにラーサーといえどダメージは免れなかったはずよ。
とはいえ、私の勝利のアナウンスが無い以上、ラーサーはまだ倒せていない。
・・・あの爆煙の中に飛び込んで追撃を仕掛けるべきかしら?
でもアルクからは、視界の悪い中に飛び込むのは自殺行為だと言われてるし・・・ラーサーは油断ならない相手。下手に突っ込んだら返り討ちになる可能性が高いわ。
・・・でも【蛇腹の鉄剣】で身動きを封じている今がチャンス・・・
そう思案していると・・・
「【ミーティアルスラッシャー】!!」
爆煙の中から緑色の斬撃が周囲に飛び散り、煙を吹き飛ばした!
そして中から現れたのは・・・右手に緑色の【聖剣】を持ち、左手に・・・盾を持ったラーサーだった。
「・・・なるほど、君は本当に強いね。【聖剣】だけじゃなく【聖盾グラウジス】まで使わされるなんてね」
・・・見た感じ、ラーサーには少し鎧にこげたような跡はあるものの深刻なダメージを受けたようには見えない。・・・あの盾で防いだ? でも身動きは取れなかったはず。
「【聖盾グラウジス】は魔を払う盾・・・持っているだけで【魔法】防御力を高めてくれるんだよ」
・・・手を変え品を変えてまた厄介な物を・・・本当にアルクを相手にしているみたい。
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