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聖剣の力

「【ミーティアルスラッシャー】」


ラーサーは緑色の長剣を振り、()()()()()を飛ばしてきた。


「【ホーリーシールド】!」


対して私は、自分の前方に半透明の、聖属性の【魔法】の盾を生み出して斬撃を防ぐ。


・・・アルクが同じスキルを使った所を見たことはあるけど・・・あのスキルは緑色の斬撃なんかじゃ無かったはず。つまりあの【聖剣】の力ということね。


ピシピシッ!!


!?もう【ホーリーシールド】にヒビが・・・うかうかしてられないわね!


「【力強化(パワーアップ)】!【速度強化(スピードアップ)】!【ラピッドアロー】!!」


パワーとスピードを強化して矢を乱射。


【ホーリーシールド】は外部からの攻撃は防ぐけど、内部からの攻撃は貫通するから盾に隠れながら狙い打つ事ができるわ!


「フッ!!」


でも私の矢はことごとく避けられるか、長剣で斬り払われた。


・・・やっぱり正面から矢を放っても当たらない、か。模擬戦でもアルクには当たらなかったし。


・・・アルクにもバカ正直すぎるって言われてたのよね。


攻撃には相手の虚を突き隙を作る攻撃と、その隙を突く本命の攻撃を意識しろ、だって。何も考えず攻撃するのが一番悪いとも言ってたわね。相手のカウンターの餌食になるのがオチだ、と。


「【マキシマムスラッシュ】!!」


「!?」


いつの間にか近くまで来ていたラーサーに【ホーリーシールド】を真っ二つにされたわ!!


ガキンッ!!


ラーサーの白い【聖剣】を【聖弓レッドセラフ】で受け止めることでなんとか防いだわ!


「・・・へぇ、僕の【聖剣】で斬れないなんて・・・優秀な武器だね」


「それはどう、も!【ラッシュキック】!!」


「・・・グッ!?」


剣と弓で鍔迫り合いになった所でキックをお見舞いしてやったわ!・・・ラーサーの鎧にはあんまり効かなかったみたいだけど・・・距離ができた!


今がチャンス!!


「【大爆発(エクスプロージョン)】を【魔法付加(エンチャント)】!【フラッシュアロー】!!」


【爆発魔法】を付加した【上級弓術】の最速の矢を発射!!


いくらラーサーでも避けられないはず!


「これは・・・!?」


ドゴォォン!!


避けきれないと分かったらしいラーサーは手に持っていた【聖剣】で矢を切り払おうとした所で・・・大爆発が起こったわ。


【爆発魔法】を付加した矢は触れただけで爆発する爆弾になるのよ。


私だってトーナメントに向けて試行錯誤を繰り返してきたわ。色んな場所に赴いて様々なモンスターとも戦ったし、クラン内でPvPもしたわ。これはその成果ね。


私の種族、【天使】は聖属性と支援、回復が得意な種族。戦闘自体には・・・あまり向いてない。


【魔法】に関しては【魔族】であるアルマのほうが上だし、戦いのセンスに関してはアルクのほうが圧倒的に上。私の特性を考えれば後方支援が向いているのはわかっているけど・・・それでもトーナメントに参加した。


それは挑戦でもあったし、意地でもあった。


私は守られるばかりじゃ嫌なのよ。


だから私は前に出る。


アルクにもアドバイスして貰った。


支援に向いているのなら自らを強化すれば良い。


正面から戦うのが苦手なら意表を突く方法を考えれば良い。


戦い方なんて創意工夫でいくらでも対応できる・・・だから常に考え続けろ、だって。


試してみて分かったのは強化(バフ)効果を付けた【魔法】ならアルマにも負けないし、【魔法付加(エンチャント)】を使った矢は素早くて威力もある。


私だって戦える。


アルクにだってお墨付きを貰った・・・彼には一度も勝てなかったけど。


と、とにかくアルクにも自信を持って試合に臨めと言われた。


・・・けど・・・


「・・・ふぅ、びっくりした」


爆発の中から姿を現したラーサーは・・・無傷だった。


そんな・・・【大爆発(エクスプロージョン)】を食らって無傷なはずは・・・


そう思った所で気が付いた・・・ラーサーが右手に持っていた白い【聖剣】・・・【光聖剣ライトキャリバー】が・・・赤くなっていることに・・・いえ、違うわ。形も変わってるし・・・


「【火聖剣フレアキャリバー】まで使わせられるとは、ね」


三本目の【聖剣】!?


一体いくつ【聖剣】を持ってるのよ!?


というかそんな何本も【聖剣】があって良いの!?


・・・と、とにかく、あの赤い【聖剣】で私の【大爆発(エクスプロージョン)】付きの矢を防いだ?

それにしてもノーダメージなんて・・・


「・・・驚いているようだね。・・・僕に【聖剣】を三本も使わせたことに敬意を表して教えてあげるよ。名前から分かると思うけど僕の持っている【聖剣】は各属性に特化している・・・そして持ち主に対してその属性の恩恵を与えてくれるのさ」


・・・つまり、風属性の【聖剣】で攻撃すれば、その攻撃に自動的に風属性が付加されるということ・・・私の【大爆発(エクスプロージョン)】を防いだのは火属性の【聖剣】を手に持ったことで火属性の属性防御力が高まったから?


しかも【大爆発(エクスプロージョン)】まで防ぐってことは・・・かなり強力な属性付加が行われていると言う事になるわね。


これは・・・ラーサーの持っている【聖剣】に対応した属性の【魔法】や攻撃は・・・通用しないほうが良いと思ったほうが良いのかしら。


・・・厄介すぎるわね。


なにより厄介なのは・・・ラーサーは他にも【聖剣】を持っているだろうということ。


さすがに全属性をコンプリートしているとは思えないけど・・・いえ、やり込んでいるプレイヤーならありえるかも。廃人クラスのプレイヤーなら何が何でもやり遂げるってアルクも言ってたしね。


そうなると・・・ラーサーにはほとんどの攻撃が通用しないことになるわね。


いっそのこと何も付加しない通常攻撃の方が・・・いえ、最初にその攻撃をしたとき、私の矢はラーサーが着込んでいる鎧に防がれていた。


通常攻撃でラーサーにダメージを与えるにはよほど強力な攻撃じゃないと・・・しかも属性の付加は厳禁。


・・・厳しいわね。【上級魔法】が使えないとなると・・・かなり厳しい。


もう一つの突破口としては・・・ラーサーが手に持っている【聖剣】は2本。手が2本しかない以上、当たり前なんだけど・・・つまり、ラーサーに通用しない属性は最大でも2属性だということ。


いえ、うち一本は風属性の【聖剣】。


その【聖剣】の力で空を飛んでいるのなら、【聖剣】を手放す事はできないはず。


なら空中にいる限りラーサーに通用しない属性は風属性とあと一つだけ。


なんとかラーサーの不意を突いて、それら以外の属性で攻撃すれば・・・いけるはず!!


「【限定召喚】!来て!レオーネ!!」


「ガオオオ!!」


【成体】化したレオーネが私の直ぐ近くに現れる。


レオーネには翼は無いけど・・・【空歩】というスキルで宙を駆けることができる!


「貴方の力を貸して!レオーネ!!」


「ガオッ!!」


そんな私とレオーネを見てラーサーは・・・


「・・・へぇ、面白い」


不敵に笑っていた。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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