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第三試合

「・・・美味いな」


アーニャが作ってくれたケーキをパクリ。


上級な食材で作られた至高のチョコレートケーキでございます。


・・・試合観戦しながら食うものじゃないな。しかし考え事をするには糖分が必要だ・・・ゲームの中で意味があるかどうかは知らんが。


まあ、この至高の味の前では思考が止まってしまうけどな(笑)


皆無言でケーキをパクついている間にも試合は進む。


第三試合はAグループのマックスとボレアス、Bグループのヘブンとフィリップの試合だ。


【GGGヒーローズ】のリーダーであり、ガタイの良いヒーローのコスチュームを着こんだレスラーのようなマックスと、全身を黒ローブで包み込み無表情の鉄仮面で顔を隠した正体不明のボレアスの試合。


ボレアスの方は・・・見た感じ小柄だ。子供とまではいかないが、女性と言われても納得できる。


体格差で言えば圧倒的にマックスの方が有利だろう。


試合前まではそう思っていたが・・・始まってからは違った。


いつの間にかボレアスの仮面が変わっていた。無表情だった仮面が怒りの仮面に。それと同時にボレアスの体がみるみる大きくなっていった。黒ローブに包まれたままだが体格はマックスと同じくらいの大柄にまでなった。


そして始まるマックスとボレアスの殴り合い。


マックスが使っているのは上級の【格闘術】だ。動きにキレもあるしかなり戦い慣れているようだ。さすがに大型クランのリーダーといった所か。


問題は・・・それに食らいついているボレアスの方だな。ボレアスが使っているのも上級の【格闘術】だ。黒ローブで見えにくいが・・・ボレアスの方もかなりの実力のようだ。


ボレアスの黒ローブの下はどうなってるんだ? 体が小さかったりでかくなったり・・・アルマが戦った【エイジア】とか言う種族か? あの時はジジイだったのが若返ってゴリゴリのデカマッチョになっていたし・・・それか?


しかし、あの仮面はなんだ? ・・・何かの演出?


と思ったら仮面が今度は笑顔になった・・・なんか気味が悪いんだけど。


すると体格が元に戻ったと思ったらいつの間にか杖を持って【魔法】を使いだした。


しかも上級の【魔法】だ。威力も高い。


【武術】だけじゃなくて【魔法】までレベルが高いとは・・・と思ったらまた仮面が変わった。


今度は悲しみの顔だ。


すると今度は銃やらミサイルやらを使いだした。


もしや、あの仮面の表情によって使うスキルや武器を変えているのか? それともスキルや武器の切り替えで仮面の表情が変わる? 一体何の意味が?


いや、それよりも気になったのは・・・ボレアスの使った【兵器】だ。試合の中で使ったのは・・・【弱体粉】だ。俺が戦った【秘密結社DEATH】のレディというコスプレナースが使っていた物だ。


まさか奴は・・・と思っているとボレアスの正体をばらしたのは・・・マックスだった。


というか馬鹿でかい声で「お前は【秘密結社DEATH】のボスだな!!」とビシィ!!と指さしていた。ボレアスは終始無言だったが・・・一瞬動揺したのか動きが止まった。


どうやら正解だったらしい・・・さすがにバレバレだよな。


()レア()でボスか・・・そのまんまだな。


しかし、これで謎だった【秘密結社DEATH】のボスの正体が割れた・・・って割れてないか。喋らないし仮面で素顔を隠してるし、体がでかくなったり小さくなったりして体格も参考にならないし・・・徹底して正体を隠してるな。・・・名前と見た目しかわからないな。


そこからのマックスの猛攻が凄かった・・・【GGGヒーローズ】と【秘密結社DEATH】はライバルクランらしいから、おそらく長年(笑)の謎だったライバルクランのリーダーの正体を見極める絶好のチャンスだと思ったのだろう。


ボレアスの放つ【魔法】や【兵器】を物ともせず、ボレアスに殴りかかっていた。・・・どうでも良いが【魔法】や【兵器】を、セイッ!とか、セヤッ!とか気合一発パンチで撃ち落としていくのはどうなんだろう?【弱体粉】を食らってるのに物ともしていないし・・・さすがヒーロー!


結果勝ったのはマックスだったのだが・・・ボレアスは最後まで不気味だった。


仮面は無表情に戻ったが、マックスの力をもってしても仮面を壊すことも黒ローブを引きはがすこともできなかった。正直見ていてもマックスの攻撃が通用しているのかどうかてんで分からなかった。


ある程度の攻撃を食らった所で突然パタッと倒れた所で試合終了となったが・・・最後まで不気味だった。勝ったはずのマックスでさえ怪訝な表情をしていたしな。


・・・さすが悪の組織のリーダー。倒された方まで徹底しているとは。


結局、【秘密結社DEATH】のボスの正体は・・・最後まで分からないままだった。


一方でBグループのヘブンとフィリップの試合だ。


暑苦しいクラン、【クラッシュヘブン】のリーダーでありデカムキマッチョのヘブンと、スーツ姿に傷跡の残る顔をしたハードボイルドクラン【グランツシャッテン】のリーダー、フィリップの試合だ。


ヘブンは・・・上半身裸で短パンを着たまさにレスラーのような姿だ。・・・一体何を考えてあの姿なんだろうか?防御力0だろう。いや、短パン分くらいの防御力はあるだろうが・・・紙装甲じゃないか?


もっとも防御力という意味ではフィリップも似たような物じゃないだろうか。だってスーツだし・・・俺たちが着ている戦闘服のような特別製かな?


試合が開始された途端、フィリップは【土魔法】を使ってヘブンの周囲に大小さまざまの土壁を作りだした。


それもかなりの規模だ。舞台の半分以上がコンクリートジャングルならぬ土壁ジャングルとなっていた。・・・あんな規模の【土魔法】を使ったらMPがなくなるんじゃないか?


一方のヘブンは舞台の中央で黙って佇んでいた。


そこで急にヘブンが・・・のけぞった。


狙撃だ。


土壁の内の一つから半身を乗り出したフィリップがライフルでヘブンを狙い撃ちしたのだ。


スナイパーか、アイツは・・・いや、どっちかというと暗殺者?


フィリップは一発撃つと身を引っ込め、別の場所に移動し狙い撃つというのを繰り返していた。


なるほどな。徹底した遠距離スタイル・・・しかも自分は姿を隠して・・・スパイ要素まで入れてきたか。


対するヘブンだが・・・ヘッドショットを食らったのに何で首がのけぞるだけなんだろう? しかも大してダメージがあるように見えないし。アイツの顔面は鉄でできてるのか?


ヘブンはその場から動かず、フィリップに好き放題撃たせていたが・・・まるで効いた様子がない。あのムキムキの筋肉にすべて弾かれたように見える。・・・アイツ、本当に人間か?


ある程度好きに攻撃させた所でヘブンが動いた。


周囲の土壁を丁寧に一つずつ砕き始めた。


ラリアットで。


・・・あんなスキルあったかなぁ・・・それとも素の攻撃なのか?


どんどんなくなっていく土壁に焦ったのかフィリップはヘブンを攻撃したり土壁を増やしたりしていったが・・・ヘブンはどんどん土壁を壊していく。うーん、なんという馬鹿力。


やがてフィリップはMPが尽きたのか土壁を増やすことはせず、最後の土壁を壊したヘブンと相対することになった。


さてどうするのかと思ったがフィリップはライフルを捨てナイフを取り出しヘブンへと向かっていった。


ヘブンは仁王立ちのままフィリップのナイフを受け止めた・・・だが・・・ナイフは突き刺さることはなく・・・ヘブンの筋肉によって止められていた。


・・・うっそーん。


そんな顔をしているフィリップをヘブンはガシッと捕まえると・・・ヘブンはフィリップに対してコブラツイストを仕掛けた。


・・・何故?


結局、コブラツイストを仕掛けられたフィリップは・・・ギブアップした。


・・・何とも言えない試合だった。


というかよくわからない試合だった。フィリップには・・・同情する。


とりあえずヘブンとは・・・試合で当たりたくない。


そう思わせる試合だった。


・・・ま、まあ気を取り直して、次はアテナの試合だな!


作者のやる気とテンションを上げる為に


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m(_ _)m

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