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トゲより恐ろしい物がある

「【ヒール】」


フィオレを回復しつつ、エルザリートさん倒す方法を考えます。エルザリートさんを倒すにはやはりあの【宝石魔法】を攻略するしかないでしょう。


問題はどうやって、ですが・・・私の【魔法】はエルザリートさんの【アクアマリン】の盾に跳ね返されてしまいます。それはフィオレのブレスも同様でした。


しかし、ここで疑問が一つ。


私たちの周囲を覆う竜巻、【サイクロンストーム】が()()()()()()()()()という点です。


正直な所、【サイクロンストーム】は破れかぶれに放った【魔法】です。隙ができれば良いな、程度でしたが・・・予想に反してエルザリートさんから距離を取ることに成功しました。


何故、【サイクロンストーム】が跳ね返されなかったのか? 考えられる可能性としては・・・ある一定以上の威力の【魔法】は跳ね返す事が出来ない? もしくはある一定上の範囲の【魔法】は駄目? それとも跳ね返せる【魔法】自体に何か条件が?


いずれにせよ【アクアマリン】の盾も無敵では無い、ということでしょう。


しかし、ここで焦ってはいけません。


下手に【上級魔法】を使えば跳ね返されて全滅、という事態になりかねませんからね。


残りMPに注意しつつ、なんとかエルザリートさんへの対策案を見つけなければ・・・


「・・・行きますよ、フィオレ」


「ピュイ!!」


【サイクロンストーム】を解除し、エルザリートさんを探します。


・・・着かず離れずの位置で青紫色の宝石剣を構えていました。おそらくこちらの動向を伺っていたのでしょう。闇雲に攻めてこないのはエルザリートさんが慎重だからでしょうか?・・・手ごわいですね。


「フィオレ!【フレイムトルネード】!!」


「ピュイイイ!!」


私はフィオレの背から飛び降り、同時にフィオレは炎を纏い、回転しながらエルザリートさんに向かって突撃していきます。


【魔法】が跳ね返されましたがこれならどうです? さすがにフィオレを跳ね返すことはできないでしょう?


と考えていたのですが、当のエルザリートさんは・・・


「【ダイアモンド】!!」


やはり前面に宝石の盾を・・・でも【アクアマリン】じゃない!?


ガキィィンッ!!


「ピュイ!?」


フィオレの攻撃は・・・【ダイヤモンド】の盾によって弾かれました。


【ダイヤモンド】の盾に衝突し、無防備な状態になっているフィオレに対してエルザリートさんは宝石の剣を・・・


いけません!!


「フィオレ!? 【サイクロンストーム】!!」


私はフィオレを助けるために今度はエルザリートさんに向かって【サイクロンストーム】を放ちます。竜巻の中にエルザリートさんを閉じ込めるためです。


ですが・・・


「【アクアマリン】!!」


「え?」


私が放った竜巻は・・・【アクアマリン】の盾の中に吸い込まれていきました。


そんな・・・【サイクロンストーム】は跳ね返せないんじゃ・・・


エルザリートさんは【アクアマリン】の盾をフィオレに向けました。【魔法】を跳ね返すつもりなのでしょう。


「させません!【アクアストリーム】!!」


エルザリートさんの行動を少しでも阻害するために水流を放ちます。


私としてもそこまで効果があるとは思っていませんでしたが・・・


「・・・!?」


・・・水流を・・・避けた? なぜ? 【アクアマリン】の盾は出したままなのに。


「フィオレ!今のうちに!!」


「ピュイ!!」


理由は分かりませんが、エルザリートさんの体勢が崩れているうちにフィオレに戻ってきてもらいます。


「逃がさない!!」


しかし、それでもエルザリートさんは【アクアマリン】の盾をフィオレに向け【サイクロンストーム】を放ってきました。


「【フラッシュ】!!」


「あぐっ!?」


そこで私は目くらましのための【光魔法】をエルザリートさんに放ちます。予想通りエルザリートさんには効果てきめんでした。【アクアマリン】の盾から放たれた【サイクロンストーム】は明後日の方向に向かっていきました。


「大丈夫ですか、フィオレ?」


「ピュイ!!」


・・・大丈夫そうですね。良かった。


しかし・・・なんとなく分かりましたね。


おそらくエルザリートさんの【アクアマリン】は一つの【魔法】しか跳ね返せない。そして一度使用すると再度、出しなおさないと使い物にならないのでしょう。


だから跳ね返せたり跳ね返せなかったりしたのですね。


これは大きな収穫ですが・・・問題も残りましたね。


もし威力に関係なく一回だけならどんな【魔法】でも跳ね返せるとしたら・・・迂闊に【上級魔法】が使えませんね。少なくとも何らかの対策を立てないと・・・


さらに別の問題もでました。【ダイヤモンド】の盾・・・フィオレの攻撃を防いだ事を考えると物理攻撃用の盾といったところですか。


【魔法】を跳ね返す盾に、物理攻撃を防ぐ盾。


遠距離、近距離の攻撃手段もある。


本当に厄介ですね。【宝石魔法】というのは。


「・・・さすがですね、アルマさん」


そしてエルザリートさんはというと・・・宝石の剣や乗り物など全ての宝石を消すと地面に降り立ちました。


「大抵の相手には【宝石魔法】の一つや二つで事が済むのですが・・・本当にこのトーナメントはレベルが高いですね。特に【魔法】職相手なら相当強いと自負していたのですが・・・」


・・・確かに【魔法】をそのまま跳ね返せるのなら、【魔法】職からすれば天敵でしょうね。


「・・・エルザリートさんも凄いですね。正直今までで一番戦いにくい相手です。クランメンバーとPvPの練習をしていなければとっくに倒されていたかもしれません」


これは正直な感想です。


このトーナメントは本当に予想外、想定外の戦い方をするプレイヤーが多く、油断しているとあっという間に倒されてしまいそうです。


どのような事態でも慌てず騒がず、自分の力を理解して冷静に分析して対処法を考える。


リーダーであるアルクさんの意向ですが・・・ここに到って事前に練習することの大切さが良く分かりますね。


「なるほど・・・良い仲間がいるのですね。・・・でも仲間のために負けられないのは私も同じこと!!」


・・・エルザリートさんからプレッシャーというかオーラのような物がビシビシ伝わってきます。


・・・どうやら本気を出させてしまったようですね。


「【ラピスラズリ】!!」


エルザリートさんが首から提げているネックレスの宝石が・・・青く輝きました。


すると・・・エルザリートさんの全身に・・・ドレスの上に青い宝石の鎧が!!


「【ラピスラズリ】の鎧・・・ですか」


「その通り! でもこれだけじゃないわ!【タンザナイト】!!」


さらにエルザリートさんが両耳につけているピアスの宝石が青紫色に輝きだしました。


すると・・・


「!?」


エルザリートさんに人間ほどの大きさほどの、青紫色の宝石が10個・・・さらにその宝石たちは形を変えていき・・・人型に!?


「今度は【タンザナイト】の兵士・・・ですか」


10体の【タンザナイト】の兵士たち・・・それぞれ剣持ちが2体、盾持ちが2体、斧持ちが2体、槍持ちが2体、弓矢持ちが2体現れました。


これがエルザリートさんの全力・・・ですか。


綺麗なバラにはトゲがあると言いますが・・・美しい宝石にはとんでもないものが潜んでいましたね。


「ここからは・・・私も全力です!!」


・・・勘弁して、と思ってしまうのは私だけでしょうか。


作者のやる気とテンションを上げる為に


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